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【王道】クライアント中心療法のおすすめ本5選【臨床心理士が紹介】

カウンセリングを勉強するならC.ロジャーズのクライアント中心療法は必須だけど、本がありすぎて何を読んだらいいかわからない…

こういった疑問にお答えします。

記事の信頼性
私は現在、医療機関でカウンセリングや心理検査を行っている臨床心理士です。年間のカウンセリング回数は約1000回。研究では査読ありの学会誌に論文が1本掲載されました。

本記事ではC.ロジャーズが提唱したクライアント中心療法に関するおすすめ書籍を紹介していきます。

本記事でおすすめする本

  1. ロジャーズ クライエント中心療法 新版 --カウンセリングの核心を学ぶ
  2. カール・ロジャーズ入門―自分が“自分”になるということ
  3. ロジャーズ選集(上):カウンセラーなら一度は読んでおきたい厳選33論文
  4. クライアント中心療法 (ロジャーズ主要著作集)
  5. カウンセリングの理論


C.ロジャーズもクライアント中心療法も大変有名ですが、現場では認知行動療法のような実用的な心理療法が人気であり、ロジャーズ関連の本をしっかり読んだ経験がない方も多いのではないでしょうか。かく言う私もそうでした。

日本のカウンセリング=クライアント中心療法と言われていたくらいの心理療法ですが、その分関連書籍も数が多く、正直なところ「何を読んだらいいんだ?」と悩みましたね。

そんな悩みを抱えていた何年か前の私にあてて書いたつもりです。感想込みでいくつか本を紹介させていただきますので、参考にしてみてください。

おすすめ1:ロジャーズ クライエント中心療法 新版 --カウンセリングの核心を学ぶ

日本のクライアント中心療法の普及に多大なる貢献をした佐治守夫先生の著作です。入門としては間違いありません。

1983年に出た書籍の新版であり、近年のパーソンセンタードアプローチ(PCA)の動向も書かれています。

本記事作成時のAmazonレビューは58件、★4と評価も十分です。

有斐閣のページから目次を引用します。

  • 第1章 ロジャーズの生涯と思想
  • 第2章 非指示的療法
  • 第3章 クライエント中心療法
  • 第4章 ロジャーズのパーソナリティ理論
  • 第5章 クライエント中心療法の研究
  • 第6章 エンカウンター・グループとPCA
  • 第7章 クライエント中心療法の理論的・実践的な展開
  • 第8章 クライエント中心療法近縁の心理療法
     ロジャーズ年表
     ロジャーズ主要著作一覧

引用元:http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/9784641173767

 

良いところしかないの?

Amazonレビューを読むと、章によっては表現が回りくどく、読みにくさがあるようです。

私はそこまで気にならなかったですし、クライアント中心療法を学ぶ際の筆頭にあがる本だと思います。

佐治先生に関する本があるくらいですからね。

カール・ロジャーズ カウンセリングの原点

諸富先生はロジャーズ研究の大家であり、クライアント中心療法をはじめ、関連著作がかなり多いです。この本は2021年出版であり、決定版的な位置にあるようです。

おすすめの理由は諸富先生の近著であり、ロジャーズ自身を理解することを通してクライアント中心療法を理解することができるためです。

角川のホームページから目次を引用します。

  • はじめに──現代カウンセリングの礎を築いたカール・ランサム・ロジャーズ
  • 第1章 ロジャーズを理解するための5つのキーワード
  • 第2章 「カウンセリングにおける変化の過程」の発見
  • 第3章 ロジャーズの生涯──「自分が自分自身になっていく」一つの例として
  • 第4章 傾聴は何のために──ロジャーズから改めて学びなおす
  • 第5章 ロジャーズのカウンセリング/心理療法
  • 第6章 1955年のロジャーズとジェンドリン
  • 第7章 「静かなる革命」
  • 第8章 ロジャーズの結婚・恋愛論
  • 第9章 ロジャーズの教育論
  • 第10章 これだけは読みたい! 主要著作

引用元:https://www.kadokawa.co.jp/product/321712000261/

この本を選ぶ際の懸念点は、内容がクライアント中心療法そのものというよりは、ロジャーズの人生、人柄、思想などが中心であることでしょうか。

個人的にはロジャーズの思想を理解することで、クライアント中心療法がどのような心理療法であるかをより理解できると感じました。

さらに詳しく

個人的な話をすると、もともと私が最初に読んだロジャーズ関係の本は諸富先生の「カール・ロジャーズ入門―自分が“自分”になるということ」でして、強烈に覚えてます。

内容的には「カール・ロジャーズ カウンセリングの原点」と重複する部分が大きいと思いますが、一応紹介しておきます。

この本で「一致」ってこういうことなのかと(多少なりとも)理解できたのは感動でした。

ロジャーズ選集(上):カウンセラーなら一度は読んでおきたい厳選33論文

この本はロジャーズ自身が書いた論文を集めたものであり、確実に読むべき本だと思います。

理由は、かの有名な「セラピーによるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」が掲載されているからです。

目次を引用します。

第Ⅰ部 私を語る
 1 私を語る 1961
 2 私の結婚 1972
 3 老いること――成長しながら老いること 1980
 4 85歳を迎えて 1987
第Ⅱ部 セラピーの関係
 5 より新しいサイコセラピー 1942
 6 指示的アプローチ対非指示的アプローチ 1942
 7 ハーバート・ブライアンのケース 1942
 8 援助関係の特質 1958
 9 気持ちのリフレクション(反映)と転移 1986-1987
 10 クライエント・センタード/パーソン・センタード・アプローチ 1986
第Ⅲ部 過程のなかの人間
 11 症例 エレン・ウェストと孤独 1961
 12 価値に対する現代的アプローチ――成熟した人間における価値づけの過程 1964
 13 結婚しますか? 1972
第Ⅳ部 理論と研究
 14 二つの研究から学んだこと 1986
 15 サイコセラピー技術の改善における電気録音面接の利用 1942
 16 セラピーによるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件 1957
 17 クライエント・センタードの枠組みから発展したセラピー、パーソナリティ、人間関係の理論 1959

引用元:https://www.seishinshobo.co.jp/book/b88343.html

ロジャーズの言葉を誰かが解説してくれているわけではないので、読者の皆様の理解力にかかってきますが、原文にあたることはロジャーズの思想を理解するうえで重要だと思います。

なんなら「セラピーによるパーソナリティ変化の必要にして十分な条件」は英語の原文で読むべき本でしょう。

私は読みました(まぁ、あんまり覚えていないですけど)。

クライアント中心療法 (ロジャーズ主要著作集)

この本はロジャーズが書いた書籍の翻訳です。論文ではなく、書籍の翻訳です。

ロジャーズが書いたクライアント中心療法に関する書籍を読みたいという方は必読かと思います。

目次を引用します。

編集者はしがき
著者はしがき 
第一部クライアント中心療法の現在
 第一章 クライアント中心療法の発展的特質
 第二章カウンセラーの態度とオリエンテーション
 第三章クライアントにより体験される心理療法の関係
 第四章心理療法の過程
 第五章他の見地より提起される三つの質問――転移・診断・適用 
第二部クライアント中心療法の応用
 第六章学生中心の授業
 第七章カウンセラーおよび心理療法家の訓練 
第三部心理学理論に向けて
 第八章人格と行動についての理論 
訳者あとがき
文献 

引用元:http://www.iwasaki-ap.co.jp/book/b195617.html

ロジャーズの著作にあたりたい方はぜひ。

カウンセリングの理論

この本はクライアント中心療法のみを扱った本ではないですが、國分先生のかなり有名な書籍です。

おすすめする理由は、認知行動療法の書籍の記事でも書きましたが、クライアント中心療法の「らしさ」を理解するには、他の心理療法と比較しないとわからないからです。

國分先生のこの本では、精神分析、行動主義、心理検査、実存主義、交流分析、ゲシュタルト療法、論理療法について書かれたうえで、各理論の長所がまとめられています。

各理論(セラピー)を相対化して理解するにはうってつけの書籍です。私はこの本かなり好きでよく読みます。

なお、諸富先生は著書のなかで國分先生の「カウンセリングの理論」をおすすめとして挙げておられ、諸富先生ご自身も2022年3月に「カウンセリングの理論」という本を書かれています。

上下巻の「上巻」にクライアント中心療法などのパーソンセンタードアプローチのことが書かれており、Amazonレビューは本ブログ記載時に13件、★4.5と大変高評価。おすすめです。

本記事は以上になります!

クライアント中心療法のおすすめ書籍いかがでしたでしょうか。

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  • この記事を書いた人

モトセ

精神科・児童精神科クリニックの心理職です。他には学校、企業内で心理的支援の経験があります。最近は不登校支援に力を入れています。2022年4月にブログをリニューアルしました。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。

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