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【無料あり】LD(学習障害)のおすすめ本5選【算数障害もカバー】

子どもが読み書きが苦手でLD(学習障害)かもしれないと先生に言われた…。確かに字を書くのに時間がかかるし、下手かもしれない…。

ディスクレシアとか算数障害とかもあるらしいけど、どうしたらいいの…。LDの本を読んで勉強したいけど、どの本がいいのかな…。

こういった疑問にお答えします。

本記事で紹介する書籍

  1. LDの子の読み書き支援がわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)
  2. LD(学習障害)のすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)
  3. 学習障害の子どもへのサポート記録: ワーキングメモリが低い・ADHD疑いの子育て編
  4. 通常学級で役立つ 算数障害の理解と指導法―みんなをつまずかせない! すぐに使える! アイディア48 (学研のヒューマンケアブックス)
  5. 発達の気になる子の 学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング (発達障害を考える・心をつなぐ)

 

記事の信頼性
私は現在、医療分野でカウンセリングや心理検査を行っている臨床心理士です。年間のカウンセリング回数は約1000回。研究では査読ありの学会誌に論文が1本掲載されました。

実は私も学習障害についてはあまり詳しくありませんでした。というより、学習障害に詳しい臨床心理士は少ないのではないかと、勝手にですが、思っています。

理由は、学習障害は主に教育分野で問題になるので、医療分野で働いていると、どうしても自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠陥多動症(ADHD)の方が頻繁に出会うからです。

なので、教員の先生方の方が詳しいだろうなと思うのですが、スクールカウンセラーとして勤務していると、意外とLDについての意見を求められ、困った経験をしました…

この記事ではそんな私がLDについて勉強した際に利用した本を紹介しますので、実用的だと思います。

ちなみに、ディスクレシアというのは「読み書き障害」のことで、学習障害の中に含まれるものです。スポーツの中に野球があるように、学習障害の中にディスクレシアがある、ということです。

では、いってみましょう!

LDの子の読み書き支援がわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

結論、この本が一番ためになりました。

理由は2つです。

1つ目は、なぜ本人が学習が苦手かの背景要因をしっかりと説明しているからです。

例えば以下

①音韻意識の苦手さ
②視覚認知のかたより
③聴覚認知のかたより
④記憶の弱さ
⑤論理的思考力の弱さ
⑥語彙の不足
⑦部品意識の弱さ

p36-37より引用

2つ目は、子どもに合った読み書きの支援方法が具体的に書いてあるからです。

無料で使えるネットのサイトも書いてあり、めちゃくちゃお得感があります。

記事執筆時点でAmazonレビューは89件、★4つと件数も多く、高評価です。


目次を引用します。

ひと目でわかるイラスト図解
《講談社健康ライブラリーイラスト版》

【悩みにあわせて選べる12種類の支援法!】

発達障害のひとつLD は、脳機能のかたよりによって
学習上の困難が起こっている状態です。
そのなかでも読み書きの困難はディスレクシアといわれます。
原因は先天的な脳機能のかたよりで、本人の努力不足ではありません。
がんばっても結果が出ないことが続くと勉強してもむだだと思ってしまいがちです。
親や先生も「勉強が苦手な子」だと考え、
学習面では無理をさせないようにすることがあります。
困難が続けば、読み書きを避けるのも仕方がないのかもしれません。
しかし、あきらめないでください。
読み書きが苦手な子には、その子に合った学び方が必ずあります。
この本では読み書き支援の具体的なアイデアを多数紹介しています。
家庭でも学校でも、今日から実践できるものです。
学び方を見直すためのヒントとして活用してください。

【本書の内容構成】
第1章 読み書きが苦手な子どもたち
第2章 LD、ディスレクシアとはなにか
第3章 なぜ練習してもできないのか
第4章 専門家に相談し、支援をはじめる
第5章 家庭でできる読み書き支援12

引用元:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000196215

LD自体についても例をもとに簡潔にまとめられていますよ。

図も多くて読みやすい、かつ値段も安めなので1冊目にめちゃくちゃおすすめです。

LD(学習障害)のすべてがわかる本 (健康ライブラリーイラスト版)

この本もいい本です。LDの“すべて”と書いてあるところに作者の気概を感じます。

1冊目の本よりも、もうすこしLDの全体像を解説しているような感じです。

記事執筆時点でAmazonレビューは33件、★4.5とかなり高評価です。

目次を引用します。

【主なポイント】
●LDは学習障害で発達障害の1つ。しつけや遺伝が原因ではない
●小・中学生の4.5%にLDの傾向。就学してから初めて気づくことも
●タイプはいろいろ。もっとも多いのは読み・書き・算数が苦手な子ども
●言葉の使い方、聞きとり方にかたよりがある
●友達同士のルールがわからない・守れない
●運動が苦手で、不器用な子どももいる
●特別支援教育が始まって、LD教育はどう変わる?
●家庭に勉強を無理に持ち込まない、しつけのポイントと接し方

引用元:https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000195878

全体像から把握したい方におすすめです。

学習障害の子どもへのサポート記録: ワーキングメモリが低い・ADHD疑いの子育て編

この本のすごいところは、貴重な体験談であることもそうですが、小学校入学前から中学時代まで書かれていることです。

LDのお子さんがどのように成長していくのか、という実例を知ることができるのはかなり貴重ではないでしょうか。

しかもこの本、kindle unlimitedなら0円です。

Kindle unlimitedは30日の無料体験があるので、30日までに解約すれば、実質0円で読むことができます。記事執筆時はブラックフライデーで3ヶ月99円という意味がわからない低価格でkindle unlimitedを利用することができます。

記事執筆時点でAmazonレビューは33件、★4.5とかなり高評価です。

目次はAmazonのページでサンプルを読むことができます。

本の題名に学習障害とADHDの両方が入っているので「どっち?」となってしまうのが混乱しますが、恐らくLDとADHDが併存しているのでしょう。そういうケースは実際にあります。

無料かつ体験談を読めるのでかなりおすすめです。

発達の気になる子の 学習・運動が楽しくなる ビジョントレーニング (発達障害を考える・心をつなぐ)

この本はLDの専門書ではないのですが、LDの背景の1つである視覚認知の向上を図るための「ビジョントレーニング」に関する本なのでおすすめです。

ビジョントレーニングはあまり有名ではないですが、LDに関わらず、発達障害のお子さんは視覚認知が独特なことが多く、役立つことが多いと思います。療育でも使われているんじゃないでしょうか。

Amazonレビューはなんと216件、★4.5ととんでもなく件数が多いうえに高評価です。


目次を引用します。

■ビジョントレーニングにはじめて出合う方へ

■PART1 「見えづらさ」によって困難を抱える子どもたち

読むこと・書くこと・運動が苦手 「見えにくさ」が原因かも
「見えにくさ」を抱える子どもたちとは
見るために必要なすべての機能=「視覚機能」
見る力に必要な機能(1)「眼球運動」
見る力に必要な機能(2)「視空間認知」
見る力に必要な機能(3)「眼と体のチームワーク」
見る力を調べるにはどんな検査が必要?
子どもの見る力を調べる簡単チェックテスト
トレーニングを始める前に視力のチェックを

■PART2 ビジョントレーニングで「見る力」を育てる

視力ではなく「視覚機能」が向上する
ビジョントレーニングの3つの種類と効果
ビジョントレーニングの効果的な取り入れ方
ビジョントレーニングの効果的な取り入れ方
トレーニングの効果をアップさせる指導法
トレーニング前に行おう! 眼のウォーミング・アップ
見る力をアップさせる習慣~日常生活の中でできること~

■PART3 実践! ビジョントレーニング <遊び編>

遊びながら楽しくトレーニング キョロキョロ運動
コロコロキャッチ
お手玉タッチ
洗濯ばさみゲーム
ブロックストリングス
3Dビジョン
テングラム・パズル
スティック・パズル
トランプ・メモリー
仲間で分けよう
折り紙チョキチョキ
リングタッチ
じゃんけん体操
まねっこゲーム
矢印体操
バランス綱渡り
発音カード
「見えにくさ」を補う便利グッズを上手に使おう

■PART4 実践! ビジョントレーニング <読み書き・学習編>

ワークシートで繰り返しトレーニング
線なぞり
線めいろ
ひらがなランダム読み
数字ランダム読み
数字探し
ひらがな表
仲間を探せ(1)
仲間を探せ(2)
数字レース
3つの言葉
どこにいるかな? 形のかけら
形と順番の記憶
形と場所の記憶
点つなぎ

ビジョントレーニングのカリキュラム例
ビジョントレーニングのカリキュラム例
効果的にトレーニングするために ビジョントレーニングQ&A
視覚機能の専門家がいる機関

引用元:https://www.natsume.co.jp/books/655


1つ難しい点をあげるとすれば、ビジョントレーニングに関わらず、家庭でのLDの学習支援は、親がプリントなどを用意してお子さんに付き合わないといけないことです。

 

ようするに、親が忙しいと、子どもに対応する時間がないのできつい、ということです。

とはいえ、「時間はあるけど支援の方法がわからない」と言う方にはうってつけの本だと思うので、おすすめです。

通常学級で役立つ 算数障害の理解と指導法―みんなをつまずかせない! すぐに使える! アイディア48 (学研のヒューマンケアブックス)

この本は算数障害に特化した本です。

こういう本自体が少ないので、非常に貴重な本だといえます。

記事執筆時点でAmazonレビューは169件、★4と高評価です。算数障害関係の本では一番件数が多いのではないでしょうか。


目次を引用します。

1 算数障害とは(算数障害かどうかチェックしよう!;「計算する・推論する」につまずきがある算数障害)
2 算数障害の子どものタイプを知ろう―この章では算数障害の子どもたちが登場します(計算する;推論する ほか)
3 算数障害の学習指導法(10までの数;20までの数―数の系列を学ぶ ほか)
4 測定・表とグラフ・図形の学習指導法(量と測定、図形の指導;長さを測る・線を引く―言語的な手がかり ほか)

引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784058009796

算数障害について詳しく知りたい方、教員の方にもおすすめです。

本記事は以上になります!

読んでいただきありがとうございました。

LD(学習障害)のおすすめ書籍いかがでしたでしょうか。

他にも不登校やペアレントトレーニング、発達障害などに関するおすすめ書籍をまとめていますので、参考にしてみてください。

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  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。2022年4月にブログをリニューアルしました。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。

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