※この記事は大学時代のノートです。
人間個人に発達段階やそれに応じた課題があるように,家族にも発達段階や課題があるとして提唱されたの家族ライフサイクル理論です。
一般的な家族が共通して経験するものであり、ある程度は予測可能なものだと言われています。
課題に適切に対処できない場合,特定のメンバーの問題行動につながったり、関係性が悪化する危険がありますが、適切に対処できた場合は家族関係がより親密になったり,家族としての成長につながる可能性もあります。
では実際にその段階と課題を見ていきましょう。
1.家からの巣立ち(独身の若い成人期)
課題:源家族からの自己分化
2.結婚による両家族の結合
課題:夫婦システムの形成。実家の親との付き合い。子どもを持つ決心。
3.子どもの出生から末子の小学校入学までの時期
課題:親役割への対応。養育のための基盤づくり。実家との新しい関係の確立。
手間がかかる時期
4.子どもが小学校に通う時期
課題:子どもを含んだシステムの再調整。成員の個性化
子どもにとっては体験する世界が広がる時期
5.思春期・青年期の子どものいる時期
課題:柔軟な家族境界。祖父母世代の世話
仮に30歳で第一子をもうけたとして,44歳くらいの年齢。これは中間管理職くらいにはなっているころで,仕事上のストレスも多く,親にとっても精神的に過酷な時期。
6.子どもの巣立ちとそれに続く時期・家族の回復期(夫婦のつながりの確認の時期)
課題:夫婦システムの再編成。成人した子どもとの関係。祖父母世代の老化・死への対処
7.老年期の家族の時期:家族の交替期
課題:第2世代に中心的な役割を譲渡
決定権・主導権交代の時期だと言われています。
発達段階の移行期はそれまでの安定が壊れ、別の安定状態を探す時期です。おのずと危険と機会が隣り合う不安定な状態になりやすく家族の力が問われると言って良いでしょう。
家族ライフサイクル理論の提唱者で有名なのは「カーターとマクゴルドリック(Carter&McGoldrick)」で書籍でも良く引用されています。大体1980年くらいです。
しかしもっと遡ると、ブリーフセラピーで有名な「ジェイ・ヘイリー」が家族ライフサイクルに言及しています。
家族ライフサイクル理論は有名なので、大抵の家族心理学の参考書には記載があります。