不登校

【整理しました】子どもが不登校になったらどうしたらいいのか?

子どもが不登校になったけど、どうしたらいいかわからない…。不登校に関する本やインターネット上の記事も多いけど、何を信じればいいのかわからない…。親として何ができるの…

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  1. 子どもが不登校になったらどうしたらいいのか?【長期的視点型支援の完全解説】
  2. 小学生、中学生、高校生別の不登校対応
  3. 不登校の母親、父親、祖父母に関する記事
  4. 病気(ASD、ADHD、HSC、起立性調節障害、過敏性腸症候群など)と不登校
  5. youtube、ゲーム、スマホと不登校

 

記事の信頼性
私は児童精神科や学校で不登校のお子さん・親御さんのカウンセリングをしていた臨床心理士です。

関わったなかには発達障害、軽度知的障害、起立性調節障害、不安神経症、うつ状態などさまざまなお子さんがいました。

再登校したお子さんもいれば、継続して不登校のお子さんもいますので、現場のリアルを踏まえてお伝えできると思います。

この記事にたどり着いた方は、不登校という“一見解決が難しい問題”に悩まされ、色んな本やらネットの記事やらをたくさん読んだけど、結局どうすればいいのよ…、と混乱している方かと思います(もしくはそういう時期があった方)。

私は不登校支援を大きく2種類に分けています。

1つ目は【長期的視点型】、2つ目が【再登校重視型】です。

この記事は、私が【長期的視点型】とよんでいる不登校支援についてまとめたものです

2つの支援の違いについては【重要】不登校支援の結論をお話しします【後悔しない基本の知識】に書いていますので、よかったら参考にしてみてください。

長期的視点型を一言で言えば、一般的な不登校支援です。

スタンダードな支援、無難な支援と言いかえてもよいと思います(あくまでも私の感覚です)。

ポイント

この記事を読むこと親としての対応に自信をもつことができ、不登校のお子さんとの日常が低ストレスになります。結果として親も子どもも成長し、不登校の解決やお子さんの自立につながると思います。

では、さっそく、本題にいきましょう! 

この記事は、個別の記事へのリンクを集めた記事なので、途中で「詳細はこの記事を見てください」というリンクがたくさん出てきます。また、記事自体がとても長いです(陳謝)。なので、元気があるときにゆっくり読んでいただけると嬉しいです

 

【1章】子どもが不登校になったらどうしたらいいのか?【長期的視点型支援の完全解説】

長期的視点型支援のポイントは以下です。

  • 不登校であることを認め、家にいてよいと伝える。
  • 学校にいるべき時間であっても、スマホやゲームなどを制限しない(制限するとしても限定的)。
  • 生活リズムの改善など、普通の子と同じようにしなさい、というたぐいの指示はしない。
  • 肯定的な言葉をたくさんかけて、子どもの心のエネルギーをためる。
  • 登校しやすいような環境調整はするが、基本的には本人が自発的に動き出すのを待つ。

 

親御さんの対応方法はお子さんの状態(不登校の段階)によって判断します。

段階は大きく分けて4つで、この4段階は他のWebサイトなどにも書いてあることかと思います。

  1. 不登校準備段階:学校を休みがちな段階
  2. 不登校開始段階:本格的に休み始めた段階
  3. 引きこもり段階:家にいることが当たり前になっている期間
  4. 社会との再会段階:再登校にむけて動き出そうとしている段階

※齊藤万比古先生の「増補 不登校の児童・思春期精神医学」より引用

では、長期的視点型の不登校支援の詳細を解説していきます。

  1. 登校しぶり:常識的な対応として、学校に行くように促し、難しければ不登校を受け入れる(段階①②)
  2. 本格的な不登校対応1:親子のコミュニケーションの架け橋をつくる(段階②)
  3. 本格的な不登校対応2:3つの安心感を高める(段階③)
  4. 本格的な不登校対応3:本人の活動の幅を広げる(段階③)
  5. 回復期:子どもが動き出す時期を知り、準備をしておく(段階④)

①登校しぶり:常識的な対応として、学校に行くように促し、難しければ不登校を受け入れる

結論から言うと、登校しぶりが始まった段階では、常識的な対応として学校に行くよう促した方が良いです。

注意ポイント

ただし、お子さんも嫌なことがあるから行きしぶっているので、何がいやで、どうなったら行きやすいかを聞いて、可能であれば配慮してあげてください。また、いじめやうつ病などの精神疾患が理由になっている場合は問答無用で休ませた方がいい場合がありますので、学校の先生やスクールカウンセラーなどと連携をとって対応した方がよいでしょう。

お子さんの心理として、大した理由はないけど願わくば行きたくない気持ちから登校しぶりになっている場合もあるかと思います。そういう場合は休む基準を伝えてあげると良いでしょう。例えば以下です。

学校を休ませる基準

  • 熱があるなら、何度以上なら病院に行く
  • お腹が痛いなら病院に行き、お医者さんが休む必要があると言ったら休む
  • 体調が悪くて休むのだから、家では体をやすめることに努め、ゲームはやらない

この時期は対応を少し工夫するだけで状況が改善する可能性があります。習慣的にやっている対応を変えてみたり、お子さんの考え方を変えてあげたりするアプローチもありです。

\詳しい内容は以下の記事からどうぞ/

 

②本格的な不登校対応1:コミュニケーションの架け橋をつくる

子どもが不登校になって部屋に閉じこもり、あまり外に出てこない、親子で会話すらむずかしい場合は、今親御さんが”よかれ”と思ってやっている対処方法を見直すことで改善につながります。

例えば部屋に食事を持って行っているとしたら、今日は親は外でご飯を食べる用事があるから等、何らかの理由や方法で親の対処行動を変えていきます。やや戦略的な対応が必要な場面でもありますので、専門家に相談することも1つの手段です。

また、話しかけ方にもコツがありますので、それを知っておくとお子さんとコミュニケーションを取りやすくなるとおもいます。

\詳しい内容は以下の記事からどうぞ/

 

③本格的な不登校対応2:3つの安心感を高める

コミュニケーションがふつうに取れるようになったら次のステップです。

結論、3つの安心感を高めることを目指します。これが不登校支援の中心です。

  1. 自分に対する安心感(自己肯定感やストレス耐性を高める)
  2. 親に対する安心感(親子の信頼関係の構築)
  3. 環境に対する安心感(本人に合った再登校の場所探し)

なぜなら、再登校するにしろ、適応指導教室に行くにしろ、新しい環境に踏み出すには、①自分ならやれるかもしれないという自信、②いざという時に頼れる大人、③頑張りすぎなくても過ごせる環境が必要だからです。

①自分に対する安心感を得るためにどうすれば良いか

自分は自分でよい、という安心感(自己受容感)を得るためには、親にありのままを認められることが大切になります。

また、自分でもやればできるかもという感覚(自己肯定感)を得るには、何か行動してほめられる体験を増やすことが重要です。

結論、「認めること」と「ほめること」が重要です。

詳しいやり方は以下の記事で書いておりますので、参考にしてみてください。

※上記2つの記事はけっこう内容がかぶってます。

 

②親に対する安心感を得るにはどうすれば良いか

私は【攻めの対応】と【守りの対応】の両方がそろうことでお子さんの自立を促し、親への安心感を高めることができると思っています。

攻めは、子どもの心のエネルギーを回復するための、親からの働きかけのことです。

具体的には上記①に書いた「自分に対する安心感を得るためにどうすれば良いか」と同じで、親がほめたり、認めたりすることです。

 

守りは、お子さんからの問いかけ、甘え、依存などに、親がどのように対応するかです。

具体的には、親の問題と子どもの問題を分けて考える、必要なことはルールを決めて守らせる、本人に決めさせる、親がやらずに断る、などがあります(今後個別の記事で書く予定です)。

この「守り」における良くない対応の代表が親の先回りや過干渉です

親がやらない方がよい対応は以下の記事で解説していますので、よかったら見てみてください。

 

③環境に対する安心感

子どもがなぜ学校を回避するかというと、お子さんは意識か無意識かは別として、学校を危険だと思っているからです。

学校に行ったら怖い、恥ずかしい、惨め、苦痛などのネガティブな感情が出るので、距離をとり、安全な家に避難するのでしょう。

よって、本人のストレス耐性を向上させることと同時にできるだけ危険を感じずに生活できる環境を見つけることが、社会生活に復帰するうえで大切です。

再登校重視型支援の場合、行きやすい環境ではなくて元いたクラス(教室)に戻ることが前提ですが、長期的視点型支援では別室や適応指導教室でも行けるならよしと考えます。

これについては、「⑤回復期:動き出す時期を知り、準備をしておく」で解説します。

④本格的な不登校対応3:本人の活動の幅を広げる

お子さんに肯定的な言葉がけを続けるのが長期的視点型の不登校支援のメインですが、それなりに元気出てきお子さんにはどう対応したらいいでしょうか。

「学校に行ってみる?」と言いたいところですが、私の経験上、その程度の言い方ではまず行かないです。

結論、次の目標は家で座っていたり、寝ていたりする時間を減らすことです。

専門的には「行動活性化」といいます。

理由は2つあります。1つ目はこの段階では子どもが外界からの刺激に慣れておらず、すぐに疲れてしまうからです。2つ目は活動の幅が広がることで自分に自信がつき、もう少し別の活動をしてみようかなと思うようになるからです(その終着点が学校ないしどこかしらの居場所に行くこと)。

 

例としては買い物、ショーやライブなどのイベント、運動、カラオケ、ボーリング、図書館、釣り、DIY、料理、畑仕事、家の手伝い、温泉、オタク活動(アニメイトに行くなど)、推し活(アイドルの握手会に行くなど)、など、何でもいいと思います。

1人でゲームやスマホするではなく、親や友だちと共に行動して(共行動)いい気分になると、人への信頼感も積み重ねることができます。

もちろん、1人が好きであれば、1人で活動するでも全然いいです。

 

どのタイミングで外出を促したらいいの?

と思った親御さんも多いかと思います。

それについては、節目や子どもが「退屈だ」という発言をしたタイミングなどが良いかと思います。

節目というのは、中3(高3)になるとき、進路希望を出すとき、三者面談があるとき、誕生日などです。

元気が出てきたら、子どもと相談しつつ、活動の幅を広げることを目標にしましょう。

⑤回復期:子どもが動き出す時期を知り、準備をしておく

結論から言いますと、不登校のお子さんが動き出す時期はほとんど決まっていて、最も多いのは「中学・高校を卒業するときか、受験する学年に上がるとき」です。

親御さんにとってはショッキングな事実かもしれませんが、私の支援経験上、進学時に再登校するお子さんが一番多く、このタイミング以外で再登校につながることはあまりありません(再登校重視の支援をするのであれば話は別です)。

\詳しい内容は以下の記事からどうぞ/

 

子どもが動き出そうとしているサインで一番わかりやすいのは、これまで避けていた学校や進路の話をし始めることです。

もし本校(席のある学校)に戻りたいと言った場合は、再登校支援の知識が役に立つと思いますので、再登校の失敗を防ぐ段階的な支援とは|不登校の復帰の判断基準や別室登校についてを参考にしてみてください。

とはいえ、なかなか元の学校には行きたくないというのが不登校のお子さんの本音だと思います。そういう場合は通信制高校や通信制大学、適応指導教室やフリースクールを利用するのも手です。

進路に関して言えば、お子さんが無理なく進める進学先をあらかじめ探して用意しておくことが大切です。私が医療機関で支援した不登校のお子さんは、9割がた通信制高校に進学しますので、保護者の方が、お子さんには内緒で、あらかじめ資料をもっておくことをおすすめします。

>>無料かつ1分でできる通信制高校の資料請求【ズバット】(公式サイト)

 

適応指導教室とフリースクールの違いについては以下の記事をご覧ください。

 

不登校特例校については以下の記事で詳しく書いています

 

以上が長期的視点型の不登校支援の流れになります。

長期的視点型のおさらい

  1. 登校しぶり:常識的な対応として、学校に行くように促し、難しければ不登校を受け入れる(段階①②)
  2. 本格的な不登校対応①:親子のコミュニケーションの架け橋をつくる(段階②)
  3. 本格的な不登校対応②:3つの安心感を高める(段階③)
  4. 本格的な不登校対応③:本人の活動の幅を広げる(段階③)
  5. 回復期:子どもが動き出す時期を知り、準備をしておく(段階④)

このような関りを通し、最終的にはお子さんが普通大学や通信制大学、専門学校、アルバイト、就労移行支援事業所などの就職につながる場所に進み、自立して仕事・生活ができるように支援していくのです。

書いている私も疲れたので、読者の方も疲れたかと思います。ここまで読んでいただきありがとうございます。まだもう少しあるので、休み休み読んでください。お気に入り登録して、後で読んでいただくのも大歓迎です。

では次は、小学校、中学校、高校別の不登校の特徴と対応について解説していきます。

【2章】小学生、中学生、高校生別の不登校対応

ここでは学校別の対応の特徴を解説していきます。

  1. 小学生(低学年)の不登校
  2. 小学生(高学年)の不登校
  3. 中学生の不登校の不登校
  4. 高校生の不登校の不登校

①小学生(低学年)の不登校

小学校低学年の不登校では、生まれもった分離不安や発達の遅れなどの影響が考えられます。

詳細や対応方法については【もう行かないの!?】小学生低学年の不登校を解説【親が原因?】を参考にしてみてください。以下の3点について解説しています。

  1. 小学生低学年の子どもが不登校になる理由【親が原因?】
  2. 小学生低学年の不登校ならではの、親の神対応と塩対応3選
  3. お子さんの発達の遅れが気になる親御さんへ

②小学生(高学年)の不登校

小学校高学年の不登校では、小4ビハインド(9歳の壁)、「他者から見た自分」を意識できるようになり、恥や劣等感が高まりやすいこと、中学校生活への不安などの影響が考えられます。

詳細や対応方法については【悲報あり】不登校の小学生(高学年)の心理と対応【要、心の準備】を参考にしてみてください。以下の3点について解説しています。

  1. 小学校高学年の子どもが不登校になる理由3選
  2. 小学校高学年の不登校に対する親の対応ポイント
  3. 【悲報】中学校に上がる前に親が覚悟しなければならない事実

③中学生の不登校

中学校以降(早ければ小学校高学年以降)のいわゆる思春期で不登校になる理由で共通するのは「気後れ」です。

これは児童精神科の成重先生が著書「不登校に陥る子どもたち」で書いておられることであり、私のなかで、最も納得のいく説明だと思っています。成重先生のいう「気後れ」を解説した記事もありますので、よかったら読んでみてください。

中学校の不登校については【うっせぇわと言わせない】不登校中学生への対応を解説【親の底力】でまとめていますので、こちらもぜひどうぞ。以下の3点を書いています。

  1. 不登校の中学生にできる親御さんの対応【難しそうで難しくない少し難しい解説】
  2. 中学生ならではの不登校になる理由5選
  3. 質問:不登校になったら人生オワコンですか?【結論「違います」】

④高校生の不登校の不登校

私の考える、高校生のお子さんが不登校になる理由は、「本人の能力(キャパ)」と「環境が求める能力」のバランスが取れていないこと、によって生じる精神的な負担から自分を守るため、です。

詳しくは【あと少しなのに!】高校生の不登校対応を解説【親の鉄則あります】で以下の5つを解説していますので、参考にしてみてください。

  1. 高校生の不登校にできる親御さんの対応【恨まれないために】
  2. 高校生が不登校になる根本的な理由
  3. 不登校で通信制高校への転校するのはありか?
  4. もし万が一、高校を卒業できなかったら?【その後の選択肢とは】
  5. どうしても再登校させたい場合は「再登校重視型の支援」がおすすめ

【3章】不登校の母親、父親、祖父母に関する記事

この章では以下の3つの記事を用意しております。

  1. 不登校に疲れてしまったお母さんに向けた記事
  2. 父親の役割に関する記事
  3. 祖父母に低ストレスで対応する方法に関する記事

①不登校に疲れてしまったお母さんに向けた記事

お母さんが疲れてしまう理由は、「このままではうつになっちゃうよ」と思うくらい、お子さんのことを熱心に考えてあげているからに違いありません。

自分に優しくすることもわすれないでください。以下の記事を読んでいただけるとうれしいです。

記事の内容

  1. 不登校の母親が疲れてうつにならないためにできること【ある母の言葉】
  2. 何に疲れたのか解説します【少し元気になってから読んでください】
  3. 実はたくさんある。子どもが23歳になったときの解決像

②父親の役割に関する記事

不登校支援において、お父さんが活躍してくれることは家族の元気に非常に重要です。

本ブログでは以下の3点について解説しておりますので、参考にしてみてください。

記事の内容

③祖父母に低ストレスで対応する方法

同居している姑さんがいる場合、子育てや子ども本人に対して口うるさいこともあるでしょう。

その場合にどうすれば良いかは以下の記事を参考にしてみてください。

記事の内容

【4章】病気と不登校

①ASDの不登校対応

以下の記事で解説しています。

記事の内容

②ADHDの不登校対応

以下の記事で解説しています。

記事の内容

  1. ADHDだと不登校になりやすい?
  2. ADHDが治れば不登校は解決するか【コンサータ、ストラテラ、インチュニブ、ビバンセで不登校は解決する?】
  3. ADHDのお子さんがぐれない子育て方法【ペアトレが最強】

③HSP/HSCの不登校対応

以下の記事で解説しています。

④不登校で病院を受診するときは何科?

結論から言えば不登校で病院を受診する場合、「児童精神科」で良いと思います。

理由を含めて以下の記事で解説しています。

記事の内容

【5章】youtube、ゲーム、スマホと不登校

以下は当ブログの不登校カテゴリで最も読まれている記事です。

「スマホに依存しているから、または、スマホに依存して昼夜逆転しているから学校に行けない」のではなく、「学校に行きたくないから、もしくは行けていないから、スマホやゲームに依存している」というのが正しい理解、ということを書いています。

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

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