【簡単図解】ラインケアは「気づく」「声かけ」「つなぐ」3つだけ

産業メンタルヘルス
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この記事では組織のメンタルヘルス対策における「ラインケア」について解説しています。

ラインケアというのは、一言で言えば「管理監督者が一般職員にするメンタルケア」のことです。

結論から言うと、ラインケアで最も重要なのは「気づく」「声かけ」「つなぐ」3つだけです。

なお、この3つのポイントは産業医の難波克行先生がHPに掲載している研修資料から引用させていただいております。私の経験的にもこの3つをやっていただければ、上司のラインケアとしてかなり素晴らしいと思います。

この3つが重要な理由は、最低限この3つをやっていただければ、メンタルヘルスの1次・2次予防の安全配慮義務はほぼ十分であること、明日からでもできること等です。

では1つずつ簡単に解説していきます。5分程度で読めると思います。

ラインケアは「気づく」「声かけ」「つなぐ」3つだけ!

いつもと違う部下に「気づく」

1つめに大切なことは、いつもと違う部下に「気づく」ことです。

組織内のメンタルケアで最も重要なのは「疾患の予防」です。つまり、「うつ病などの疾患にならないこと」、「なったとしても予兆を早期に発見し、重症化を予防すること」が大切です。

気づくことが大切な理由は、疾患になる前の「ちょっと調子が悪い段階で対処するため」です。

具体的に何に気づけばいいのかですが、細かいことを抜きにすれば、まずは「いつもとどこか違う」ということにぼんやりでも良いので注意を払ってください。

そのうえで以下のような特徴があれば、うつ病等メンタル不調の可能性がありますので、次のステップである「声をかける」に移りましょう。

  • 以前と比べ表情が暗く元気がない(エネルギーの低下)
  • 仕事の能率の低下、ミスの増加
  • 体調不良による欠勤、遅刻、早退の増加
  • 職場の同僚・上司などと折り合いが悪くなる
  • 飲酒によるトラブルが増える
  • 他人の言動を異常に気にする
  • 頭痛等、様々な身体症状の訴えが増える
  • 身なりに気を遣えず、不潔になる
【注意】上記の特徴全てを精神疾患で説明することはできません。プライベートで何か大きな心配事があっても同じような状態になることはあります。うつ病の可能性も頭にいれつつ、声をかけるというスタンスでいましょう。

調子の悪そうな職員に「声をかける」

2つめに重要なのが「声をかける」ことです。

放っておいて大事になるよりは、早めに対処して何も起こらない方が良いからです。

具体的には以下のようにするといいでしょう。

  • 部下と1対1で話せる個室で話す。
  • 「最近元気がないように見える」、(客観的な事実として)「この2週間で●日休んでいて心配である」などと、体調が気になっていることを伝える。
  • 相手が話し出したら、ゆっくり丁寧に、時々話をまとめたり、確認したりしながら話を聞く。
  • 「こうした方が良い」等の問題解決はせず、「状況の把握」と「共感」に努める。
  • ちょっと長くなっても辛抱する。
  • 一通り話をきいたら、心配だから、産業医や心理職に相談してみてはどうか、と提案する。

上記はあくまでも一例です。

状況に応じて臨機応変な対応が必要ですが、典型的な対応を理解しているといないでは心の余裕が全然違ってきますので、ぜひ覚えておいていただきたいです。

もし不調者本人が産業医や社内健康管理担当のところに行きたがらない場合は、管理監督者自身が相談に行きましょう。というより、本人が行っても行かなくても、健康管理担当者とは連携をとっておくべきです。専門家が助言してくれる場合もあります。管理者が一人で抱えないことはとても重要です。組織ではチーム守秘義務で個人情報を守りつつ、関係者が連携することが大切です
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健康管理窓口に「つなぐ」

3つめに大切なのは、不調者を健康管理窓口に「つなぐ」ことです。

理由は、初期段階で専門家の助言を受けつつ対処した方が、そうでないよりも圧倒的に予後が良いからです。

例を挙げます。

調子が悪そうなAさんがいます。上司が「まぁ時間がたてば元気になるだろう」と何も対処せずにいたところ、ある日うつ病の診断書をもって3ヶ月の休職となりました。その後3ヶ月経っても本人は調子が回復せず、結果的に1年の休職となりました。

これはよくあるパターンです。

もし早期に対応できた場合、次のようになるかもしれません。

調子が悪そうなBさんがいました。上司は気になったので個室に呼んで面談しました。Bさんは仕事の不安をとりとめなく、長々と話しましたが、上司は根気強く、状況が理解できるくらいになるまで聞き続けました。だいぶ具合が悪そうであり、もしかしたらうつになっているかもしれないと思った上司は産業医との面談を提案し、Bさんと一緒に産業医のもとに行きました。うつ状態の診断で1か月の休職となりましたが、早期に対応したため1か月後には復職し、上司の配慮もあり継続して勤務できています。

もちろん上記は創作ですが、本当にこのような違いがでます。

私は病院でカウンセリングをしていましたが、なぜこんなにボロボロになるまで放っておいたのか…と思う瞬間が多々ありました。

上司の皆さんに言いたいのは、早期に対処できるのは組織にいる職員だけということです。ぜひこのことを覚えておいてください。

【注意】専門家に相談したからといって、全て解決し、職員がすぐに元気になるわけではありません。中には疲弊しきっており、入院になる人もいます。それは相談したから悪くなったのではなく、しっかりと対処できたから、と捉えてください。

 



この記事のまとめ

ラインケアは「気づく」「声かけ」「つなぐ」3つだけ!

ぜひ覚えて帰っていただければと思います。

もしより詳しくラインケアについて知りたい方は以下の書籍がおすすめです。網羅的に書かれていますし、厚労省の指針など付録も充実しています。

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当ブログには他にも研修関係の記事がありますのでご参考にしてください。

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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をつぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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