こういった疑問にお答えします。
本記事で紹介する書籍
- 子どもが不登校になっちゃった!
- 子どもが不登校になったら読む本——すべて解決できる〝笑顔の処方箋〟
- 不登校に陥る子どもたち: 「思春期のつまずき」から抜け出すためのプロセス
- 不登校体験の本質と予防・対応 学校に行けない「からだ」
- 今、子どもの不登校で悩んでいるあなたへ
- 不登校は1日3分の働きかけで99%解決する
記事の信頼性
私は児童精神科でカウンセリングや心理検査を行っていた臨床心理士です。
不登校のお子さんのカウンセリングする側としても「不登校について勉強しよう」と思ったら本を読むわけですが、「多すぎる…」というのが正直な感想です。
発達障害も同じく本多すぎです。
結論を言えば、万能薬のような聖書はないです。
なぜなら、家庭によって親も子も特徴が違っており、全ての家庭にフィットした支援が書いてある本はないからです。
とはいえ、本を読んで保護者の方の考え方や行動が変わり、不登校の状況が改善する場合もあります。
この記事では現場で支援している私が厳選して「心理」、「からだ」、「親子関係」という視点で書かれたよい本と「不登校の親の体験談」「(もはや)古典」の5冊を紹介します。
保護者の方にも、不登校支援をする専門家の方にも役立つ本を紹介しますので、気軽に読んでみてください。
私もyoutubeで不登校対応について話していますのでよかったら動画もご覧ください。
①子どもが不登校になっちゃった!
もし保護者の方が何を読んだらいいかわからなかったら、体験談から入るのがよいかもです。
理由はいくつかあります。1つ目は、不登校の本はちょっと難しい本が多いので、専門的な色が強い本を読むと、「難しそう」で終わるからです。2つ目は、どうしても専門書を読むと、自分の子育てを否定された感じがしてつらくなる、かもしれないからです。
その点、体験談ですと、保護者の方目線で書かれていますので、「あるある!」と共感でき、勇気づけられます。最初の1冊にはおすすめです。
ランさんの本はその中でも内容がとてもよく、評価も高いため、私もおすすめします。Amazonレビューは記事執筆時に242件、★4.5と非常に高評価です。
目次を引用します。
第1章 あなたが知らない不登校のリアル
第2章 不登校あるあるはコレだ!
第3章 不登校回復までの7つのステップ
第4章 親のための不登校脱出思考トレーニング
第5章 子どもが不登校から回復したママたちの体験談引用元:https://www.subarusya.jp/book/b598505.html
ブログも運営しておられるようで、説得力があります。
②子どもが不登校になったら読む本——すべて解決できる〝笑顔の処方箋〟
読んでいてすごくいい本だったので追加しました。
rikaさんの本は親御さんが元気になることの意味が説得力をもって書かれています。どちらかというと、具体的な対応方法は少なめで、親御さんの価値観について書かれている部分がおおいです。Amazonレビューは記事執筆時に346件、★4.5と非常に高評価です。
目次を引用します。
まえがき
第1章 人生の中に突然やってきた子どもの不登校
・不登校になるということ
・不登校・ひきこもりの現状
・うちの子が不登校に……
・ママの価値観
・学校に行かせるために私がやってみたこと
・不登校解決のために
・どんどんドロ沼化していく家庭環境
・追い詰められていくママの心
・不登校とはどんな状態か
・学校を休ませていれば、エネルギーがたまってまた動き出すのか?第2章 不登校の子に大切なのは〇〇のエネルギー
・エネルギーについて
・『前向きな行動力(エネルギーを使う)』
・『元気回復(心と体のエネルギーチャージ)』
・学校を休ませているのに、いつまでも動き出さなかった理由
・不登校の子の悩みのリアル
・不登校の子どもが口にする「学校に行きたい」とは?
・子どもの意欲が育たない理由
・不登校の子に必要なこと
・不登校の子がまた元気になるために第3章 家族が幸せになれる居心地のよい家庭とは?
・居心地のよい家庭は不登校を長引かせるのか?
・不登校の子の唯一の居場所『家庭』
・居心地のよい家庭を目指して
・ママの罪悪感と後悔
・『まずはママが笑顔になろう』の意味
・子どもに望むこと
・自分と向き合うワーク
・穏やかで平和な家庭を目指したら
・居心地のよい家庭とは第4章 家族との関係
・夫との関係
・シーソーの法則
・理想の夫婦関係
・メチャクチャ大切な大前提
・シングルマザーもワンオペ育児も
・実家の両親との関係
・不登校のこどもとパパとの関係
・ワークの驚愕の解説
・『子どもの幸せが私の幸せ。私はなんだっていいの』は呪いの言葉
・子どもとの関係
・なりたい家族関係になる第5章 不登校の子どもが前をむくために
・子どもを信頼できない理由
・子どもに対して、何を目標にしている?
・子どもが居心地のよい家庭は、家族にとっても居心地のよい家庭あとがき
引用元:https://honto.jp/netstore/pd-contents_0630803385.html
rikaさんの本で私がすごいと思ったところは、絵がわかりやすくていいのもあるのですが、心のエネルギーが充電される条件がうまく書かれているところが好きです。すこし引用させていただきます。
お子さんのエネルギー回復のために必要なこと
- 家で気を遣わずにゆっくり心身を癒す
- 頑張ってきた自分を認める
- 誰かに悩みなどを相談してすっきりする
- 好きなことをして気分を上げる
- なんのプレッシャーも制約もない中で安心感を得る
引用元:「子どもが不登校になったら読む本」
ランさんとrikaさんの本は体験談のなかでもおすすめです。
保護者の方が最初に読む1冊は体験談が吉。とっかかりになります。
という方は次に紹介する本を読んでみてください。
ですが、当事者の方の本を読むのもかなり参考になりますよ。
③不登校に陥る子どもたち: 「思春期のつまずき」から抜け出すためのプロセス
不登校の子どもの心理面を学びたい方はこの本で決まりです。
他の記事でもおすすめしていますが、不登校の原因を「気後れ」という言葉でずばっと説明しておられます。
Amazonレビューは記事執筆時に28件、★4.5と非常に高評価です。不登校に伴う「家庭内暴力」と「電子機器依存」について解説がある点も大変参考になります。個人的には支援者は絶対読んだ方がいいです。
目次を引用します。
第1章 不登校と思春期
第2章 不登校の背景
第3章 家庭内暴力と不登校
第4章 電子メディア依存と不登校はどのように関係しているか
第5章 不登校にどう対応していくか
第6章 思春期の子どもに親はどう対応すべきか引用元:https://www.godo-shuppan.co.jp/book/b559468.html
この本はページ数も176ページと少なく、コンパクトですごくよいのですがその反面、どのように対応したらよいか、がちょっと弱いです。
あえてかもしれませんが、保護者の方が具体的にどのように声をかけるか、にページ数を割いていない。
そこの部分だけ物足りなさがありますが、心理面については「気後れ」解説しておられて、本当に核心をついていると思います。おすすめです。
④不登校体験の本質と予防・対応 学校に行けない「からだ」
この本は不登校のお子さんの心理面ではなく、「からだ」に焦点を当てていて、お子さん自身の身体的な感覚の感じ方について書かれています。
不登校のお子さんに「なぜ学校に行けないの?」と聞くと、「わからないけど行けない」と答えるお子さんは多いです。そこで理由がわからないから支援ができないとなれば、もう手詰まりですが、この本のように、理由はどうあれ何日も休んだ結果、登校できる「からだ」ではなくなる、という発想はかなり斬新でアプローチの幅を広げてくれます。
子どもを朝起こすために、5感にうったえる解説はかなり面白いと感じました。
目次を引用します。
第1章 実存論的見地からみた「不登校体験の本質」
――不登校の子ども自身にとってそれはどのような内的体験なのか
不登校体験の本質
①「圧倒的な身体感覚の変容体験」
②「わけがわからない体験」
③「意味の剥奪」と「自己崩壊」の体験
④「自分を守る体験」
「不登校体験」が子どもの人生にもたらすもの第2章 不登校の実態と支援
不登校の実態――データでみる不登校
登校状況からみた子どもの特徴(タイプ)
不登校のタイプから考える支援の仕方
不登校の「きっかけ」が明確な場合第3章 初期・中期・長期的な対応と復帰のステップ
不登校は「初発対応」が勝負!
不登校の初期対応
「プチ不登校」のポジティブな意味
不登校の中期対応
朝,起き上がれない子どもへの保護者サポート
不登校が長期化した場合の対応第4章 「行動活性化」を活用した不登校支援――「からだの変容」をくい止める
認知行動療法の「行動活性化」
不登校という「行動」を維持させる二つの要因と対処法第5章 子どもが学校に行きたくなる教師
こんな教師が子どもを追い詰める!
こんな教師が不登校を予防する!第6章 不登校を生まない学級・学校づくり
学校・学級に即したプログラムの実施
人間関係プログラムのつくり方
不登校予防の重要時期
「聴く力」のスキルトレーニング第7章 「不登校」がなくなる日――僕たち私たちのための教育改革
今こそ教育改革・学校改革を!
不登校がなくなる日
不登校特例校「草潤中学校」にみる新時代の教育
学校の未来予想図終章 不登校支援でいちばん大切なこと
私(諸富)のプチ不登校体験
支援者に求められる姿勢とは
不登校支援でいちばん大切なことコラム
「どうして学校に行かなくてはいけないの?」と尋ねられたら
「一人の時間」を過ごし、成長していく子どももいる
せっかく不登校になったんだから
不登校の子どものからだは「ズシッと重い砂袋」のよう
ゲーム依存・ネット依存への取組み
不登校の教え子に年賀状を出し続けた先生
卒業式は「本人の気持ちに添った演出」で引用元:http://www.toshobunka.co.jp/books/detail.php?isbn=ISBN978-4-8100-2767-9
保護者の方にとっては、「実存論的見地」など難しい言葉がいくつか出てきますが、「そういうものもあるのか」とあまり気にせず、参考になる部分を読んだらよいかと思います。
この本はけっこう他の本を引用していて、特に行動活性化については以下の本から引用が多いです。
諸富先生ですらいくつかの理論を組み合わせて戦っていることがわかるので、それはそれでためになります。 ちなみに以下の本です。認知行動療法では不登校をこう考えるのだと参考になります。
斬新な「からだ」からのアプローチを知りたい方はこの本を読むことが吉。
⑤今、子どもの不登校で悩んでいるあなたへ
この本は親が子どもにどのように対応すればよいか、一番具体的に書かれていると思います。その点では心理教育的な面が強いです。
ちょっと未熟で依存的なお子さん(ようするにわがままに見えるお子さん)をどうしつけるか、みたいな内容が多いです。Amazonレビューは41件で、★3.5とまずまずです。
目次を引用します。
第1章 不登校になる理由(休み始めの落とし穴;不登校不安定期のアプローチ ほか)
第2章 不登校の改善に必要な家庭内対応(家庭教育と家族療法“理論編”)(そもそも家庭教育とは;家族療法で考える ほか)
第3章 不登校の改善に必要な家庭内対応(家庭教育と家族療法“実践編”)(ソーシャルスキルを身につける;具体的な対応方法)
第4章 復学支援(今の復学支援に至るまで;エンカレッジの復学支援とは ほか)
第5章 不登校を乗り越えた親御さんの声(東京都当時小学三年生男の子;宮城県当時小学五年生女の子)引用元:https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784434259425
著者のやってる団体の宣伝的な内容がありますが。個人的には役に立つところを参考にすれば問題ないかと思います。
子どもが甘ったれで困る、、、と感じる保護者の方には気づく面が多いかもしれません。
⑥不登校は1日3分の働きかけで99%解決する
この本はもはや不登校に関する古典ですね。
コンプリメントとはもともとブリーフセラピーという心理療法で用いられる技法で、ようするにほめることです。
ほめてお子さんの心のエネルギーをためて再登校を目指すという内容であり、「心のコップ」という言葉はこの本で有名になったのかと思います。
Amazonレビューは驚愕の1097件で、★4です。評価より件数の多さに驚きますね。ページ数も少なくコンパクトにコンプリメントについてまとまっているのがよいです。
※目次が見つかりませんでした。
良い本だとは思いますが、コンプリメントで解決すると言いつつ、電子機器についての対応は大切的なことが書いてあったり、「ん?」と思う点はあります。
とはいえ、コンプリメントは不登校対応で非常に重要なことなので、一読することをおすすめします。
本記事は以上になります。
不登校のおすすめ書籍いかがでしたでしょうか。ちなみ私の不登校支援の結論は以下の記事に書きました。他のページは読まなくてよいので、これだけは読んでみてください。
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