エス・自我・超自我 -心的構造論ー

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前回は意識、無意識、前意識についての理論である局所論を紹介しました。


今回は同様にフロイトが提唱した心の構造、なんといったらいいのか難しいのですが、心の仕組みのようなものを紹介します。



■心的構造論(エス、自我、超自我)


フロイトは人の心をエス(イドともいう(id, Es))、自我(ego)、超自我(super-ego)の3つの領域からなる1つの装置(心的装置)と考えていました。

これを心的構造論と言います。


感じとしては自分の中にそれぞれ個性を持った3人の自分がいるような、そんなイメージです。


そいつらが頭の中で会議して自分が作られていくような、漫画のワンシーンにありそうな、脳内会議みたいな感じでしょうか。


このエス、自我、超自我はそれぞれに居場所がありむす。エスは無意識、超自我は意識と無意識、自我も意識と無意識にまたがっています。



■ エス(Es)/イド(id)

エスもイドも意味は一緒です。言語が違うだけです。私が受けた授業では、教授はエスを使ってました。


精神分析の用語ではありますが、たまに違う分野でも見かけます。例えばMr.Childrenの曲にもes というのがありますし。


この領域は大部分が無意識に属していて、すべてを意識化するのは無理であると考えられています。


エスは何かと言うと、本能エネルギー(これをフロイトはリビドーと呼びました)の源泉みたいなところで、心の中でも最も原始的な部分になります。

「~~したい」、「~~したくない」と言った欲望の貯蔵庫のようなものです。


現実や時間、秩序の影響を受けない一次過程が支配している場所であり、快楽原則(最近は快原理と言うらしいです)が支配していると考えられています。そのため、行動を統一する機能や価値・道徳的判断をもちません。



・快楽原則(快原理)

本能衝動を即座に満足させようとし、不快であることを避けるという原理です。
赤ちゃんの行動理念だと思うと分かりやすいかと思います。



■ 超自我(super-ego)


超自我は「○○すべき」という理性の領域で、意識的な部分と無意識な部分の両方があります。


・良心の禁止と理想の追求

超自我には1) ~~してはいけないという禁止の部分と、2) ~すべしという追及の部分があります。

モラル第一の学級委員長みたいな機能で、道徳性・良心をもち、エスの本能的衝動を抑える役割を担っています。


・超自我はどのように形成されるのか


超自我は養育者、またはその人にとって重要な意味をもつ他者との同一視を通じ、その人の超自我が内在化することによって出来上がっていきます。

幼少期のしつけや、真似がその人に取り込まれ、超自我になっていく感じです。



・劣等感と罪悪感

超自我は倫理と理想の2面を持つので、それを基準に自分をほめたり罰したりする機能があります。


自分が理想に近づいていると感じることが自己評価を高め、理想とずれていると感じることが劣等感につながります。

私たちが普段こうあるべき、と(無意識的にも)思っている部分は超自我の働きです。


また、倫理に反していると感じることが罪悪感の源泉になり、懲罰的な行動を引き起こします。


・超自我の発達と倫理観

例えば子供のような超自我の発達が未熟な場合、”ばれなければ悪いことをしても良い”という倫理観になりますが、成熟すると、”ばれなくても悪いことは悪い”と感じるようになります。


このように、超自我の発達は倫理観と密接な関係にあります。


しかし大人にもばれなければ的な思考をする人はいて、こういう人は超自我の発達レベルが低いとか、超自我の働きが弱いというように解釈できます。



■ 自我(ego)


自我はエスのこうしたい!という欲求と超自我のこうあるべき!という倫理観を調整し、現実世界に適応しようとする心の中心的な機能を担う領域です。


意識的な部分ではありますが、防衛機制のように無意識的に行われる部分もあります。


・自我の主な機能

自我にも様々な機能がありますがここでは3つ紹介します。


1.超自我とエスと現実の調整


私たちは普段、現実の様々な出来事にでくわします。自分がやりたいことができることもあれば、我慢しなければいけない時もあります。


そのような現実に適応するために、自分の欲求や衝動を統制するべし、という現実原則(現実原理)に則り、エスと超自我の仲介する機能をもっています。

ようは心のまとめ役みたいな機能です。

色々な事を統合的に判断し、現実的な対応をしていきます。


2.自我の防衛機制


調整の役割をもつ自我ですが、エスや超自我を仲介し、現実に適用させようとするときに不安や葛藤が生じる場合があります。


これやりたいけどやったらまずいなぁ、とか。


自我はそんな不安に対する処理機能を備えていて、それは防衛機制(diffensive mechanism)と呼ばれます。


防衛機制というとなんだかなれない日本語ですが、ようは防衛機能です。


はたから見た場合、この防衛規制の種類とか強さがその人の性格を特徴づけているとも取れます。


防衛機制には様々な種類があり、適応的、不適応的がいろいろあるので、また今度別記事で書こうと思います。


3.2次過程を伴う執行機能


エスのところで、本能衝動や欲望が1次過程であると言いましたが、2次過程はそれらを踏まえた結果起こる知覚、注意、判断、学習、推理、想像、記憶などをさします。


自我はこれらを使い、合理的な判断を下し、それを行動に移す執行機能を持ちます。


フロイトはこの3つの領域の機能が関連しあいながら人間の心を構成し、人間の具体的な行動を決定すると考えました。



■まとめ


今回は心的構造論を紹介しましたが、これらに大切なのはこれらのバランスです。


精神分析ではこれらの領域のもつ力の動きを基に人の性格を見ていったり、セラピーによって適応を図ろうとしていきます。


例えば超自我が強りすぎると、絶えず自分の行動を点検しなければ気がすまない、強迫神経症的状態になりやすくなったり、非現実的な自己批判によってうつ病的状態になりやすくなることもあると精神分析では考えます。


欲望のまま衝動的に行動してしまう人はエス優位ですね。


次回は今回紹介しきれなかった防衛機制について書いていこうと思います。



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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をつぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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