書籍紹介

【ただ遊ぶだけになってない?】プレイセラピーのおすすめ本5選

大学院でプレイセラピーを勉強できなかったけど仕事でやることになった…。臨床心理士のテキストではアクスラインやクラインの理論が書いてあったけど、一般的なプレイセラピーってどんな感じなんだろう。どの本で勉強すればいいのだろうか。

こういった疑問にお答えします。

本記事で紹介する書籍

  1. プレイセラピー入門──未来へと希望をつなぐアプローチ
  2. Q&Aで学ぶ 遊戯療法と親面接の考え方・進め方
  3. はじめてのプレイセラピー: 効果的な支援のための基礎と技法
  4. プレイセラピーへの手びき  関係の綾をどう読みとるか
  5. セラピストのための子どもの発達ガイドブック:0歳から12歳まで 年齢別の理解と心理的アプローチ

 

記事の信頼性
私は現在、医療機関でカウンセリングや心理検査を行っている臨床心理士です。年間のカウンセリング回数は約1000回。研究では査読ありの学会誌に論文が1本掲載されました。

プレイセラピーを担当しているものの、「ただ遊んでいるだけになっているかも」と感じる若手の方は多いのではないでしょうか。かく言う私もそうですし、未だに子どもとただ遊んでいるだけになっていないか自問自答しています。

プレイセラピーって変化を感じることがかなり少ないですよね。だからやっていることに意味があるのかわかりづらい。

私はそう感じています。

が、新人の頃よりはセラピーとしてプレイができるようになったと思いますし、そのために参考になった書籍を紹介しますので、参考にしてみてください。

では、いってみましょう!

①プレイセラピー入門──未来へと希望をつなぐアプローチ

子どものプレイセラピーで悩んでいる方は丹先生の本を強くおすすめします。

私はこの本にかなり助けられました。特にインテークの取り方が大変参考になります。プレイでなく言語面接においても、参考になります。

例として以下のことがかなり詳しく学べます。

  • 受付でのあいさつの仕方
  • 面接室に移動してからのインテークの進め方
  • 子どものカウンセリングにおけるインテークの役割
  • インテークで何をするか① 自己紹介用紙
  • インテークで何をするのか② 主訴の確認
  • 1回目の面接・プレイで行うこと 治療契約
  • 子どものプレイセラピー・カウンセリングのインテーク・初回についてまとめ

本記事執筆時、Amazonレビューは50件、★4.5とかなり高評価です。

実は以前、この本が素晴らしいというtweetをしたところ、丹先生ご本人から引用リツイートいただきまして、大変気さくな先生だと感動いたしました。

>>このtwittetを見る(twitterが開きます)

目次を引用します。

第1章 プレイセラピー再考
第2章 なぜ,今,あえてプレイセラピーなのか? ──現代社会とプレイセラピー──
第3章 プレイセラピーの本質──出会いと別れ,そして成長──
第4章 プレイセラピーの時空間をめぐって
第5章 プレイセラピーの「遊び」の意味を捉えなおす
第6章 プレイセラピーにおける体験の共有とことば以前の心のつながり
第7章 子どもを遊びに導く「何か」とは何か
第8章 効果的な心理療法としてのプレイセラピーの実践(1)―─場面緘黙児に対する治療的アプローチ──
第9章 効果的な心理療法としてのプレイセラピーの実践(2)―─発達障害児に対する「構造化プレイセラピー」―─
第10章 発達障害児へのグループセラピーの実践
最終章 プレイセラピーにおける「家」表現──事例研究──
付章 子どもの心理療法における初回面接(インテーク)の進め方とコツ

引用元:https://tomishobo.com/catalog/ca093.html

プレイセラピー最初の1冊は丹先生の本がおすすめ。

②Q&Aで学ぶ 遊戯療法と親面接の考え方・進め方

竹内先生は初学者向けの本を多く書かれている先生で、Q&A形式で痒い所に手が届く回答を書いてくださいます。

本記事執筆時、Amazonレビューは8件、★4.5と高評価です。こういう本を大学院のテキストにしてくれたら、現場に出たときに困らずに済むのにと感じるくらい良い本です。

目次を引用しようとしたのですが、Q&Aが200個あり、長くなりすぎることが発覚しました。

なんと、出版社のHPに目次がありましたので、内容を確認したいかたは是非。

理論的な内容はあまり書かれていないので、理屈から理解したい方は別の本も同時に読んだ方がいいかもです。

初学者が頻繁に感じる疑問はほぼ載ってます。おすすめです。

③はじめてのプレイセラピー: 効果的な支援のための基礎と技法

私はこの本と丹先生の本がかなり参考になりました。

子どものプレイ内容解釈の前に、トラッキングや内容の伝え返し、感情の反射といったThの基本的な反応の仕方を知ることができて役立ちました。また、制限設定が介入の1つだと知れたときはなるほどと思いました。Amazonレビューは3件で★3.5と少ない上に低いですが、私はおすすめです。

目次を引用します。

序 章 プレイセラピーの魅力的な世界

第Ⅰ部 プレイセラピーの基本

第1章 遊びのもつ治癒的な力
第2章 発達,愛着,脳と遊び
第3章 プレイセラピーとは何か
第4章 プレイセラピーの歴史的展開
第5章 プレイセラピーの理論

第Ⅱ部 プレイセラピーの技法とすすめ方

第6章 子どもとのセラピーにおける基本
第7章 トラッキング:行動の言語化――プレイセラピーの応答における基本技法①
第8章 内容の伝え返し――プレイセラピーの応答における基本技法②
第9章 感情の反射――プレイセラピーの応答における基本技法③
第10章 制限設定
第11章 責任を子どもに返す 
第12章 子どもからの質問を扱う
第13章 技法の統合
第14章 アセスメントと初回面接

第Ⅲ部 プレイセラピー実践に必要なことがら

第15章 親への対応
第16章 プレイセラピー部屋・おもちゃ・構造
第17章 プレイセラピスト,逆転移,文化,セルフケアとスーパービジョン
第18章 終 結

引用元:https://www.seishinshobo.co.jp/book/b450180.html

教科書的で固い感じは若干しますかね。

それでも、プレイセラピーの理論から具体的なふるまいまで書かれているの本は貴重だと思います。

④プレイセラピーへの手びき  関係の綾をどう読みとるか

私はこの本を読んだことないのですが、内容紹介に目を引かれたので入れてみました。今度読んだら記事を修正します。

ただ遊んでいればよくなる、という誤解をやさしく解きほぐし、実際のセラピーを実況中継さながらに懇切丁寧に解説。

引用元:https://www.nippyo.co.jp/shop/book/5528.html

田中先生は東京大学の教授を務めたこともある先生であり、Amazonレビューは13件、★4.5と、Amazonでの評価も高いです。

目次を引用します。

第1章 プレイセラピーのこれまでとこれから
    ○プレイセラピーとは
    ○プレイセラピーの定義
    ○今なお深い、「遊ぶ」ことをめぐる誤解
    ○どこまで、何を「ことば」にするか?
    ○セラピストは子どもに直接関わるか、関わらないか?
    ○わが国のプレイセラピーの抱える課題

第2章 ことばを用いた対話・あそびことばをもちいた対話
    ○プレイセラピーの豊かな世界
    ○セラピー:ことばを用いた対話
     ・ことばの多義性ゆえのむずかしさ
     ・感覚を手がかりに「ことば」にしていく
    ○プレイセラピー:ことばだけに頼らない対話
     ・対応するチャンネルがふえる
     ・ダイアローグ(対話)のはじまり:人と人をつなぐ情緒
     ・からだことばでのコミュニケーション
    ○あそびは子どものことば

第3章 どのように読みとるか――関係の綾をよむ
    ○『訓練された主観性』を用いることで
    ○あらためて育てたい『専門的な経験に裏づけられた勘』
    ○初回面接という「はじまりだし」
    ○渉くんのケースから
     ・嫌々来た親ごさん
     ・少年と会う
     ・その後の概要
    ○より子のケースから
     ・相談できる場を探しまわったお母さん
     ・ぎゅっと握ったあったかい手
     ・その後の概要
    ○プレイセラピーのワークから
    ○だいちゃんのケースから
    ○がっちゃんのケースから

第4章 セラピーのなかの工夫と冒険
    ○セラピーの『きまり』
    ○終了時と開始時の工夫
     ・空想と現実のはまざで
     ・私が先に退室してみた
     ・遊びたいから自分が頑張る
     ・三つのケースで伝えたいこと
    ○攻撃性:解毒して妙薬へ
     ・バラバラものがたり
     ・暴言・暴力をまぜこぜにしてみた
     ・話さないでいい関係を維持し抜いてみた
    ○ときに必要な一時撤退
     ・混乱からの緊急避難
     ・とじた世界でがっちり支える
    ○発達すること・遊ぶこと
     ・発達の課題と子どもたち
     ・プレイセラピーを核として
     ・子どもをみるまなざしの変化
     ・あらためて『遊ぶこと』

おわりに

引用元:https://www.nippyo.co.jp/shop/book/5528.html

⑤セラピストのための子どもの発達ガイドブック:0歳から12歳まで 年齢別の理解と心理的アプローチ

子どもがいない心理士にとっては何歳くらいでどの程度のことができるかってわかんないんですよね。

その点、この本はプレイセラピーの本ではないですが、年齢別の子どもの特徴を理解するのに大変役立ちます。

Amazonレビューは78件、★4.5と評価件数がめちゃくちゃ多いです(なぜかレビューは少ないですが)。


目次を引用します。

第Ⅰ部 イントロダクション
 子どもの発達の概観
 子どもの発達に応じた介入

第Ⅱ部 児童期初期
 0-2歳の世界
 3歳の世界
 4歳の世界

第Ⅲ部 児童期中期
 5歳の世界
 6歳の世界
 7歳の世界
 8歳の世界

第Ⅳ部 児童期後期
 9歳の世界
 10歳の世界
 11歳の世界
 12歳の世界

ハンドアウト資料:3歳から12歳の特徴

引用元:https://www.seishinshobo.co.jp/book/b588470.html

プレイセラピー以前に子どもの発達的な特徴を知りたい方はおすすめです。

 

本記事は以上になります。

プレイセラピーのおすすめ書籍いかがでしたでしょうか。

他にも心理療法に関するおすすめ書籍をまとめていますので、参考にしてみてください。

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  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

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