不登校

【重要】不登校支援の結論をお話しします【後悔しない基本の知識】

子どもが不登校になってどれくらいたつだろう。たくさんの本を読んだし、カウンセラーにも相談した。でも子どもは学校に行けず、家にいる。twitterで愚痴を吐き出しても根本的には解決しない、いったい私はどうすればいいの…

こういった疑問にお答えします。

※2022年9月10日修正(記事をシンプルにしました)

本記事の内容

  1. 不登校支援の結論:大きく2つの支援方法がある
  2. 不登校の支援方法1:長期的視点型
  3. 不登校の支援方法2:再登校重視型
  4. お子さんに気をつかう毎日を変えるために

 

記事の信頼性
私は現在、児童精神科で不登校などのお子さんのカウンセリングを実践している臨床心理士です。
関わったなかには発達障害、軽度知的障害、起立性調節障害、不安神経症、うつ状態などさまざまなお子さんがいました。再登校したお子さんもいれば、継続して不登校のお子さんもいます。

この記事ではそんな私が、現時点での不登校支援の結論をお話しします。この記事を読むことで、「どうすれば学校に行くのか」という疑問は、90%くらいは解消されると思います。

この記事を読むメリットは以下です。

再登校に向けた支援の方法がわかることで「どうしたらよいかわからずだた日々を過ごす」のではなく、「わかったうえで、その支援をやる・やらない」という選択が可能になる。

それでは解説していきます。

不登校支援の結論:大きく2つの方法がある

結論からいうと、私は不登校支援には支援者の考え方によって2種類に分けられると思っており、それを「長期的視点型」と「再登校重視型」と呼んでいます。

本記事での言葉の意味

  • 長期的視点型:最終的に自立してくれればよいと考え、登校刺激はせず、本人の心のエネルギーをためるための関わりを重視する支援。
  • 再登校重視型:学校に行くことのメリットは大きいと考え、早期に再登校につなげるための関わりを重視する支援。

次の章から具体例をつかって説明していきます。

不登校の支援方法1:長期的視点型

一言で言えば、不登校のお子さんの心のエネルギーをためることを支援の中心として、子どもが動き出すまで待つ、という支援です。

心のエネルギーは「自信の水」でも「意欲」でも言い方はなんでもよいです。

具体的には、主に以下のような方法を取ります。

  • 不登校であることを認め、家にいてよいと伝える。
  • 学校にいるべき時間であっても、スマホやゲームなどを制限しない。
  • 生活リズムの改善など、普通の子と同じようにしなさい、というたぐいの指示はしない。
  • 肯定的な言葉をたくさんかけて、子どもの心のエネルギーをためる。
  • 生活の中でできる行動を増やす。
  • 登校しやすいような環境調整はするが、基本的には本人が自発的に動き出すのを待つ。


こういった関わりの結果として、中学から高校に上がるとき、高校から大学に上がるときなど、環境にリセットがかかるタイミングで再登校し始めるお子さんが多いです。

 

この方法以外にやりようあるの?

 

と疑問に思った方もいるかもしれません。

それが次に紹介する再登校重視型の支援です。

不登校の支援方法2:再登校重視型

生活リズムを整えるべく、家庭のルールを設け、お子さんが自分について考える時間を意図的に作り、再登校を目指す支援です。

この支援では「やるべきことをやっていないのに、やりたいことはできない」という社会のルールを教えて実践させるため、家で勉強をするのであればそれはそれで将来への準備につながります。

具体的には主に以下のような方法を取ります。

  • 「やるべきことをやらない人は、やりたいことはできない」とお子さんに伝える。
  • 生活リズムを登校しているお子さんと同じにするために、家庭内のルールを決める。
  • 子どもの抵抗を上手く軽減し、デジタル類の制限を行う。
  • たとえ子どもが暴れて反抗しようとも、親は絶対にこのルールを曲げない。
  • 子どもは考える時間が増え、このままではまずいと自ら気づき、登校意欲が出てくる。

このタイプの支援を行うのは、ほとんどが不登校に特化した専門の支援団体さんです。

なお、不登校専門支援団体のノウハウは0円で聴くことができます。

早期の再登校を目指したい親御さんは無料相談してみるのもいいかもしれません。

この支援の一番の条件は親が絶対にルールを曲げないという意志を持つことですが、それには痛みがともないます。そのため、上記したような業者さんは「毎日メール相談を受け付ける」という手厚い対応をしているようです。

 

週に1回や月に1回の親カウンセリングでは、次のカウンセリングまでの間におこるお子さんの強烈な禁断症状にどうしたら良いかわからず、途中であきらめるリスクが高いです。

この方法は一度あきらめると、子どもは、「暴れれば親を自分の思い通りにできる」ことを学習しますので、業者さんの話をよくきいてから始めてください。

もちろん、再登校重視型の支援でもお子さんに対する肯定的な言葉がけは行います。「厳しく対応すればいいんだな」とは思わないでください。

 

お子さんに気をつかう毎日を変えるために

ここまで読んでくださりありがとうございました。

不登校のお子さんの親御さんのカウンセリングをしていて一番感じることは、多くの親御さんがお子さんに気をつかっているということです。

「刺激して状況が悪くなるのが怖い」というのが本音かと思います。

実際に、すでに色々な対処をして、とことん悪くなったから、学校に行っていないけど落ち着いている方がよい、と言う方もたくさんおられます。

 

そんな親御さんに向けて私が作成した「不登校の親支援プログラム」というものがありまして、長期的視点型の支援をベースにした対応方法のプログラムです。

記事にしていますのでよかったらご覧ください。ブログなので無料です。

 

本記事を見つけたことが状況をかえるきっかけになれば幸いです。

まとめ

1.不登校支援の結論
➝世の中には「長期的視点型の支援」と「再登校重視型の支援」がある。

2.不登校の支援方法1:長期的視点型

➝主にほめることで心のエネルギーをため、自然な登校を待つ支援。

3.不登校の支援方法2:再登校重視型

➝やるべきことをやらないとやりたいことはできない、という考えのもと、子どもが自分について考える時間を増やすことで登校意欲を高める支援。主に不登校支援専門団体がやっている(復学支援とも呼ばれている)。

以上になります。長文を読んでいただきありがとうございました。

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  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。2022年4月にブログをリニューアルしました。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。

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