書籍紹介

【厳選】大人のADHDおすすめ本3選【当事者と家族・上司まで】

自分はADHDかもしれない… ネットの情報だけだと心配だから本も読みたい…
部下の行動がADHDの症状によくあてはまる… どういう風に接したら良いのだろう… 職場でできる工夫はあるのかな…

こういった疑問にお答えします。

本記事で紹介する書籍

  1. 仕事&生活の「困った! 」がなくなる マンガでわかる 私って、ADHD脳!?
  2. 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)
  3. やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ (科学的に先延ばしをなくす技術)

 

記事の信頼性
私は現在、医療分野でカウンセリングや心理検査を行っている臨床心理士です。年間のカウンセリング回数は約1000回。研究では査読ありの学会誌に論文が1本掲載されました。

私自身かなり不注意で、聞いたことをすぐに忘れますし、傘など忘れ物もやってしまうため、個人的にもADHD本は読んでますので、心からおすすめする本を紹介します。

最初に言いたいことは、あまりたくさんの本を読まない方がいいです。

ADHDの方は一時的な記憶が苦手なことが多く、たくさんの情報を仕入れても、その時その時でどんな工夫をすればいいか混乱してしまうからです。1冊か2冊で十分です。

そして、できればカウンセラーや何かしらの支援者の協力が得られるとよいかと思います。

なぜなら、専門的な見立てをもとに助言してくれますし、できたときに「やったね」と喜びを分かち合うことができるからです。

 

上司や家族の方へ

この記事は当事者向けの本を紹介していますが、もし当事者ではなく上司や家族の関係者が読まれる場合でも、まずは同じ本で良いかと思います。

理由は、結局とるべき工夫は同じだからです(本当にADHDによる症状かは見極める必要があるので、その点は身近な専門家に相談することをおすすめします)。

では、いってみましょう!

仕事&生活の「困った! 」がなくなる マンガでわかる 私って、ADHD脳!?

ADHD当事者の方はとりあえず司馬先生のこの本を読んでみることをおすすめします。私もかなり参考しました。

主な特徴である不注意、衝動性、多動のこと、ワーキングメモリーの低さとお盆の例、先延ばし、片付け、忘れ物、二次障害などについて、挿絵がふんだんに読みやすく書かれています。Amazonレビューは本記事作成時で473件、★4.5とレビュー数も多く高評価です。

この本のとてもよい点は、ADHDの人の良い面を伝えてくれており、勇気づけられるからです。

たとえば

  • 不注意:好奇心旺盛
  • 多動性:次々に色々なアイデアが浮かぶひらめきに直結
  • 衝動性:行動力、実行力がある

目次を引用します。

はじめに それは「脳のクセ」かもしれません

第1章 「ADHD脳」って何?

STORY1 ダメな自分が許せない
「ADHD脳」の原因って?
私って「ADHD脳」?

第2章 仕事の「困った!」をなんとかしたい

STORY2 小さな「できた!」を集める
コツメモ01 ざっくり5分だけやってみる
コツメモ02 全体のデッサンを描く
コツメモ03 1時間ルールでひと息入れる
コツメモ04 休憩もスケジュールに組み込む
コツメモ05 自分ミーティングを1日3回開く
コツメモ06 タグづけで仕事に戻る
コツメモ07 心に「マイ上司」を住まわせる
【解説】 「ADHD脳」を乗りこなせれば、結果が変わる!
コツメモ08 仕事に句点を打つ
コツメモ09 「リマインド言葉」を使う
コツメモ10 刺激をシャットアウトする
コツメモ11 朝の時間はルーティン化する
コツメモ12 移動のときは「見返り美人」になる
【columu1】 「ADHD脳の部下」とのつき合い方

第3章 片づけの「困った!」をなんとかしたい

STORY3 大掃除大作戦
コツメモ13 到着時間を15分前に設定する
コツメモ14 片づけが苦手だと把握する
コツメモ15 ゴミは集合させて捨てる
コツメモ16 ゴミ捨てはざつくり
コツメモ17 モノの住所を決める
コツメモ18 最初はモノの表札をつける
コツメモ19 使い捨てグッズを駆使する
【解説】 「いらないモノ」を手放そう
【解説】 モノたちをお家に帰そう
コツメモ20 お掃除ソングをかける
コツメモ21 掃除場所を小分けして達成感を得る
コツメモ22 大きいカゴでごちゃごちゃ回避
コツメモ23 データ整理で脳内すっきり
コツメモ24 洋服は6セットあればいい
【columu2】 ADHD脳の衣類収納術

第4章 感情・体調の「困った!」をなんとかしたい

STORY4 「フォロ友」登場
コツメモ25 ネガティブ妄想に気づく
コツメモ26 傷つきやすい自分を知る
コツメモ27 友達をはげます言葉で自分をはげます
コツメモ28 脳内信号機を赤にする
コツメモ29 心の中にフォロ友(フォローしてくれる友達)をもつ
【解説】 二次障害から自分を守るために
コツメモ30 睡眠は最良の薬
コツメモ31 ダイエットはひとつに絞る
コツメモ32 言うか言わないかはソントクで考える
コツメモ33 「プチケア」でフォローを入れる
【columu3】「フォロ友」って何?

第5章 「ADHD脳」と仲良くしながらラクになる!

STORY5 でこぼこのままでいい
コツメモ34 自分のクセを知っておく
コツメモ35 結果ではなくプロセスを見る
コツメモ36 信頼できる人に打ち明ける
コツメモ37 「マイ・コツメモ」を増やす〜あとがきにかえて
ADHD脳のコツメモ
【付録】DSM-5

引用元:https://honto.jp/netstore/pd-contents_0628283807.html

個人的には「移動の時は見返り美人になる」というアドバイスがはまってます。呼び方がよい。

診断基準であるDSM5が巻末に載っていたり、コツ一覧が最後にまとまっていたりと、かゆいところに手が届くところもいいです。

ADHDの皆さん、この本なら衝動買いしても後悔しないと思います。

補足

この本の著者は司馬先生という医師の本なのですが、他にもピンポイントに解説された本もありどれも読みやすいので、特定の症状に特化した本に読みたい方は読んでみてはいかがでしょうか。

どれも高評価です。

まず一冊目は司馬先生の本をおすすめします。

発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書)

この本はADHDに特化した本ではありませんが、発達障害とはなんなのか、を理解するのに大変よい本です。

なぜなら、ADHDとASDの「重複」に関して丁寧に書かれているからです。また、Amazonレビューは427件、★4.5と評価も大変高いです。

ADHDとASDは症状が似ている部分があり、現実問題として、100%ADHDではなく、ADHDもASDも入った人、が多く存在します。私もカウンセリングをしていて、この方は両方入っている、と思うことがしばしばあります。

そういった重複例について書かれた本は少ないですし、この本は新書でページ数も少なく読みやすい。そして事例を挙げて内容もわかりやすく書かれている、とてもよい本です。

目次を引用します。

●プロローグ
・この人にどんな発達障害があるか、わかりますか?
・事例1 子ども(男の子):ADHD(注意欠陥・多動性障害)のように見えてASD(自閉症、アスペルガー症候群)もある
・事例2 子ども(女の子):定型発達のように見えてASD・ADHDがある
・事例3 大人(男性):定型発達のように見えてASD・ADHDがある

●第1章 「ちょっと自閉」で「ちょっとADHD」な人たち
・もっとも大変なのはASDとADHDがちょっとずつある人

●第2章 発達障害の診断は、合っていないことがある?
・ASD:「オタク」とはどう違うのか
・ADHD:「うっかりさん」とはどう違うのか
・なぜ重複が見逃されるのか

●第3章 発達障害の人が、自分の本当の姿を知る方法
・大事なのは診断をベースに特性をみていくこと

●第4章 障害の本当の姿がわかれば、生き方も見えてくる
・ダメな例:1位やるべきこと、2位身の回りのこと・睡眠、3位やりたいこと
・適切な例:1位やりたいこと、2位やるべきこと、3位身の回りのこと・睡眠

●第5章 「ちょっと自閉」で「ちょっとADHD」な人たちの幸せ

引用元:https://honto.jp/netstore/pd-contents_0629362655.html

難点は、ADHDの困り感に対する工夫があまり豊富に書かれていないことです。

発達障害を理解するうえではとても良いのですが、「じゃあどうすればいいの?」という点は司馬先生の本を読んだり、専門家に相談することをおすすめします。

本田先生の本は一読の価値あり。

やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ (科学的に先延ばしをなくす技術)

ADHDとは言えないまでも、困り感で多いのは「先延ばし」ではないでしょうか。この本は先延ばしで悩んでいる方におすすめです。

Amazonレビューは1199件、★4とレビューの件数が非常に多いです。

目次を引用します。

第1章 先延ばしがなくなる! 行動に「初速」をつける方法
第2章 集中力が驚くほど続く! 「行動ブレーキ」の外し方
第3章 感情に左右されない! 行動マインドのつくり方
第4章 「忙しくて動けない」がなくなる! 時間の使い方
第5章 夢や目標に向かって一歩踏み出せる! 行動思考の身につけ方
巻末付録 目標を着実に実現するための「振り返りノート」の書き方

引用元:https://honto.jp/netstore/pd-book_31186954.html

注意点

Amazonレビューにもあるのですが、本に書かれている正論ができたら苦労しない、という意見もあるようです。

確かに。と思ってしまいますが、じゃあどうすればいいのか、難しい話です。

私なら、本当に自分が変わりたいなら、1人で考えず、人に頼ります。自分は欲に弱いことはもうわかっているからです。

とはいえ、工夫の方法を知りたい方は本を読むのも役にたちますよ。

 

本記事は以上になります。

ADHDのおすすめ書籍いかがでしたでしょうか。

他にも心理療法などに関するおすすめ書籍をまとめていますので、参考にしてみてください。

書籍紹介

2022/10/9

【人生変わる?】アサーションの本おすすめ5選【心がまえも解説】

アサーションを勉強したいけど、どの本がいいんだろう… さわやかな自己表現って呼ばれてるらしいけど、さわやかなんて、苦手だ… こういった疑問にお答えします。 本記事で紹介する書籍 マンガでやさしくわかるアサーション 自己カウンセリングとアサーションのすすめ アサーション・トレーニングと心身の健康 (精神療法 第46巻第3号) 夫婦・カップルのためのアサーション: 自分もパートナーも大切にする自己表現 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え   記事の信頼性 私は現在、医療分野でカウンセリン ...

ReadMore

書籍紹介

2023/2/11

【厳選】不登校対応のおすすめ本6選【親・専門家向け両方あり】

不登校の子どもにどう対応したらいいかわからない…。教育支援センターや学校に相談しているけど、親として、自分でも不登校について学んでなんとか状況を改善できないだろうか、と思って本屋に行ったけど、不登校に関する本がありすぎてどれがよいかわからなかった…。何から読んだらいいの… こういった疑問にお答えします。 本記事で紹介する書籍 子どもが不登校になっちゃった! 子どもが不登校になったら読む本——すべて解決できる〝笑顔の処方箋〟 不登校に陥る子どもたち: 「思春期のつまずき」から抜け出すためのプロセス 不登校体 …

ReadMore

書籍紹介

2022/10/9

【厳選】大人のADHDおすすめ本3選【当事者と家族・上司まで】

自分はADHDかもしれない… ネットの情報だけだと心配だから本も読みたい… 部下の行動がADHDの症状によくあてはまる… どういう風に接したら良いのだろう… 職場でできる工夫はあるのかな… こういった疑問にお答えします。 本記事で紹介する書籍 仕事&生活の「困った! 」がなくなる マンガでわかる 私って、ADHD脳!? 発達障害 生きづらさを抱える少数派の「種族」たち (SB新書) やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ (科学的に先延ばしをなくす技術)   記事の信頼性 私は現在 ...

ReadMore

書籍紹介

2023/1/9

【厳選】マインドフルネスのおすすめ本6選【臨床心理士が紹介】

ストレス解消法としてマインドフルネスに興味があるけどマインドフルネスってどういう意味なのだろう…。瞑想のことなのかな? 瞑想って難しそうだし、本当に役にたつのかな…。本を読んで勉強してみたいけど、読んだだけでわかるのかな… こういった疑問にお答えします。 本記事で紹介する書籍 ~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門 うつのためのマインドフルネス実践 慢性的な不幸感からの解放 反応しない練習 あらゆる悩みが消えていくブッダの超・合理的な「考え方」 マインドフルネスの教科書 この1冊ですべ …

ReadMore

書籍紹介

2022/8/14

【最新】ゲシュタルト療法のおすすめ本4選【臨床心理士が解説】

ゲシュタルト療法って試験勉強で学んだけど詳しい内容はよく理解できていない。本を読んで勉強したいけど、どの本が良いのだろう… こういった疑問にお答えします。 本記事の内容 ゲシュタルト療法のおすすめ本4選 F.パールズの「ゲシュタルト療法」面接動画   記事の信頼性私は現在、医療機関でカウンセリングや心理検査を行っている臨床心理士です。年間のカウンセリング回数は約1000回。研究では査読ありの学会誌に論文が1本掲載されました。 ”ゲシュタルト療法やエンプティチェアの名前は知っているけど実際の面接で ...

ReadMore

お気に入り登録やtwitterフォローもお待ちしています!

  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

-書籍紹介
-,