臨床心理学

不適応の原因とは? 自己概念と体験のズレ|ロジャーズの自己理論を紹介

 

新しい生活が始まってもなんとなく環境になじめない。誰しも一度はそんな経験をしたことがあるかと思います。

仲の良い人たちといるときは自分はこんなんじゃないのに、と葛藤することも多いはず。このような不適応な状態にある時、心の中では何が起こっているのでしょうか。

この不適応な心理状態について、C.ロジャーズが提唱したクライアント中心療法の理論を紹介したいと思います。

不適応の原因は【自己概念】と【体験】のズレ

自分が思っている自分に対する主観的なイメージを自己概念と言い、他者の視点から見た実際の自分(客観的な自分)のことを体験と言います。

自分に自信がある人は肯定的・積極的な自己概念を持っており、反対に自分に自信がない人は否定的・消極的な自己概念を持っているといえます。

適応している状態

適応している状態とは自己概念と体験のズレが少ない状態のことです。

図にするとこうなります。

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「自分はこういう人間」というイメージと実際の自分にあまり差がない状態ですね。

不適応の状態

不適応の状態とは自己概念と体験にズレが生じている状態のことです。

不適応

「自分はこういう人間」というイメージと実際の自分に差がある状態ですね。

不適応はなぜ起こるのか(どのようにしてズレるのか)

ここでは教師のAさんを例にとって不適応を起こす3つの理由を紹介します。

ある日Aさんは自分の授業に感想を提出してもらいました。しかし、その内容を見たところ不適応になったと仮定します。

否定的な感想(評価)を認知し自己概念に取り込む

他者の意見をダイレクトに受け取りすぎることです。これにより自己概念が本来のものからずれていきます。
例:「私の授業には意味がない・・・」

肯定的な感想が目に入らない

面白いという意見があるのにもかかわらずそれを無視し、自分は評価されないと思うといった感じです。

正確な経験として象徴化されない

ストレートに受け取れないことが自己概念をゆがめている状況です。
例:「この生徒はたまたま気を使って良いこと書いてくれているのだな」

また、自分はこうである、というイメージに固執しすぎ、現実とのギャップに違和感を感じていることもあります。

これらに共通していることはどれも思い込みが入っている点です。

視野が狭まり、自分に対する正確な認識ができていない時に不適応は生じやすいと言われています。

思い込みが強すぎないか振り返ったり、自己概念を固定化せずに「自分は変わっていくものだ」と意識していきたいですね。

4月は環境の変化や新しい人との出会いが多くある時期ですが、自分を振り返る時間をつくり不適応な状態にならないように気をつけていきましょう。

  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

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