家族心理学

カップル(夫婦)の成長過程 | 喧嘩するは自然なこと

 

皆さんは恋人とよくケンカをする方ですか? それとも何卒穏便に…と喧嘩は避ける方でしょうか。

この記事でお伝えするカップルの成長過程を踏まえると、喧嘩は自然なことと思えるようになるかもしれません。

家族のライフサイクルは夫婦が原家族から独立し、新しい家族ができるところから始まりますが、今回はそんな新たに誕生した夫婦が辿る関係性のプロセスを紹介していきたいと思います。

夫婦が辿る循環過程

これはディム(Dym, B)とグレン(Glen,M.L)という人が提唱したもので、親密な関係に特有な変化・成長についての考えです。

彼らによると、カップルは様相の異なる3つのステージを必ず経験し、それらを順に辿りながら、少しずつ関係を深めて成長していくとのことです。

これはざっくりいうと、良い時期と悪い時期が繰り返し巡ってくるという考えです。

その3つのステージとは

  1. 拡大・保証の時期
  2. 縮小・背信の時期
  3. 和解の時期の3つです。

拡大・保証の時期(ひかれあって)

この時期は互いの違いに惹かれ合い、自分にはない一面が相手によって補われていることで自分が拡大したような体験をするそうです。

自分にない考えや感じ方をするところに魅力を感じるというのは納得できるところがあります。

縮小・背信の時期(めんどくさくなって)

しかしながら、2人の違いはだんだん疎ましく厄介なものと受け取られるようになり、相互に裏切られたように感じて関係から引きこもりがちになるようです。

例えば柔軟だと思っていた人が優柔不断で決断力がないという認識に変わってくることなどがあげられます。

最初は楽しかったけど、だんだん新鮮味も薄れてくるし、嫌なことも言えるような仲になってきて、喧嘩も増える時期です。

和解の時期(でもそれもありかなと)

2のステージを乗り越えることができると、このステージに入ることができます。

いらだちや失望は軽微なものとなり、違いを相手の個性として冷静に受け止められるようになる段階です。

良い意味で諦めと言いますか、嫌な部分も含めてその人なのだなと思えるようになる感じでしょうか。

どんな夫婦も、この循環を何度か繰り返すとディムとグレンは言っています。

また、1期から2期への転落が比較的緩やかなこと、循環が2巡、3巡と進むにつれて、一層緩やかな移行になることが、長続きするカップルの特徴だと考えられています。

2のステージなんてなければいいのにと思ってしまうかもしれませんが、どうしても直面することはあるでしょう。

危険に敏感な方が将来的に生存できる可能性があがる、という生物的な能力によるものかもしれません。

■まとめ

・夫婦が辿る循環過程

1.拡大・保証の時期
2.縮小・背信の時期
3.和解の時期

カップルは上記のステージを何度か循環したのち、安定した関係に移行していく。

夫婦、特に新婚から数年間は夫婦関係の土台作りのために、このような調整の過程が生じていく。

  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

-家族心理学