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【最新】ゲシュタルト療法のおすすめ本4選【臨床心理士が解説】

ゲシュタルト療法って試験勉強で学んだけど詳しい内容はよく理解できていない。本を読んで勉強したいけど、どの本が良いのだろう…

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  1. ゲシュタルト療法のおすすめ本4選
  2. F.パールズの「ゲシュタルト療法」面接動画

 

記事の信頼性
私は現在、医療機関でカウンセリングや心理検査を行っている臨床心理士です。年間のカウンセリング回数は約1000回。研究では査読ありの学会誌に論文が1本掲載されました。

”ゲシュタルト療法やエンプティチェアの名前は知っているけど実際の面接でどんなことをするのかわからない”、という方は多いのではないでしょうか。

私もそうでした。

冒頭ですが結論を言いますと、ゲシュタルト療法は本を読んだだけではわからないです。

体験してみないと真髄がわからないのはどの心理療法も同じですが、今ここにフォーカスし、気づきを大切にするゲシュタルト療法は特に、体験してみないとわかりません。

私はパールズ先生の本を読んで「おもしろい!」と感じ、でもわかったような、わからないような感じがしたのでワークショップを受けましたが、やはり体験的に学ぶ方が断然理解できます。

とは言え、ワークショップを受けるにもノー知識で行くよりは基礎知識があった方がよいと思いますので、本記事を参考にしていただければ幸いです。

ゲシュタルト療法のおすすめ本4選

以下4冊を紹介します。

  1. ゲシュタルト療法―その理論と実際
  2. 気づきのセラピー―はじめてのゲシュタルト療法
  3. ゲシュタルト療法―その理論と心理臨床例 (二十一世紀カウンセリング叢書)
  4. 実践“受容的な”ゲシュタルト・セラピー―カウンセリングを学ぶ人のために

 

①ゲシュタルト療法―その理論と実際

パールズ先生の著書でゲシュタルト療法のバイブルと言える本だと思います。

創始者の本というのがおすすめの理由ですが、個人的にパールズ先生のことすごく好きでして、言ってることが何と言うか、やんちゃなんです。

例えば、こんなことを言っています。

よくクライアントは悲しみを押さえたから頭痛になったとか、自分自身を表現しなかったから、とか、身体が固くなってしまっていたから、とか、自分が自分を抑えたからだ、とか、泣いてはいけないという命令を取り入れてしまったからだとか、いっぱい原因を並べたてるものである。もし我々が構造ではなく、原因探しに時間を取られるとすると、我々はセラピストなんかやめて「なぜ、風邪なんかひいちゃったのかしら」とか「どうしてお前さんは、そんなにお行儀がわるいの」などと、ぼやき続ける心配性のおばあさんグループにでも入会した方がましである。

引用元:ゲシュタルト療法―その理論と実際 P 91-92

正直、口が悪いなぁと思いました(笑)。今ここに気づきを向けるゲシュタルト療法の「らしさ」を垣間見れるパールズ先生の言葉です。

この続きも秀逸なのですが、引用が長くなってしまうので関心がある方は図書館でもなんでもいいので是非読んでみてください。

この本の難点を一言で言えば、「難しい」。

翻訳書というのもあり、文章が難しいです。この本は読みつつ、日本の先生が書いた本も読むことをおすすめします。

なお、パールズ先生のワークショップを収録した本もあるようなので、興味のある方は読んでみてはいかがでしょうか。

②気づきのセラピー―はじめてのゲシュタルト療法

ゲシュタルト療法を学びたい方は百武先生の本を第一におすすめします。

百武先生は日本ゲシュタルト療法学会初代理事長です。現NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)理事長であり、日本におけるゲシュタルト療法の大家です。外見は白髪で髭をたくわえた仙人みたいな人でした。

私は先生のワークショップを受けたことがありまして、デモンストレーションでクライアント役をやった方が軒並み泣いておられたのが印象に残っています。それだけ強烈に心を揺さぶる先生でした。

目次を引用します。

第1部 からだからのメッセージ(からだに声を与える;からだと対話する;身体感覚にアプローチする ほか)
第2部 ゲシュタルト療法とは何か(ゲシュタルト療法が生まれるまで;自己成長のしくみ;ゲシュタルト療法の特色 ほか)
第3部 さまざまなワーク(空いすの技法―相手の立場に立つ;勝ち犬と負け犬のワーク―知性と本音の対決;夢のワーク ほか)

引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784393360521

個人的にはクライアントを「見立てない」「共感しない」という主張が衝撃でした。

実際の面接を見たい方はDVDもあるようなので、参考にしてみてください。

③ゲシュタルト療法―その理論と心理臨床例 (二十一世紀カウンセリング叢書)

パールズの本を訳した倉戸ヨシヤ先生の著書です。

Amazonレビュー10件で★4.5であり、レビューでも絶賛されています。

目次を引用します。

第1章 ゲシュタルト療法とは
第2章 ゲシュタルト療法の過程
第3章 ゲシュタルト療法の関わりと技法
第4章 ゲシュタルト療法の人格論
第5章 エンプティ・チェア技法について
第6章 事例1 “雑種の犬”に投影されたセルフ・イメージ
第7章 事例2 未完結から完結へ
第8章 事例3 「私は鶏です」
第9章 事例4 喪のワーク
第10章 ゲシュタルト派から見た身体についての小さな省察
第11章 提唱者パールズ

引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784411040176

事例が豊富なところも魅力ですね。

パールズの本の翻訳書の書籍であり、間違いないです。

④実践“受容的な”ゲシュタルト・セラピー―カウンセリングを学ぶ人のために

岡田先生の本は非常にわかりやすいです。

百武先生も岡田先生も中央大学理工学部なんですね。偶然なのかそこで親交があったのかは存じ上げませんが、心理学部出身でないのは興味深い一致。

Amazonレビューは13件で★5つと非常に高評価です。

目次を引用します。

第2版 刊行によせて
はじめに
用  語

1.来談者中心療法とのちがい

(1)参加者と向き合った瞬間,まず何をするか
1.まずは思考のスイッチを切り,ただ感覚・感情だけになる
2.話の内容(「何について」)より,表情や声(「どのように」)を聴く
3.参加者が気もちをじっくり味わい,表出する場に立ち会う
4.ファシリテーターは“意図”をもたず,半歩下がって寄り添う人
(2)ゲシュタルト・ファシリテーターは「考える」ことをあまりしない
1.ファシリテーターの「考え」は参加者の邪魔をする
2.「考え」=「空想」
3.参加者が「考え」を話し始めたら
4.自分の感情に自分が責任をもった感情表出をする
5他人の気もちは絶対にわからない
【要約】

2.ワークへの入り口

(0)「ワーク」とは
(1)「今・ここでの気づき」を入り口として始めるワーク
1.前景と背景(図と地)
2.ゲシュタルト的に考える心の「健康な状態」「不健康な状態」
3.「未完の事柄」が前景のフィルターとして脳裏に貼り付く
4.未完の事柄は筋肉の中に宿る
(2)「悩んでいること、引きずっていること」からワークを始める
1.「悩んでいること」=未完の事柄
2.「未完の事柄」は表出しきっていない感情がつくる
(3)夢を入り口にして始めるワーク
1.夜みる夢は気づきの宝庫
2.ワークの進め方
3.夢はもっとも純粋な形で本当の自分を見せてくれる
【要約】

3.エンプティー・チェア(空の椅子)

(0)エンプティー・チェアとは
(1)「私」と「私でないもの」の境界線はどこ?
1.鵜呑み(Introjection):境界線を超えて自分の中に入り込んでしまった他人
2.投影(Projection):自分の中身を他人に預けてしまう
3.反転(Retroflection):相手に対して感じていることを自分に向ける
4.逸脱(Deflection):他者との接触を避けることで,核心に触れない
5無境界(Confluence):「私」と「私でないもの」の間に境目がない
【要約】
(2)葛藤とセンタリング
1.一人称と具体性:「結婚するのが女の幸せ」は無意味な表現
2.トップドッグ・アンダードッグ:“べき人間”と“でも人間”
2.1/2「ワークは直感の世界」である
3.二極分割とエンプティー・チェア:“今は誰?”を明確に
4.対話とセンタリング
【要約】

4.提案と実験

1.接触(コンタクト)と引きこもり
2.我?汝
3.責任:「私」を主語にした表現
4.責任:「できない」と「しない」
5破滅的空想
6.「なぜ?」から「どのように/な」「何」への言い換え
7.「しかし」から「そして」への言い換え
8.疑問文を肯定文に
9.「?と言ってみて下さい」「?をしてみて下さい」
10.コンタクト
11.グループの人とかかわりをもつ実験
【要約】

5.「“ありよう”の5つの層」と「インパス」

1.“ありよう”の5つの層
2.インパス(行き詰まり)
3.タマネギの皮を一枚ずつ…
【要約】

6.ゲシュタルト・セラピーの学び方

【要約】

【付録】ゲシュタルト・セラピー誕生の背景
1.パールズ夫妻と精神分析
2.ゲシュタルト心理学とゲシュタルト療法
3.現象学・実存主義
4.フリードレンダー・演劇・禅
5.パールズ後のゲシュタルト・セラピーと新しい潮流

あとがき
索  引

 

目次だけ見ても相当わかりやすいです。

岡田先生は「ゲシュタルト・インスティテュート(外部サイト)」という団体?オフィス?をもっており、ホームページがありましたのでリンクを貼っておきます。

F.パールズの「ゲシュタルト療法」面接動画

パールズ先生の動画で有名なのは「グロリアと3人のセラピスト」でしょう。

この動画は非常に有名で、グロリアという女性のクライアントにロジャーズ、パールズ、エリスの3人が面接するデモンストレーション動画です。

youtubeにパールズ先生の動画がありましたので、参考までに貼っておきます(英語です)。

一番最初に見た時の感想は、この人(パールズ)めっちゃ怖いな、でした。すごい詰め寄るんですよね。でもグロリアはまた受けたいのはパールズと言っていたそうです。

本記事は以上になります。

ゲシュタルト療法のおすすめ書籍いかがでしたでしょうか。

他にも心理療法に関するおすすめ書籍をまとめていますので、参考にしてみてください。

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  • この記事を書いた人

モトセ

臨床心理士です。最近は不登校支援に力を入れています。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。 noteでは不登校のお子さんに対する具体的な関り方をプログラム形式で書いています➝noteはこちら

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