性格心理学

【血液型性格診断の元祖】性格の類型論とは?【ガレノスの4気質説】

皆さんは「自分の性格を説明してください」と言われたときにどう答えますか?

「やさしい」や「おおざっぱ」などの特徴を伝えるでしょうか、それとも「誰々のような性格」や「A型っぽい」などカテゴリーに分けて伝えるでしょうか。性格心理学では前者を「特性論」、後者を「類型論」と呼びます。この2つが性格(パーソナリティ)心理学の基礎になります

この記事では「類型論」を紹介します。特性論については以下の記事をご覧ください。

性格の類型論とは

パーソナリティを"ある一定の原理に基づいていくつかのタイプに分類して理解しようとする方法"を類型論と言います大体の感じに当てはめてみよう、という多少大雑把な考え方です。身近な例で言えば ”血液型性格分類” は類型論による分類です。

性格診断でいくつかのキャラを設けているものがありますがそれも類型論です。昔流行った「動物占い」も類型論的な理解です。

性格類型論のメリット|パーソナリティの全体像を直感的に把握できる

類型論最大のメリットは パーソナリティの全体像を直感的に把握できる ということです

血液型性格分類の信憑性は別として、A型は真面目で神経質のように、とにかく分かりやすいのが特徴です。

動物占いだとしたら、キャラの比較が面白く、話のネタになることもメリットかもしれないですね。

類型論のデメリット|典型例のみが強調されやすく、中間型や混合型が無視されやすい

類型論はわかりやすい反面、 典型例のみが強調されやすく、中間型や混合型が無視されやすい というデメリットがあります。また、1回そう感じるとそのようにしか見えなくなってしまったりする怖さもあります。

実はこの性格の類型論はとても古くからあり、そこから性格の研究が始まったと言ってもいいかもしれません。

こちらの書籍が非常に面白く、参考になります。

性格研究の元祖はガレノスの類型論

性格研究の元祖は2世紀ごろ、ギリシャの解剖学者だったガレノスという人が行いました。

ガレノスは人の体内には血液、胆汁、黒胆汁、粘液の4種の体液が存在するという考えに基づき、そのどれが優勢になるかによって性格が決まるという類型を考えました。これはガレノスの4気質説と言われています。

・ガレノスの4気質説(かっこ内は優勢の体液)

ガレノスの分類は科学的でもなんでもなく、全く信憑性がありません。昔の人はこんなこと考えたんだなくらいに思って見てください。

1.多血質(血液)
快活、明朗、気が変わりやすい、深みがない、世話好き

2.胆汁質(胆汁)
せっかち、短気、積極的、意志が強い、興奮しやすい

3.躁うつ質(黒胆汁)
用心深い、苦労賞、積極的、敏感、無口、悲観的、気が重い

4.粘着質(粘液)
冷静、冷淡、勤勉、感情の変化が少ない、沈着、粘り強い

まとめ

類型論
 パーソナリティをある一定の原理に基づいていくつかのタイプに分類し、理解しようとする方法

類型論のメリット
 パーソナリティの全体像を直感的に把握できる

類型論のデメリット
 典型例のみが強調されやすい
 中間型や混合型が無視されやすい

代表的な類型論にはクレッチマーの体形に基づいた類型論が有名です。詳しくは以下の記事をどうぞ。

 

  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

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