DSM-IVの防衛機能 -防衛機制2-

eye catch image 精神分析
スポンサーリンク

今回は前回に引き続き自我の防衛機制についてです。
前回の記事はこちら(自我の防衛機制(まとめもあるよ) -防衛機制1-)。


簡単な例をあげると、有名なのは酸っぱいブドウで、これは高いところにあって取れないブドウを諦める時に、”あのブドウはどうせ酸っぱくてまずい”と自分を納得させる方略で、合理化と呼ばれるものです。


このように欲求不満に対処する様々な方略が防衛機制です。


今回は防衛機制の種類と内容について書こうと思ったのですが、正直それらが書いてあるサイトはいくらでもあるので、、、少し違った観点から防衛機制を紹介していきたいと思います。



■防衛機能(Defense Functioning Scale)



実は精神病理の診断マニュアルであるDSM-IVには、防衛機能という言葉で防衛機制の各水準と機能が分類されています。ちなみに付録みたいな感じです。


ここではストレスの概念を使い、それに対処するものとして防衛機制全体をとらえ直そうとしています。


防衛機能尺度の使い方(臨床家はこうやって判断してますよてことです)としては、特定の防衛または対処形態を7つ書き出し、その人が示す優勢な防衛水準を調べていくようです。



■ 防衛の水準と具体的な内容


DSM-IVでは防衛を以下の7つに分類しています。


ここではその水準別に具体的な防衛機制を書いていきますが、私が有名だと思うところだけ詳しく書いていますので、知りたいことが書いてなかったらすいません。



1.高度な適応水準

最も良い適応状態を示す水準。


・予期(予想を立てて、備える)

・連携(人に助けを求める)

・愛他主義(ひとにつくして感謝される)

・ユーモア(笑いに変える)

これは葛藤やストレス因子の面白い側面や皮肉な側面を強調することによってそれに対処することです。笑いには対象の価値を落とす効果があるようで、張り詰めた自我を緩める効果があるようです。自虐的に自嘲する笑いは含まれません。


・自己主張(自分も他人も大切にする適切な、程よく直接的な自己表現)

・自己観察(冷静に自分の気持ちや考えを見る。自分と程よく距離をとる)

・昇華(衝動を仕事、芸術、スポーツ、趣味など社会的に受け入れられる形で表現する)

衝動に対して社会的に受け入れられる行動にはけ口を求めることで葛藤や外的・内的ストレスに対処する。
適応的な防衛の代表。
ただ単にネガティブなものからポジティブなものへの変換ではなく、社会的に認められる形で表現すること。


・抑制(意識的に我慢したり抑えたり、気をそらしたり、一時的に忘れたりする)



2.精神的抑止 (代理形成)水準

うまく使えばOKな、脅威を与える可能性のある気持ちや願望、恐怖などを意識の外に保つ防衛。


・置き換え(代わりのもので妥協する)

対象に対する感情や反応を他の対象に移し替えることで、葛藤やストレスに対処する防衛。
雑誌で見た高い服は買えないから、似たような安いものを、という感じ。


・解離(人格の一部が切り離される、記憶がない時間がある)

・知性化(知ったかぶりや頭だけでわかったり悟ったりする)

・感情の隔離(気持ちが切り離されていて、感じられない)

・反動形成(反対の気持ちを感じる。愛<->憎しみ。攻撃<->やさしさ。美<->汚い)

自分自身が受け入れることができない思考または気持ちを全く正反対の行動や思考、気持ちに切り替えることで、葛藤やストレスに対処する防衛。
例えば嫌いな人に良い顔をしてみたりすること。


・抑圧(気持ちの根っこを意識の外に締め出す。よくわからない気持ちがある)

混乱する願望、思考、経験を意識的気づきから排除することで、葛藤やストレスに対処する防衛。
防衛機制の原型であり、意識すると辛すぎるから無意識の中に落ち込んで心の安定を保とうとする働き。
抑制との違いは意識してやるか否か。抑圧は無意識的な防衛。


・取り消し(気持ちや行動を打ち消すための儀式的な言動)


3.イメージの軽度歪曲の水準

この水準は自己、身体、または他者のイメージの歪曲によって特徴づけられる。


・価値の引き下げ(けなす、引きずりおろす)

自己または他人の誇張した否定的性質のせいにすることで葛藤やストレスに対処する防衛。


・理想化(ほめる、ほれぼれする)

価値の引き下げとは逆に、肯定的性格のせいにすることで葛藤やストレスに対処する防衛。
すぐに誰かをほめて、完璧だと称賛したり。


・万能感(何でもできる気になる、気が大きくなる)



4.否定の水準


不快な、または受け入れられないストレス因子、衝動、観念、感情、責任などを意識の外に保つことによって特徴づけられ、それらは外的原因のためであると誤って帰属されることもあれば、されないこともある。



・否認(見ない、感じない)

周りからみたら明らかな外的現実または主観的体験の苦痛な側面を認めることを拒否することで葛藤やストレスに対処する防衛。

・投影(人のせいにする)

自分が受け入れることができない気持ち、衝動、思考を事実に反して他人のせいにし、葛藤やストレスに対処する防衛。


・合理化(屁理屈や言い訳を言う)

誤ってはいるが安心できる、また、自分に役立つような説明を作り、自分の思考や行為、気持ちの本当の動機を覆い隠すことで葛藤やストレスに対処する防衛。



5.重度のイメージ歪曲の水準


自己または他者のイメージの強い歪曲、または誤った帰属によって特徴づけられる水準。
とはいえ、普通の人もやったりすることはある。


・自閉的空想(空想に引きこもる)

・投影性同一視(のせる、ひっかける、その気にさせる)

投影と同一化の合わせ技。
自分の願望や思考などを対象に投影し(相手のやってることにして)、あたかもその対象がその願望を抱いているかのように知覚し、関わる。

あってるかどうかわかりませんが、「きみストレス溜まってるよね、まぁもっと飲みなよ」といって、自分がストレスを発散するために酒を飲みたいのを相手に当てはめ(投影し)、それに対して自分も同じと思いこみ(同一化)葛藤やストレスに対処するような感じでしょうか。迷惑なやつです。


・自己像または他者像の分裂(人を白か黒か、天使か悪魔かに分ける)



6.行為的水準

ストレス因子を行為又は引きこもりによって対処する防衛機能で特徴づけられる。


・行動化(行動することで発散する。感じたり考えたりする代わりに働く)

これは良く用いられる防衛で、子どもが特によく使います。


・無感情的引きこもり(何も感じないようにしてひきこもる)

・援助の拒絶を伴う愁訴(文句や愚痴を言って助けを求めてきながらも、助けは受け入れないので相手はいらいらさせられたり、うんざりする)

・受動攻撃性(卑下したり卑屈になったりはっきりしなかったりすることで、間接的に相手を嫌な気持ちにさせる)



7.防衛制御不能水準

ストレス因子に対する個人の反応を封じ込める防衛的調整の失敗と、それに続く客観的現実との激しい亀裂によって特徴づけられる水準。

・妄想的投影
・精神病的否認
・精神病的歪曲



■ 今回のまとめ


今回はDSM-IVの防衛機能について紹介していきました。なんか雑多な内容の羅列みたいになってしまって申し訳ないです。


防衛機制の中にはもっと有名なものもありますが(例えば退行、分離、打ち消し、取り入れ(摂取)、自己への向き換え(自虐)、逆転)、DSM-IVにないものは書いていませんので、それは別のところで見ていただければと思います。


なんかこう、似たやつがあったりしてわかりづらかったり、細かいなぁといつも思ってしまうのですが、それだけ網羅的ではあるのでしょう。


こう見ると、普段私たちが行っている不安や不快なことへの対処方は大抵どれかに当てはめることができますし、確かに無意識的にやってしまっているような気もします。

そういう意味では心を良く説明できる概念としての防衛機制はためになることが多いです。

不適応なやつをやらないように、、、要注意ですね。



読んで良かったと思ったらシェアをお願いします!



もし学生さんであれば、AmazonのPrime Studentに加入することをお勧めします!

Prime Studentは月額たった250円でプライム会員とほぼ同等の特典が使えるサービスです。何より無料体験が6ヶ月と長く、完全無料で半年間利用して解約することもできます

文房具・ノートが20%オフになったり、本の購入にポイント還元がつくなど学生には嬉しい特典もあります。

大学生・短大生・大学院生・専門学生の方は、今すぐ利用するすることをお勧めします。

【公式】Prime Studentで6か月間無料体験してみる。

この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をほぼ毎日つぶやいていますので、情報収集に使ってください。

精神分析
スポンサーリンク
神はPsycholoを振るー臨床心理学を応援するブログ

コメント

タイトルとURLをコピーしました