精神分析

【具体例】価値下げ・理想化・否認・投影・合理化・投影性同一視・行動化・受動攻撃|自我の防衛機制2

 

精神疾患の診断マニュアルであ「DSM-IV」の付録には、様々な防衛機制が7つの「水準」に分けて掲載されています。※今後の研究のために提案された軸として「付録」として記載されています。

この記事では7つの水準のうち「イメージの軽度歪曲の水準」「否定の水準」「重度のイメージ歪曲の水準」「行為的水準」「防衛制御不能水準」の中から「価値の引き下げ」「理想化」「否認」「投影」「合理化」「投影性同一視」「行動化」「受動攻撃」を紹介します。

前回記事は以下です。

防衛機制の7つの水準

DSM-IVでは防衛を以下の7つに分類しています。

  1. 高度な適応水準
  2. 精神的抑止 (代理形成)水準
  3. イメージの軽度歪曲の水準
  4. 否定の水準
  5. 重度のイメージ歪曲の水準
  6. 行為的水準
  7. 防衛制御不能水準

イメージの軽度歪曲の水準

この水準は自己、身体、または他者のイメージの歪曲によって特徴づけられる。

価値の引き下げ(けなす、引きずりおろす)

自己または他人の誇張した否定的性質のせいにすることで葛藤やストレスに対処する防衛。

理想化(ほめる、ほれぼれする)

価値の引き下げとは逆に、肯定的性格のせいにすることで葛藤やストレスに対処する防衛。
すぐに誰かをほめて、完璧だと称賛したりする。

・万能感(何でもできる気になる、気が大きくなる)

否定の水準

不快な、または受け入れられないストレス因子、衝動、観念、感情、責任などを意識の外に保つことによって特徴づけられ、それらは外的原因のためであると誤って帰属されることもあれば、されないこともある。

否認(見ない、感じない)

周りからみたら明らかな外的現実または主観的体験の苦痛な側面を認めることを拒否することで葛藤やストレスに対処する防衛。

投影(人のせいにする)

自分が受け入れることができない気持ち、衝動、思考を事実に反して他人のせいにし、葛藤やストレスに対処する防衛。

自分が相手のことを嫌いなのに、相手が自分のことを嫌っていると思う。

合理化(屁理屈や言い訳を言う)

誤ってはいるが安心できる、また、自分に役立つような説明を作り、自分の思考や行為、気持ちの本当の動機を覆い隠すことで葛藤やストレスに対処する防衛。

手に入らなかったものを大したものではなかったと思うような、いわゆる酸っぱいぶどうの対処。

重度のイメージ歪曲の水準

自己または他者のイメージの強い歪曲、または誤った帰属によって特徴づけられる水準。
とはいえ、普通の人もやったりすることはある。

投影性同一視(のせる、ひっかける、その気にさせる)

自分の願望や思考などを対象に投影し(相手のやってることにして)、あたかもその対象がその願望を抱いているかのように知覚し、関わる。

・自己像または他者像の分裂(人を白か黒か、天使か悪魔かに分ける)

良いところと悪いところの2面しかなく、中間のとらえ方ができない。

・自閉的空想(空想に引きこもる)

行為的水準

ストレス因子を行為又は引きこもりによって対処する防衛機能で特徴づけられる。

行動化(行動することで発散する。感じたり考えたりする代わりに働く)

認知的に処理できず行動として現れる防衛。境界性パーソナリティ障害の自傷行為はこれにあたる。

受動攻撃(卑下したり卑屈になったりはっきりしなかったりすることで、間接的に相手を嫌な気持ちにさせる)

約束をしても守らない、さぼるなどの受身的な方法で他者を責める。

・無感情的引きこもり(何も感じないようにしてひきこもる)

・援助の拒絶を伴う愁訴(文句や愚痴を言って助けを求めてきながらも、助けは受け入れないので相手はいらいらさせられたり、うんざりする)

防衛制御不能水準

ストレス因子に対する個人の反応を封じ込める防衛的調整の失敗と、それに続く客観的現実との激しい亀裂によって特徴づけられる水準。

・妄想的投影
・精神病的否認
・精神病的歪曲

以下の馬場先生の書籍は精神分析や防衛機制のことが大変わかりやすく書かれているためおすすめです。

精神力動的な理解ができると防衛機制も理解しやすくなります。以下の記事もご参照ください。

  • この記事を書いた人

モトセ

精神科・児童精神科クリニックの心理職です。他には学校、企業内で心理的支援の経験があります。最近は不登校支援に力を入れています。2022年4月にブログをリニューアルしました。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。

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