子供のカウンセリングとプレイセラピー

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大人と子供のカウンセリングの方法にはどんな違いがあるのでしょうか。


今日はそんなことを書いていこうと思います。


■子どものプレイセラピー



大人は言葉で心の世界を表現できますが、子供の場合はそれがなかなかできないことが多いです。

そのため、子どものカウンセリングではしばしばプレイ(遊戯)が用いられます。

遊びを通じて間接的に治療を試みるということであり、この方法をプレイセラピー(遊戯療法)といいます。


・プレイセラピー(遊戯療法)

遊戯療法とは、言語能力が未熟で内的な世界を言語で表現することが困難な子供を対象に、遊びを媒介として自己表現を促す心理療法である。遊戯療法ではアクスラインの8原則に基づき、子どもの主体性を重視し、自由に遊べる空間を作り上げると同時に、子どもとカウンセラーの安全を確保するための制限も用意する。この制限があることにより、子どもが不必要な試心配や罪悪感を抱くことなく、安心して自己表現を することが可能となる。
(臨床心理士指定大学院対策 鉄則10&キーワード100 心理学編 (KS専門書)より)


つまり、言語以外でどのようにアプローチしていくか、という策の1つがプレイになります。

プレイにおいて治療者が適切なかかわりをしていくと、自然に無意識的なテーマが出てくると言われています。


■プレイの段階



1.初期非関与の段階:舞台設定

子供は遊ばないか、一人で遊び、そのプレイは理解できなかったり、活用できなかったりする。


ここで治療者は舞台設定を行い、プレイのために適切なかかわり方を提供します。

良質なプレイを設定することで、無意識的な部分の表出を手助けます。


2.早期情緒的関与の段階

子どもがゆっくりとプレイに心が向かうようになり、プレイの中に出てくる特定の物事の深い意味を共有し始める段階。

遊びに熱が入ってくる段階ですね。


3.中心的ファンタジーの出現

子どもは次第に重要な意味をもつ空想世界を熱中して作り上げていく。

ここでは治療はその意味に漠然としか気づけないかもしれませんが、物語が展開するにつれて親が子供の変化を報告し始めたりする(改善や悪化)。


4.徹底操作期

治療者がプレイ中に明るみに出てくる物事の様々な意味を統合し、解釈的に介入する。


徹底操作(work though)

何回も何回も作業をし直すことを徹底操作といいます。
外的に操作をするわけではなく、繰り返すという意味です。


■プレイの構造と投影



ルールがある程度決まっている構造化されたプレイではなく、紙やクレヨン、人形などといった自由なプレイを提供すると、子供の中にある無意識がそこに投影され始めると考えられています。

場合によっては構造的なものが良い場合もあるが、基本的には自由度が高いほうが良いです。



■意味のあるプレイとは



子供のエスが自我機能とのバランスを保ちながら、クリエイティブに表現されるようなプレイが意味のあるプレイであり、これが実現されている時は、面白いプレイになるようです。


・自我のための退行を促進する

治療者は子ども(クライアント)と一緒に遊ぶ遊び手になることで情動を調律し(合わせていき)、無意識の世界を見出す「自我のための退行」を許容することになります。


例えば潜伏期の子供がプレイにおいて、肛門期的な行動をとることがあったとしたら、それは自我のための退行であると言えます。
発達段階と退行についてはこちらをどうぞ
精神分析における発達理論


つまりプレイにおいて遊び手は、感情の表現を助ける人になるということです。

そこで情動調律を図ることで自由連想のようなことができるようになり、無意識の中のものが自然と出てくるようになります。


自由である、ということは無意識の探求に非常に重要です。理由は、無意識は意識より遠いところにあり、なんでもありが許されることで、ようやく出てくるからだと言われています。


・構造化と非構造化


精神分析と臨床心理面接(CBTなど)の大きな違いはセラピーの構造にあります。


精神分析ではクライアントの無意識を表現させるために自由度の高い非構造化の面接形態をとります。

このように面接者が構造を決めないところが臨床心理面接との大きな違いの1つです。


・治療構造と面接の構造化

精神分析の治療では治療構造を定めますが、これは面接自体の構造化とは異なります。


以前も書きましたが、治療構造とは面接の中身ではなくて外枠で、時間、場所、人、約束(物は壊さない、面者を攻撃しないなど)を定めることです。


これによってクライアントは安心・安定できる環境を作ることができ、無意識の表現を促します。


・抱える環境(Holding Envinoment)

治療構造を定めてしっかりと境界を規定すること(やってはいけないということを決めること)は、逆に言えば、それ以外はどのようなことをしても良いという場が提供されることを意味します。

また、それを治療が受け入れる態度でもって受け入れることで、子どもが安心して無意識を表現することができるような環境を“抱える環境”といいます。


治療者はプレイにおいて遊び手として機能しながら、このような環境づくりにも力を入れる必要があります。


・遊び手と観察者という二重機能


プレイの中で治療者は一緒に遊ぶ遊び手としての立場と、プレイが単に楽しみのためにあるのではなく、それをよく見て理解するという重大な目的があることを暗黙のうちに伝える観察者としての役割があります。


観察者としての治療者はルールといった境界(治療構造)を定めますが、子どもはプレイが進むにつれてそのルールを理解し、次第に自身に内在化させていきます。


子どもの自我はえてして成熟していないため、治療者がその成長を手助けする補助自我として働き、その結果子どもはプレイの場が普段の生活とは切り離されている場であることを認識できるようになります。


子どもの観察自我を育てていくことも、プレイの意味の1つです。



少し雑多な内容になってしまいましたが、子どものためのカウンセリングであるプレイセラピーの概要でした。



読んでいただきありがとうございました!



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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をつぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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