ブログをご覧いただきありがとうございます!
臨床心理士で不登校支援しております、モトセです。
今回は私の考えた「不登校の親支援プログラム」の第3回目です。
「不登校の親支援プログラムってなに?」という方は以下の記事を先に読んでいただけると、今回の内容がより理解しやすくなります。
前回までにお子さんの行動を3つに分けること、そして、「好ましい行動」にコンプリメントするを説明してきました。
(おさらいの表)
今回は行動を3つに分けたうちの1つである「子どもの課題である行動」を「受け取らない」ということをやっていきたいと思います。
おそらく皆さんは

と思ったことと思います。
まずはこれを理解するためにアドラー心理学の「課題の分離」という用語を解説していきます。
本記事の内容
- 課題の分離とは?
- 「子どもの課題である行動」の具体例
- 「子どもの課題である行動」を受け取らない方法
- 「子どもの課題である行動を受け取らない」に関するQ&A
わかりやすく解説するので心配ご無用ですよ!
課題の分離とは?
「課題の分離」とはアドラー心理学という分野の用語です。
アドラー心理学というのはアドラーさんが考えた色々な概念のあつまりのことでして、そういうのがあるんだなくらいに思っておいてください。
アドラー心理学において、日本で一番有名な本は「嫌われる勇気」という本だと思います。「課題の分離」がどんなものか説明するために、まずは「嫌われる勇気」を引用するところから始めたいと思います。
ちなみに、嫌われる勇気はアドラー心理学の専門家である「哲人」と「青年」の会話形式で進むのでそのつもりで読んでみてください。
引用元:「嫌われる勇気」 p139-142
哲人:アドラー心理学の基本的なスタンスからお話ししておきます。たとえば目の前に「勉強する」という課題があったとき、アドラー心理学では「これは誰の課題なのか?」という観点から考えを進めていきます。
青年:誰の課題なのか?
哲人:子どもが勉強するかしないのか。あるいは友だちと遊びに行くか行かないのか。本来これは「子どもの課題」であって、親の課題ではありません。
青年:子どもがやるべきこと、ということですか?
哲人:端的にいえば、そうです。子どもの代わりに親が勉強しても意味がありませんよね。
青年:まぁそれはそうです。
哲人:勉強することは子どもの課題です。そこに対して親が「勉強しなさい」と命じるのは、他者の課題に対して、いわば土足で踏み込むような行為です。これでは衝突を避けることはできないでしょう。われわれは「これは誰の課題なのか?」という視点から、自分の課題と他者の課題とを分離していく必要があるのです。
「課題の分離」を初めて聞く方は「え?え?」と戸惑ったかと思いますが、もう少し読んでみてください。
青年:分離してどうするのですか?
哲人:他者の課題には踏み込まない。それだけです。
青年:……それだけ、ですか?
哲人:およそあらゆる対人関係のトラブルは、他者の課題に土足で踏み込むこと――あるいは自分の課題に土足で踏み込まれること――によって引き起こされます。課題の分離ができるだけで、対人関係は激変するでしょう。
青年:ううむ、よくわかりませんね。そもそも、どうやって「これは誰の課題なのか?」を見分けるのです? 実際の話、わたしの目から見れば、子供に勉強させることは親の責務だと思えますが。だって、好き好んで勉強する子どもなんてほとんどいないのですし、何と言っても親、保護者なのですから。
哲人:誰の課題かを見分ける方法はシンプルです。「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考えてください。もしも子どもが「勉強をしない」という選択をしたとき、その決断によってもたらされる結末――例えば勉強についていけなくなる、希望の学校にはいれなくなるなど――を最終的に引き受けなければいけないのは、親ではありません。間違いなく子どもです。すなわち勉強とは、子どもの課題なのです。
いやいや、勉強させるのは親の役目でしょう、と思った方も多いと思います。青年もそう思って反論していきます。
青年:いやいや、まったく違います! そんな事態にならないためにも、人生の先輩であり、保護者でもある親には「勉強しなさい」と諭す責任があるのでしょう。これは子どものためを思ってのことであって、土足で踏み込む行為ではありません。「勉強すること」は子どもの課題かもしれませんが、「子どもに勉強させること」は親の課題です。
哲人:たしかに世の親たちは、頻繁に「あなたのためを思って」という言葉を使います。しかし、親たちは明らかに自分の目的――それは世間体や見栄かもしれませんし、支配欲かもしれません――を満たすために動いています。つまり、「あなたのため」ではなく「わたしのため」であり、その欺瞞を察知するからこそ、子どもは反発するのです。
青年:じゃあ、子どもがまったく勉強していなかったとしても、それは子どもの問題なのだから放置しろと?
哲人:ここは注意が必要です。アドラー心理学は、放任主義を推奨するものではありません。放任とは子どもがなにをしているのか知らない、知ろうともしない、という態度です。そうではなく、子どもがなにをしているのか知った上で、見守ること。勉強についていえば、それが本人の課題であることを伝え、もしも本人が勉強したいと思ったときにはいつでも援助をする用意があることを伝えておく。けれども、子どもの課題に土足で踏み込むことはしない。頼まれもしないのに、あれこれ口出ししてはいけないのです。
ここまで読むと続きを読みたい方も多いかもしれませんが、著作権の問題もあるのでいったんここまでにします。
どうでしょうか、なかなか過激な主張に見えたのではいでしょうか。私は最初に読んだときに「まぁ確かにそうだけど、現実はそうはいかないでしょう…」と思いました。
上の文章を見て「できてないなー…」と落ち込んだ方や、「いや違う」とムカついてきた方もいるかもしれません。
ひとまず「課題の分離」のイメージがつかめたらここではOKです。
要約すると、
その課題を解決する/しないによって最終的に困るのは誰か、それをもとに課題を分けることを「課題の分離」と言います。
不登校で考えると、「親の課題」と「子どもの課題」に分けて考えることができます。
例えば、「勉強する/しない」であれば、しないことで最終的に困るのはお子さんなので、勉強する/しないは「子どもの課題」と考える。
という感じです。
では今日の内容についてです。今回は2ステップです。
1つ目は子どもの課題である行動を見分けるようになること。
2つ目は子どもの課題を受け取らないこと(「嫌われる勇気」では「引き受けない」と記載)
その方法を紹介します。
コラム:ピンチはチャンス
補足なのですが、みなさん、あまり暗く考えないでください。
「子どもの課題を受け取らない」というのは言い方を変えると、「子どもが成長するチャンスを親が奪わない」ということです。
なので、子どもの困った行動が生じたら、「おっしゃきたーーーー!チャーーーンス!!」くらいに捉えて欲しいのです。
あともう1つ。不登校のお子さんは、自分がはれ物扱いされるのが大嫌いです(誰でもそうですが)。
課題の分離ができてくると、親御さんがお子さんに、(多少は)気を遣わずにいられるようになります。その結果、お子さんも、親から気を遣われていると感じにくくなる、というボーナスがありますので、少しずつでも良いのでぜひぜひトライしてみてください。
「子どもの課題である行動」の具体例
では、子どもの課題となりそうな行動を考えてみましょう。最初に例を示しますね。
具体例
- 「トミカ(子どものものなら何でもいいです)がない!」と言う
- 宿題をやらない
- ゲームをやっていて「あー!できない!ムカつく!」とわめく
- 塾や習いごとに行かない
- 「あーお腹すいた」「明日起きれるかな」など、気もちを「におわせる」形で伝えてくる(心配、不安、不快感)
- 「~~したいな」など欲求を「におわせる」形で伝えてくる
- 子どもが自分でできることや無理難題を「~~して」と頼んでくる
- 朝起きてこない
(ブログ記事なので、想定で書いてみます。あくまでも、例ですので、年齢や性別は考慮していません)
さて、ここで質問です。
こう見ると、親御さんにストレスを与えるような行動が多くありませんか?
わがままに見えるものが多いと言いますか。
この記事で学んだことを活かすことができれば、上記のようなお子さんの行動に低ストレスで対応できるようになりますし、お子さんの成長の手助けをすることができます。
では1回、皆さんもご自身のお子さんについて、「子どもの課題である行動」を考えてみてください。具体例で挙げた中から参考にしても大丈夫です。
ワーク1:「子どもの課題である行動」を紙に書き出してみる。
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では対応について解説するまえに、今現在自分はどうやって対応しているか、を振り返ってみましょう。自分が挙げた「子どもの課題である行動」に自分はどのような対応しているか、書いてみてください。
ワーク2:「子どもの課題である行動」に今自分がどう対応しているか書いてみる。
(シェアする)
つぎに、このようなパターンが多いのではないかなという例を考えてみます。
・「トミカ(子どものものなら何でもいいです)がない!」と言う
自分で探しなさい。
・勉強をやらない
早く勉強やりなさい。終わらないとゲームできないよ。
・ゲームをやっていて、「あー!できない!ムカつく!」とわめく
うるさい、しずかにやりなさい。
・塾や習いごとに行かない
早くいきなさい!
・「あーお腹すいた」(気持ち(不快感)を「におわせる」形で伝えてくる)
何か作ろうか?
・「明日起きれるかな」(気持ち(不安や心配)を「におわせる」形で伝えてくる)
きっと大丈夫だよ。
・「~~したいな」など欲求を「におわせる」形で伝えてくる
~~に行く?
・子どもが自分でできることや無理難題を「~~して」と頼んでくる
しかたないなぁ(要求にこたえる)
・朝起きてこない
起きなさい!
わたしが想像で書きましたが、どうでしょうか?
こう見ると、親御さんが「指示・提案する」とか、「やってあげる」ような対応になりやすいかと思います。
これはある意味で自然な対応で、おそらく不登校に関係なく、多くの親御さんこのように対応しているんです(課題の分離をやっている親御さんはほとんどいないでしょうから)。
極論を言えば、上記のような対応でも子どもの問題行動がなければ、変える必要はないのです。
ただし、学校に行かないとか、依存が激しいとか、そういった問題行動(親が困る行動)が続くのであれば、親御さん側が対応を変えることで、お子さんの新たな反応を引き出すきっかけになるんです。
また、悪循環をずっとやっていると親御さんのストレスが半端ないので、コミュニケーションを変えることで親御さんのストレスも減ります。
この悪循環を図にするとこのような感じです。
親が手伝えば手伝うほど、子どもの要求が維持される(母子依存が維持)
親が干渉すればするほど、子どもの問題が維持される(反抗が維持)
では、この悪循環を切る方法、「子どもの課題である行動」を「受け取らない」ためにはどうすればいいか、その方法をいくつか紹介していきます。
「子どもの課題である行動」を受け取らない方法
本家のペアトレでは「好ましくない行動」は「無視」をして「子どもが適切な行動をするまで待つ」のですが、不登校対応に関していえば、無視だけでは武器が少ないのが現実です。
もちろん、ちょっとスルーしておいて子どもが好ましい行動をとってくれるなら無視で良いのですが、それで悪循環がエスカレートする場合に、他の選択肢がないと厳しいので、ここではいくつか受け取らない方法を紹介いたします。
目指すは良循環です!
親が受け取らないことで、子どもが自分の課題に対処・解決でき、自信がつく(良循環)
子どもの課題を親が受け取らない方法3選
ここでは以下の3つを紹介していきます。
- 傾聴
- 断る・任せる・ゆだねる
- アサーション
①傾聴
傾聴はカウンセリングの用語です。大雑把ですが、ここでは「指示・提案なしに丁寧に聞くこと」と考えてください。
意外かもしれませんが、指示・提案しないで人の話しを聞こうとすると、聞き手ができることはかなり限られます。
傾聴には色んな技法があるのですが、ここでは日常生活で使えそうな技法を5つ紹介します。
- うながし:「それで?」「それから?」
- あいづち:「うんうん」「ほう」「そっか」「そうなんだ」
- 気持ちの伝え返し(オウム返し含む):「ムカついたんだね」「満足したんだね」(主に子どもの言葉をつかう)
- 要約:「~~して~~と思ったのね」(出来事・行動・感情)
- 質問:「わからないからもう少し教えて」「~~ということ?」
ここら辺をつかえれば、「子どもの課題」を受け取らないで済むようなコミュニケーションができるようになれると思います。
なお、全てにおいて「声のトーンは穏やかに」を意識してみましょう。非言語メッセージである態度はとても重要です。
補足として、なぜ指示・提案は良くないかというと、保護者が子どもの課題を受け取っているからです。また、「お母さん(お父さん)が~~って言ったからこうなった」という子どもの言い分を引き出すことにつながるからです。
具体例
・「トミカ(子どものものなら何でもいいです)がない」と言う
そっかー。ないのかー。(オウム返し)
・ゲームをやっていて、「あー!できない!ムカつく!」とわめく
難しくてムカついたのね。(気持ちの伝え返し)※スルーという手もあり。
・「あーお腹すいた」
お腹すいたのね。(オウム返し)
※別に「何かつくろっか?」と言ってもいいんです。あくまでも、受け取りたくないときはこうしてみてはいかがでしょうか、という意味です。
・「明日起きれるかな」
起きられるか不安なんだね。
・「~~したいな」
そうなんだ。
傾聴ができると先回りや過干渉と言われているコミュニケーションも減っていくかもしれません。
②断る・任せる・ゆだねる
これは言葉のままですね。
- 「お母さん(お父さん)はやらないよ」
- 「任せるよ」
- 「なんで私に聞くの?」
などと伝えて受け取らない、ということです。
この「任せる」に関してはブログに書いている親御さんがおられたので、リンクを貼っておきます。
参考URL:任せるよだけでも難しい(https://ameblo.jp/brend-piano/entry-12567345617.html)
具体例
・子どもが「自分でできること」や「無理難題」を「~~して」と頼んでくる
例:着替えさせて。それとって。など
私はやらないよ。
・「~~していい?」(子どもが許可を取る必要がないことの場合)
任せるよ。(ここで「いいよ」と受け取らないで子どもに考えさせるのがミソ。)
もし、子どもが「何でやってくれないの?」と苛立ったり悲しんだりしたら、
自分のことは自分でできるようになって欲しいからだよ
と理由を伝えればよいと思います。

という親御さんもいるかもしれません。
それについては第2回で学んだコンプリメントを実践したうえで、この「子どもの課題である行動」を受け取らないをやっていれば、お子さんは「見放された」とは感じないと思います。だからこその積み上げ式のプログラムになっています。
コラム:やってあげた方がいいこともある?
補足ですが、たとえば中学生のお子さんが「一緒に寝て」と言ってきた場合はどうでしょうか。
前提として1人で寝ることができないと困るのは子どもなので、子どもの課題ではあります。なので、一緒に寝ないのがセオリーではあります。
もし、お子さんが普段そういうことを言わない場合は何か強い不安があるのかもしれませんので、理由を傾聴していくのがよいかもしれません。
話す中でお子さんが落ち着いて自分で寝ると言い出すかもしれません。一緒に寝た方がいいと思うのであれば一緒に寝たらいいと思います。答えはないのです(お子さんの性格や出来事の経過などによってお子さんが言う言葉の意味が変わるので、ここでは答えが提示できないという意味です)。
③アサーション
アサーションは自己主張の方法の1つです。
アサーションについて細かく解説はしませんが、ここではアサーションの技法の1つである、
I(アイ)メッセージ
を紹介します。
Iメッセージとは「私」を主語にしたメッセージの伝え方です(Iは英語でいう「私」のこと)。
Iメッセージによって、子どもの課題に踏み込むことを避けることができますし、親御さんが心の中に思っている本音をちょうどよい感じに伝えることができます。
また、「あなた」ではなく「私」を主語にして気持ちを伝えることで、指示・命令ではない方法で相手にお願いすることができるのもメリットです。
※ちなみにIメッセージの逆はYOUメッセージと言われており、「あなた」を主語にした伝え方です。
具体例
Iメッセージ:私は~~してもらえると嬉しい。
YOUメッセージ:あなたは~~した方がいい。
言うまでもないのですが、「嬉しい」しか使っちゃいけないわけではないです。
私は~~と感じたよ、と 「私」 を主語にすればどんなことを伝えてもIメッセージです。
具体例
例:テーブルを片付けてほしい
母:もうすぐご飯だから、テーブルを片付けてくれないとお母さん困るの。
子:ゲームしてるから無理(Iメッセージを使っても子どもが要求を受け入れない場合もある)
母:セーブしてくれると、すぐに夕食を出すことができるから助かるんだけどな引用元:『今、子どもの不登校でなやんでいるあなたへ』 P128
Iメッセージで気持ちを伝えてもお子さんが聞き入れない可能性はあります。
そこでカッチーン!ときて怒り倒したら意味がないので、「そう」と塩対応したり、キレるくらいなら無視(スルー)することも手です。
①傾聴、②断る、③アサーションの3つを紹介しましたが、ここでめちゃくちゃ重要なことを言います。
もし、上記のようなやり方で親御さんが「子どもの課題である行動」を受け取らなかった結果、お子さんが少しでも「好ましい行動」をしたとしましょう。そしたらどうしますか?
・・・
そうですね。好ましい行動にはコンプリメントします!!
本家のペアトレもそうですが、最終的には子どもの好ましい行動をほめたり認めたりして(コンプリメントして)終わりたいのです。
・好ましい行動➝コンプリメント
・子どもの課題である行動➝親が受け取らない➝子どもが自分から問題解決(好ましい行動)➝コンプリメント
・許されない行動➝親がしかる(警告)➝子どもが行動を訂正(好ましい行動)➝コンプリメント
こう考えると、子どものどんな行動であれ、子どもの心のエネルギーを回復したり、社会性を育てたりするために活用していく、これが大切です。
ここで補足を3点ほどお伝えします。
補足1:子どもの課題であっても、親が手伝うことはある。
お子さんに全て任せて達成できずに自信喪失してしまっては意味がありません。言うまでもないですが、親御さんがお子さんを手伝うこともあります。再登校支援の上野先生は「最低限のアドバイスで乗り越えさせることを考えて欲しい」と書いています(『今、子どもの不登校でなやんでいるあなたへ』)。
補足2:子どもに質問することでお子さんの「考える力」を伸ばす。
傾聴に加えて、「どうやったらできるようになると思う?」など、子どもに考えさせるような質問をすることで、お子さんの考える力を育てることができます。うまい答えが返ってこなくとも、子どもの中に「どうすれば良かったのだろう」という意識が少しでも入れば結果オーライです。
補足3:全部をうまくやろうと思わなくてOKです。
「子どもの課題である行動を受け取らない」って難しいですよね。
うまくいかないことも出てくると思いますが、どうか心配しないでください。
不思議なことに、子どもの困った行動というのは全て解決せずとも、少しの変化から雪だるま式に大きな変化につながることがあります。(家族療法のシステム理論ではこのように考えます。)
できる部分から、少しずつ試してみてください。
では、最後にワーク、やっていきましょう。
ワーク3:子どもの課題となる行動にどうやって対応するか計画を立てる
では、実際に①傾聴、②断る・任せる・ゆだねる、③アサーションなどを使い、先ほどワーク1で挙げていただいた「子どもの課題である行動」に対し、どうやって対応するか案を出していきましょう!
(シェア)
今回の内容は以上になります。ご覧いただきありがとうざいました。
ホームワーク
今回の宿題は前回の「好ましい行動」のときと同様に、「子どもの課題である行動」と親御さんが実際に行った対応を記録することです。
ワークシートを用意しましたので、使ってみてください。
目標欄には「傾聴をつかってみる」「毅然と断る」など、ご自身で頑張りたいことを書いてみてください。
何度も言って申し訳ないですが、お子さんの課題を受け取らずにお子さんが自分で解決するなどの「好ましい行動」をしたら「コンプリメント」してあげてください。ついでに、受け取らなかった自分を褒めたおしてあげてください!
>>子どもの課題を受け取らない記録表をPDFでダウンロード(クリック)
その場でとっさに考えることが難しい場合は事前に計画を立てておくとよいかもです。本家のペアトレでは「アクションプラン」と呼んでいます。
表を添付するので使ってみてください。
>>アクションプラン(子どもの課題を受け取らない)をPDFでダウンロード(クリック)
最後の最後に「子どもの課題である行動を受け取らない」に関するQ&Aを紹介して終わります。
「子どもの課題である行動を受け取らない」に関するQ&A
Q・どうしても子どもに冷たくしているように感じてしまいます…
ペアトレのポイントは、お子さんの「行動」に着目することです。
その子の性格とか内面に関わることに触れないことで、「あなたのことはとても大切だけど、その行動は自分で解決して欲しいわ」というメッセージを送ることができます。
なので、「ほんとにダメな子ね」などと人格に触れるようなダメ出しは避けるのがポイントです。
そして何より重要なのは、コンプリメントとセットで使うことです。親が受け取らずに「好ましい行動」を少しでも行ったら25%ルールでコンプリメントしてあげてください。
そうすればお子さんのなかに、自分で何とかすれば親はちゃんと(肯定的に)見てくれるという気持ちをもってくれるはずです。
どうしても先回りして色々言ってしまいます。
もし、「自分は口うるさい」「過干渉である」「先回りして色々指示・提案してしまう」という自覚がある方は、子どもに言っている指示・命令を毎日全て記録してみるところから始めると良いかと思います。
書いてみることで、この部分はなんとかできそうという箇所が見つかるかもしれません。その中から改善できそうなところから、少しずつでいいので受け取らないことをやってみてください。
深刻にならず、できるところからやっていきましょう。
保護者の方も100%できなくても、25%ルールで自分をほめてくださいね。自分にご褒美をあげることも忘れずに!
読んでいただきありがとうございました!
今後も更新情報はtwitterでお知らせしますので、フォローしていただけるとありがたいです。