このような疑問にお答えします。
本記事の内容
- WISC4の解釈で使えるおすすめ本3選
- 心理検査のフィードバックに関するおすすめ本2選
- WISC5の本はもう出ている?
私は医療機関でWISC4を含め年間100件以上の検査を実施しています。おすすめ本に関しては同僚や先輩に聞いたこともありますので、的は外れていないと思います。
WISC4の解釈で使えるおすすめ本3選
日本版WISC-IVによる発達障害のアセスメント ‐代表的な指標パターンの解釈と事例
私が出会った心理士さんはほとんどこの本を持っていました。WISC4の解釈では必読書だと思って良いかと思います。次に紹介する本に比べれば値段的にもまぁまぁ手頃です。
N型や逆N型など合計12パターンの解釈が記載されており、たいていのパターンは網羅されていると思います。同じことを繰り返し書いているようなところもありますが、ある程度はしかたないでしょう。ASDやADHDに特徴的なプロフィールや下位検査の特徴も少量ですが書いてあり参考になります。
初学者の方はとりあえず買うでも損しないと思います。
エッセンシャルズ WISC-IVによる心理アセスメント
ウェクスラー検査の研究で有名なフラナガン博士とカウフマン博士による解説書です。上記の「日本版WISC-IVによる発達障害のアセスメント」よりは持っている人は少ないですが、時々お持ちの方を見かけます。630ページと大容量でWISCを極めたい方におすすめです。
GAIやCPI、CHCクラスターなど業務が忙しい方がなかなか検討できない深い部分を勉強するのにおすすめです。
子どもの発達検査の取り方・活かし方:子どもと保護者を支えるために
子どもの発達検査を取り始めると、いくつも難題が現れる。
・制限時間を過ぎても回答を続ける子どもにどう対応したらよいのか?
・子どもがちょっとした勘違いで実力を発揮できていない場合、どうするべき?
・なぜか子どもが答えをすぐに変えてしまう。
・保護者に様子を報告するときに意図がうまく伝わらなかった。医療・福祉領域で数千件の検査経験をもつ著者が、「子どものための検査とする」という原則に沿って解説する。
検査マニュアルだけでは分からない、検査者のステップアップのヒントが満載。
とAmazonのレビューにあるように、WISCの実施、解釈から結果の伝え方・活かし方まで踏み込んで書かれている初学者におすすめの本です。2021年5月発売と新しい本ですが、すでにレビュー29件★4以上と高い評価です(2022年3月27日時点)。
心理検査のフィードバックに関するおすすめ本2選
WISCに限らず、心理検査の結果を伝えるフィードバック面接については大学院で教わらない方もいると思われます。私は実は教われませんでした(そういう授業がなかった)。現場に出て重要なのはフィードバックセッションだと痛感しています。検査結果の解釈や所見作成は受検者の役に立つ手段であってそれ自体が目的ではないからです。
同じような方がいましたら、以下の本が非常に参考になると思います。
心理検査を支援に繋ぐフィードバック―事例でわかる心理検査の伝え方・活かし方[第2集]
検査結果フィードバックに関する書籍は少ないですが、竹内先生の本は代表的なものだと思います。所見の例や受検者へのフィードバックの逐語など、現場の心理職が欲しているポイントを押さえてくれています。大変おすすめです。私はこれを読んで「文章の量ってこれくらいで良いんだ」と参考になりました。
心理検査のフィードバック
2022年2月発売で新しく、私はまだ読んでいないのですが、amazonで見つけたのでシェアします。目次を見た限りでは実際の所見(報告書)やフィードバックの基本が解説されているようです。子どもへのフィードバックが書いてあるのはかなり役立ちそうですね。専門用語の解説ページというのもそのまま現場で使えそうで、興味がわきます。
WISC5の本はもう出ている?
WISC4の改訂版であるWISC5が2022年2月に発売されました。
まだ使っている機関は少ないと思われますが、いずれWISC4に代わる時代がくるわけで、何が厄介かというと、メインの指標が4つから5つになるため、報告書フォーマットやら説明のスライドやらを色々と修正する必要が…
と個人的な愚痴はおいといて、WISC5に関する一般書籍をamazonで調べてみましたが、2022年3月時点では洋書しか見つかりませんでした。今後に期待です。
ご覧いただきありがとうございました。
本ブログでは他にもWISC関連の記事がありますので良かったらご覧ください。