この記事では精神分析家のユングが提唱した「タイプ論」を紹介します。
タイプ論に行く前に知っておくと良いのが、性格をとらえる枠組みの代表である“類型論”と“特性論”です(ちなみにユングのタイプ論は類型論によるとらえ方です)。
類型論についてはこちらの記事をどうぞ
特性論についてはこちらの記事をどうぞ
ユングのタイプ論とは
カール・ユングはフロイトと並んでとても有名な精神分析家です。
ユングを知っている方は「集合的無意識」や「夢分析」などを想像する方が多いかもしれませんが、ユングは性格についても独自の考えを持っていました。
ユングの類型論とは「タイプ論」とも言われ、ユングが長年の研究の過程で自ら見出したものです。クレッチマーの類型論ように統計を取って作り上げたわけではなく、ユングの感覚で作られたものです。
ユングの類型論では性格を、”2つの態度”と”4つの機能”で合計8つの類型に分類します。
タイプ論における2つの態度(内向・外向)
外向型の特徴
興味関心が外の世界へと向かい、外界の刺激に影響を受けやすい態度のこと。
- 何か物事をした後で考える。経験してみないと理解できない。
- 新しい未知の世界に気安く飛び込んでいく。
- 関心と注意は、身近な環境、人間と物の現実世界に注がれる。
- 行動から思考へ行き、行動へと戻る。
- 大事な事を行う時、常に客観的な条件を重んじる。
- 理解されやすく、受容的で、しばしば社交的。
- 観念の世界よりも人と物の世界にいるほうが心地よい。
- 情熱を内に秘めず、随時気持ちを発散させる。
- よく見られる欠点は、知的浅薄さの傾向で、極端な外向タイプに顕著。
- 健康で円満であるためには、つりあいを取る内向性を適度に発達させる事が必要。
など
内向型の特徴
興味関心が自分の内なる世界へと向かい、自己に関心が集まりやすい態度。
※単に他者とのコミュニケーションが上手とかおしゃべりとかそういう話ではない。
- 何か物事をする前に考える。理解しないと動けない。
- 未知の世界へと飛び込む事には慎重である。
- 関心と注意は心的現実、観念と悟性の内的世界に注がれる。
- 思索から行動へ行き、思索へと戻る。
- 大事な事を行う時、常に主観的価値を重んじる。
- ミステリアスな部分が多く、深みがある。しばしば寡黙で内気。
- 人と物の世界よりも観念の世界にいるほうが心地よい。
- 激しい情熱をうちに姫、これを大切なものとして大事にする。
- よく見られる欠点は、非現実的な傾向で、これは極端な内的タイプに顕著である。
- 健康で円満であるためには、つりあいを取る外交性を適度に発達させる事が必要。
など
次に4つの機能です。
タイプ論の4つの機能(思考・感情・感覚・直感)
思考
判断におけるデータや論理性を重視する。
感情
自分にとっての好き嫌い(価値)が基準となる。
感覚
体験・経験の機能 5感への刺激、自分が体験することが思考や行動の中心になる。
直感
瞬間的な判断の機能。ひらめき、第6感、無意識的なことを重視する。
加えて、4つの機能は大きく「合理的機能(思考と感情)」と「非合理的機能(感覚と直観)」に大別されます。それぞれの機能のうち、優勢でない方の機能は、自分がうまく扱えない機能となります。
例えば思考が優勢の人は感情がうまく扱えない機能となります。
【合理的機能】
思考⇔感情
【非合理的機能】
感覚⇔直感
参考書籍
Amazonで探したところ、以下の本がよさそうです。
まとめ
ユングの類型論では、傾向が強いところは「意識できているところ」と捉え、意識できていないところ(低いところ)をいかに補うかが行き詰まりを解消するためのポイントだと言われています。バランスの良さが大切なんですね。