こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
- 無料で手に入るメンタルヘルス研修資料
- 誰も教えてくれない、メンタルヘルス研修の回数・時期・対象者・時間・形式
記事の信頼性
私は以前、組織内で心理的支援をしていた臨床心理士です。メンタルヘルス研修の企画・運営経験もありますし、講師経験もあります。
メンタルヘルス研修は従業員のメンタル疾患の予防に非常に重要ですが、専門家でない方にとっては、「メンタル研修って何やるの?」「まるで想像がつかない」と思われることと思います。
そこで、この記事では「無料で手に入るメンタルヘルス研修の資料」の紹介します。
以下のような方の参考になると思います。
- 自分で研修をやらないといけない人事・総務等の担当職員
- メンタル研修を業者に外注する前に内容を知っておきたい方
- 内容を復習したい現役研修講師の方
組織内心理職として研修を行っていた筆者の経験談をもとに、「研修の時期」「回数」「対象者」「時間」「研修の形式」等の誰も教えてくれないことも補足で解説します。
研修内容の参考にしてみてください(※2022年6月調べ)。
無料で手に入るメンタルヘルス研修資料
結論、以下の2つがおすすめです。
- 「管理監督者むけメンタルヘルス研修マニュアル」(難波克行先生)
- 「非専門家が活用できる教育研修用資材」(産業医学振興財団)
両方とも無料ですし、①は厚生労働省の「こころの耳」にも掲載されていますので、信頼できる資料です。
資料1:管理監督者むけメンタルヘルス研修マニュアル(難波克行先生)
1つ目の資料は産業医の難波克行先生が作成した管理監督者向けの研修資料です。ラインケアに属するものになります。
この資料の素晴らしい点は以下です。
- 厚生労働省の「こころの耳」に掲載されている
- 内容がシンプルで非常にわかりやすい
- パワーポイントのスライドがおしゃれ(これとても重要です)
- 研修マニュアルまでついているので専門家でなくても実施が容易
メンタルヘルス研修の資料は情報量が多く、ごちゃっとなりやすいのですが、要点を的確にご説明されています。
悔しいですが私の自作資料より何倍も素晴らしく、まずはご一読いただきたい資料です。
>>管理監督者むけメンタルヘルス研修マニュアル(外部サイト)
資料2:非専門家が活用できる教育研修用資材(産業医学振興財団)
2つ目は産業医学振興財団という団体がHPに掲載している資料です。
PDFで104ページという大ボリュームで、「セルフケア」と「ラインケア」両方のスライド見本を見ることができます。
この資料の素晴らしい点は以下です。
- セルフケアからラインケアまで解説されている
- 基礎編と応用編があり内容は十分
- スライド見本に加え、講師のカンペであるノートまでついている(非専門家に優しい)
- 産業医学振興財団という実績ある団体が作成している
パワーポイント資料がダウンロードできないようなのでそれが残念ですが、この資料の内容を参考に自作すれば問題ありません。
全部を真似しなくても、必要だと思うところをピックアップして研修で使うのも良いと思います。
>>https://www.zsisz.or.jp/images/pdf/fh22_06.pdf(外部サイト)
以上2つの資料をご紹介させていただきました。
他にもネット上にあるかもしれませんが、私的にはこの2つの内容で十分です。
次に私の経験談から、「内容」ではなく「どのように実施するのか」、という点について少し解説して終わりにします。
誰も教えてくれない、メンタルヘルス研修の回数・時期・対象者・時間・形式
以下についても私の経験をもとにお伝えします。
- メンタルヘルス研修の回数と時期
- 研修の対象者
- 研修に必要な時間
- 研修の形式(講義・ワークショップ)
1つ1つは短いのですぐに読めますよ。
①メンタルヘルス研修の回数と時期
年に1回か2回の実施が多いです。
メンタルヘルスは業務に関係のないことなので、年に3回やると「またメンタルヘルスか。多いな」という印象を与える気がします。
時期の目安ですが、2回実施であれば、5~6月と10~11月あたりが良いでしょう。
5~6月は人事異動後にストレスが溜まりやすいことから、必ず実施したい時期です。
②研修の対象者
研修の対象は「一般職員」と「管理監督職員」を分けた「階層別の研修」が望ましいです。
研修後のアンケートを見ると、階層別研修を望む声はとても多くありました。
メンタルヘルスの基礎的なことを知って欲しいのは一般職員も管理監督者でも同じですが、ラインケアに関することは管理監督者に知って欲しい内容であり、一般職員がいるとネタばらしのようになり、やりづらいためです。
③研修の時間
時間は1回1~2時間が多いかなと思います。
昇進後のリーダーシップ研修等では、丸1日メンタル研修に充てる場合もあるようです。
④研修の形式
座学の講義と参加型のワークのバランスをとることが重要です。
実のある研修にするためには、受講者の記憶に残る必要がありますが、最も効果的なのは、「参加型の研修」です。
具体的には「個人やグループでのワーク」や「講師とのやり取り」を入れることです。「ワークショップ形式」の研修を受講したことがある方はイメージしやすいかもしれません。
講師の立場としては、用意したスライドを読み上げる方が楽ですが、楽な研修は、リターンも少ないです。
こちらがどんなに一生懸命話しても、寝る人は寝ます。特に年配の方がよく寝ます。グループワークや質疑応答は何が出るかわからない不確定さがあり、研修をやる側としては疲れますが、確実に受講者の記憶には残ります。
しかし、ワーク中心の研修にはデメリットもあります。
例えば、1つのテーマについてグループディスカッションを行うと、それだけで時間がとられます。時間が限られている場合、ワークを入れすぎると網羅的な知識付与ができません。
社内規則等で特定の知識を付与することが必要とされている場合(例えばハラスメント等)は、講義形式が良いでしょう。
最低限知っておくべきことを伝えつつ、体験的に理解できるようなワークを入れた研修が理想です。
本記事のまとめ
無料で利用できるメンタルヘルス研修資料は以下の2つがおすすめです。
- 「管理監督者むけメンタルヘルス研修マニュアル」(難波克行先生)
- 「非専門家が活用できる教育研修用資材」(産業医学振興財団)
ここまで読んでいただきありがとうございました。
他にも職場のメンタルヘルスに関する記事がありますのでぜひご覧ください。
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