「皆さんは自分の家族がどんな家族か説明してと言われてうまくできますか?」
大人しいとか、良くしゃべるとか、意外と表現が難しいのではないでしょうか。
今回は家族心理学から家族機能の最も有名なモデルである「オルソンの家族円環モデル」とその評価尺度である「FACESⅢ」を紹介します。
オルソンの家族円環モデル
家族円環モデルは家族の機能を「凝集性」と「適応性」という2つの次元で決めるものです。なお、オルソンは提唱した人の名前です。
凝集性とは
家族メンバーの相互の情緒的結びつきのことを「凝集性」と呼びます。情緒的結びつきとは簡単に言えば「仲の良さ」です。
家族がバラバラな状態から深いつながりまで、①遊離、②分離、③結合、④膠着の4つの段階に分かれています。
適応性とは
家族が直面する危機に対して家族の構造や役割、ルールなどを臨機応変に変化させる柔軟性のことを「適応性」といいます。
例えば、母が倒れたときに父が家事をするといったような柔軟性。
適応性は①無秩序、②柔軟、③構造化、④硬直の4段階に分かれます。
FACESⅢ
オルソンの円環モデルをもとに家族機能を評価する質問紙がFACESⅢです。
家族機能と何か別の変数との関連を調査する際にとても良く使われます。20項目2因子で、非常に有名な尺度です。
大体皆さんこの書籍から引用します。(尺度集の中に入っている)
オルソンの円環モデルほどではないですが、もう一つ有名な家族機能モデルにビーバーズのモデルがあります
ビーバーズの家族モデル
遠心的家族スタイル(拡散家族)
家族の境界がゆるく、バラバラな状態の家族のことを指します。外に出る力が強いことが特徴です。
例:家の経済状況を子供が知っている、母が彼を頻繁に家に連れてくる、
この家族の問題点は家族の境界がゆるいため、簡単に外に出て行くことができる点にあります。本当は誰かに頼りたい、依存したいという欲求を満たそうとするあまり、子供が非行やSEXに走ったりしやすくなるというリスクを持っています。
求心的家族スタイル(纏綿家族)
境界がとても硬く、内に引き止める力が強い家族のことを指します。
例:子離れできない親
上記例の場合、子どもがチャレンジできない風土から、自立が困難になることもあります。子どもが親に気を使い、離れて生きたけど後ろめたいと感じる心理もあるようです。
また、不登校や引きこもりといった神経症的問題が関わってくる場合もあるそうです。