性格心理学

没我・無我とは|「自分がなくなる」「自分が広がる」感覚の正体

今回は自己に関する概念から「自分がなくなる」「自分が広がる」感覚を紹介いたします。

自分がなくなる感覚(没我・無我)

自分がなくなる感覚を「没我」や「無我」と言うそうです。

例えば、統合失調症の症状である幻覚において、世界の終わりを実感する時にこの感覚があらわれることがあるそうです。

また、LSD等のドラッグ接種によるトランス状況で「神とつながる」ような意識を通じ、自分がなくなる(別のものになる)という時もあるのだとか。このように精神的な高揚感によって、宇宙との一体感や全知全能感を感じた状態は、多幸感とともに自分がなくなる感覚があるらしいです。

自分が広がる感覚

感受性が強い方は、大自然の中でそれと一体になるような感覚を感じることがあるそうです。自分と何かが一つになるようなイメージでしょうか。

最近ブームである「サウナ」の温冷交代浴によって得られる「トランス状態」(変性意識状態)の感覚も自分と世界が一体になる自己拡張の感覚に近いかもしれません。

有名な詩人である「宮沢賢治」はこの自然とつながる感覚が強かったと言われています。賢治が書いた「眼にて云ふ」という作品には、臨死体験から自然とつながる体験を読むことができます。

眼にて云ふ

だめでせう
とまりませんな
がぶがぶ湧いてゐるですからな
ゆふべからねむらず血も出つづけなもんですから
そこらは青くしんしんとして
どうも間もなく死にさうです
けれどもなんといゝ風でせう
もう清明が近いので
あんなに青ぞらからもりあがって湧くやうに
きれいな風が来るですな
もみぢの嫩芽と毛のやうな花に
秋草のやうな波をたて
焼痕のある藺草のむしろも青いです
あなたは医学会のお帰りか何かは知りませんが
黒いフロックコートを召して
こんなに本気にいろいろ手あてもしていたゞけば
これで死んでもまづは文句もありません
血がでてゐるにかゝはらず
こんなにのんきで苦しくないのは
魂魄なかばからだをはなれたのですかな
たゞどうも血のために
それを云へないがひどいです
あなたの方からみたらずゐぶんさんたんたるけしきでせうが
わたくしから見えるのは
やっぱりきれいな青ぞらと
すきとほった風ばかりです。

まとめ

自分がなくなる感覚にしろ自分が広がる感覚にしろ、より高次の存在と一体化している、意識が通常の状態とは別の次元にあるという点で共通しているのかもしれません。

  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

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