多重関係や守秘義務といった臨床心理士の倫理規定を知る

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この記事は大学のテスト対策、大学院入試の勉強用の記事です。
論述問題の勉強の参考にしていただけると嬉しいです。

記事のkey wordは “倫理規定”、“守秘義務”、“多重関係”、“インフォームド・コンセント” などです。



■臨床心理士の職業倫理


・臨床家の専門性の水準を一定に保つために専門家として行うべき、あるいは行うべきでない行動の規範を職業倫理という(あるいは、成員の好意の善悪を判断する基準として、職場集団内で承認された規範)。

・職業倫理は大きく、①命令倫理、②理想追及倫理の2つがある。

・命令倫理は、専門家としての行動レベルの最低基準を定めたもの(一般的感覚としての倫理で「XXしなければならない」、「XXしてはいけない」ということ)。

・理想追及倫理は、命令倫理の最低ラインを押さえたうえで、専門家としての最高の基準を目指すレベルを定めたもの。

・①と②を踏まえると、臨床家は最低限の決められたことに従って行動すればいいわけではなく、人々の幸福と福祉に貢献するために、常に専門家として最高の基準を目指し、自分を高める姿勢が求められるということになる。


以下に絶対に知っておくべき臨床心理士の倫理規定を3つ紹介します。



■絶対に知っておくべき倫理規定1 守秘義務


・基本的には、面接で知り得た情報を本人の同意なしで他者に開示してはならないというルールである(信頼関係の構築のため)。

・しかし、これは限定付き秘密保持であることに注意する必要があり、以下のパターンの場合、秘密保持は適応されない。


①クライアントが自殺を仄めかしたり、他者を傷つけたり殺害しようとする意図を感じた場合

この場合秘密保持の原則は適応されず、相手や関係者、家族、警察に対し、クライアントの状態を伝え、注意をするよう警告する必要がある。とはいえ、これは最終手段で、通常はクライアントを説得したり、医療機関へリファーすることを先に検討する。

※判断の根拠を記録しておくことも、後々の問題が起きた時に備えるために重要である。


②法による定めがある場合

例えば児童虐待の防止等に関する法律には、虐待が疑われる場合に通告義務があるため、この場合、守秘義務より通告義務が優先される。


③スクールカウンセラーはチーム守秘義務が適用される

学校にいるカウンセラーは教員や校長らと情報を共有し、チームでの守秘義務が求められる。ただしこの場合、生徒児童にインフォームドコンセントを得ることが求められる。

想定問題:臨床心理士には倫理規定において守秘義務があるが、それが適用されないケースがある。そのケースを3点あげ、その際に留意すべき点を述べよ。



■絶対に知っておくべき倫理規定2 多重関係の禁止


多重関係とは

セラピストとクライエントとの関係以外にも、別の関係を併せ持つ事を二重関係または多重関係という。例えば友達関係、血縁関係、恋人関係、職場関係などである。多重関係を築くことはセラピーの中立性や、何でも話すことができるという信頼関係を侵害する恐れがあるため、職業倫理の観点からは避けるべきである。


つまり、クライアントとカウンセラーは、被援助者-専門家という専門的契約以外の関係をもってはいけないという原則である。



多重関係が禁止される理由


・ケースを客観的に見ることを難しくさせるため(セラピスト側の要因)。

・専門家の存在を必要以上に意識させ、プライベートな関係性の悪化を避けるために、自己開示の抑制などが生じることで、カウンセリングの場を自身のために有意義に使うことを妨害する恐れがあるため(クライアント側の要因)。

・プライベートの関係では知りえなかった必要以上のことを知ってしまうので、関係に支障が出る可能性がある。



やむを得ず多重関係を認めるケース


・人口が少ない町などで、カウンセラーの数が限られ、社会的な関係をもつ人が被援助者になってしまう場合などがある。

・やむを得ない場合、インフォームドコンセントとクライアントの自己決定権が強調される。

・つまり、多重関係を築くことによるデメリットを伝え、クライアント自身が選び、同意を得ることが最低限必要である。



多重関係が悪影響を与える理由


・そもそもクライアントとセラピストは、援助を受ける側と援助する側という本質的に不平等なパワーバランスで成り立っている。

・お互いが対等だという認識をもったとしても、クライアントはセラピストの言うことを聞くことになるため、立場が下になる。

・多重関係はこの不平等な力の関係性が、現実の社会的関係に影響を及ぼし、クライアントが十分に自己決定できず、専門家に奉仕してしまう結果になる可能性がある。



■絶対に知っておくべき倫理規定3 インフォームド・コンセント


インフォームド・コンセントって何?

クライアントへの援助方針をわかりやすく伝え、同意を得たうえで契約を結ぶが、その時の説明と同意をインフォームドコンセントという。クライアントの自己決定を尊重し、業務の透明性を確保するために行われる。説明の内容としては、治療枠、治療仮説、治療方針といわれるものになる。

・つまり目的、技法、リスク、時間場所、人、料金といった機関のシステムや、セラピストの資格、経験と言ったものも伝えることがある。

・これを得ることで治療同盟を築き、援助活動にあたっていくことになる。

・インフォームドコンセントは単なる約束ではなく、契約と見なされる。

・万が1の裁判などのために、説明を行ったこと、その記録は重要である。



自己決定

・医療分野においての定義は、患者が診療を受けるにあたり、自分の状態や考えられる治療法について説明を求め、比較検討のうえで方法を自主的に判断する権利のことを言う。



インフォームド・コンセントを行う際の留意点

・実は、というか当然なのか、クライアントがカウンセリングについての説明を求めることは、ためらわれる行動であることがある。

・これは多重関係の時と同様で、力の不平等のせいである。

・つまり、説明を求めることがカウンセラーを疑っていることと見なされ、カウンセラーの反感を買い、適切な治療がなされないのではないかと不安になる可能性がある。

・そのため、カウンセラーは自ら治療枠を説明し、クライアントの意思を確認する手続きを十分にとる必要がある。

・クライアントの年齢が低い、知的障害、重い精神疾患などの場合は、本人にできるだけ十分な説明を行ったうえで、保護者や後見人の同意を得る必要がある。




倫理規定は他にもありますが、試験に出るのはこの3つがほとんどですし、かなり重要なことです。
勉強の参考になればうれしいです!



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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をほぼ毎日つぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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