インターネットで検索すると性格診断がたくさん出てきます。私も時々やってみては「これは何が根拠なんだろう」と疑問に思ったりしています。今回の記事では心理学の分野で作成されたガチな性格診断テストである「NEO-PI-R」をご紹介します。
実際の臨床現場で使われることはほぼ間違いなくないとは思いますが、性格検査の歴上非常に有名なため、知っていて損はないと思います。
では初めにNEO-PI-Rの基となっている理論から見ていきましょう。
五因子理論(Five Factor Theory)
五因子理論は特性論に位置する性格の理論で、人の性格全体を記述しようと試みた過去の研究を総合し、過不足なくまとめていくと最終的には5つの次元に集約する事ができる、という理論です。
以前紹介したビッグファイブが言葉の整理であったのに対し、この理論は過去に行われた研究の共通要素を整理することを試みたものです。
ビッグファイブも五因子理論も特性が5つな上に、内容もほぼ一緒というのは、この5つが過不足なく人を捉えるのに必要であることを裏付けている気がします。>>【図解】ビッグファイブ性格診断とは?|覚え方・性格を5つに分ける意味・臨床上の有用性を解説
この理論はアメリカ国立衛生研究所の研究者のコスタとマクレーという人が研究していたもので、彼らがこれを基に開発したのが五因子性格検査であるNEO-PI-Rです。
NEO-PI-R(Revised NEO Personality Inventory)
NEO-PI-Rは五因子理論に基づいた性格診断テストで世界的に有名なものです。
こちらのサイトから購入する事が可能です。
http://www.saccess55.co.jp/kobetu/detail/neopir-ffi.html
このサイトを見ても分かるのですが、実施するのに30~40分かかるというかなりハードなものです・・・
しかも最低20人からなので個人で行うのは難しいかもしれないですね。
・個人で測るには
NEO-PI-Rは商品として売られているものなので、ネットには見つけることができませんでした。
この本が一番参考になると思います。個人でやってみたい方はこちらを参考にしてください。
・5つの特性の背後にあるもの
5つのいうのはとても判りやすくはあるのですが、さすがにこれだけで全ての性格を表すには無理があります。
そのため、NEO-PI-Rでは5つの特性にそれぞれ6つの下位属性が設定されており、合計30個の下位属性も測定する事ができるため、非常に細かく調べる事ができます。
N:神経症傾向
(不安、敵意、抑うつ、自意識、衝動性、傷つきやすさ)
E:外向性
(温かさ、群居性、断行性、活動性、刺激希求性、よい感情)
O:開放性
(空想、審美性、感情、行為、アイディア、価値)
A:調和性
(信頼、実直さ、利他性、応諾、慎み深さ、優しさ)
C:誠実性
(コンピテンス、秩序、良心性、達成追求、自己鍛錬、慎重さ)
※サクセスベルより(http://www.saccess55.co.jp/kobetu/detail/neopir-ffi.html)
臨床的な検査というよりは健康度の高い人の性格特徴を捉えるためのもので、就職活動や転職の際に自分の長所短所を客観的に測るようなときに使うと良いのかもしれませんね。
■ まとめ
五因子理論
特性論に位置する性格の理論。人の性格全体を記述しようと試みた過去の研究を総合し、過不足なくまとめていくと最終的には5つの次元に集約する事ができるというもの。
NEO-PI-R
五因子理論に基づいた世界的も有名な性格診断テスト。
他にも性格心理学の記事がありますので参考にしてみてください。