恋人をステータスにする心理 -アイデンティティのための恋愛-

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皆さんは恋人と別れた時、どのような気持ちになりますか?


そりゃ悲しいと思います。


それはなぜですか?


相手を悲しませてしまったからでしょうか。


それとも自分が何も持たないダメな人間に見えてくるからでしょうか。


別れの理由は様々で、良いも悪いも部外者から言うことはできません。


しかし、もし後者の理由で別れに対しネガティブな気持ちになっているのであれば、それは恋人を自分のステータスとして考えていた可能性があります。


青年心理学ではこれを、アイデンティティのための恋愛と呼んでいます。



■アイデンティティのための恋愛とは

アイデンティティのための恋愛とは、“親密性が成熟していないかつ、アイデンティティがの統合の過程で、自己のアイデンティティを他者からの評価によって定義づけようとする、または補強しようとする恋愛的行動” (大野、2010)と定義されています。



つまり、自己のアイデンティティを確認するための恋愛です。


ここで当事者が見ているのは相手ではなく、自分の事だととらえることができます。


例えば、容姿のいい恋人(友人でもいいです)と一緒にいると、自分がすごい立派な人間になったような気がすることとかありませんか? そんな感じです。


このような関係にある人は相手を自分の鏡として扱い、相手にではなく、相手に映った自分自身に最大の関心がある状態であると言えます。



■ アイデンティティのための恋愛の特徴

アイデンティティのための恋愛には以下のような5つの特徴があると言われています。


1.相手からの賛美、賞賛を求めたい

つまり、「好き」って言って欲しいということです。



2.相手からの評価が気になる

「私のこと好き?」、「俺のことどう思ってる?」といったことが気になることです。



3.付き合ってしばらくすると、呑み込まれる不安を感じる

一緒にいても自分が自分でないような、偽りの自分であるような感じのことです。

話題がなくなり、会話が続かなく、呑み込まれるような不安が生じる。ほかにも沈黙とか緊張などがあります。



4.相手の挙動に目が離せなくなる

これはようは「今何してるの?」ってことが気になって仕方ないことです。

細かい決め事をして、お互いを規制しあおうとする。
これは自分以外に興味がいくことが怖いから生じると考えられています。



5.結果として、交際が長続きしないことが少なくない

もうお分かりだと思いますが、上記のような心理状態が続くととても疲れます。

結果として一緒にいるのが負担になり、別れに至ることが多いようです。



また、アイデンティティのための恋愛では、相手のことを “重い” と感じるがゆえに交際が長く続かないことがあるようです。重いに関しては後で説明します。



■ なぜアイデンティティのための恋愛に陥るのか

もっとも大きな原因は自分のアイデンティティが未達成であるということが考えられています。


この恋愛をする人は、自分のアイデンティティに自信が持てないため、相手からの賞賛を自分のアイデンティティの拠り所としています。


ようは自分に自信はもてないけど、“相手が好きって言ってくれてるから私はこのままでよい“という心理があります。


しかし、この恋愛のよくないところは、相手の自分に対する評価が価値基準になってしまうので、それがなくなってしまうと自分というものがなくなってしまうということです。


自分というものが脆弱な状態と言えます。


恋愛に依存する人っていうのはここら辺のことが関わっていることもあるかもしれません。


この状態でいると、相手から嫌われることが、ただ恋人を失うことにとどまらず、自分というものの基盤が揺すぶられることになり、その後の大きな不安や混乱の原因となっていきます。


ではこのような状況を避けるにはどうしたらいいのでしょうか。



■ アイデンティティのための恋愛を避ける方法


異性と心理的に本当に親しくなるためには、相手の前で気取ることなく、自然のままで付き合うことができるようになる必要があるでしょう。


そのためには両者のアイデンティティが統合か、少なくとも統合に向かっていること、つまり自分にある程度の自信を持っていることが必要であるといわれています。


しかし、かといってすぐ両者のアイデンティティが確立するわけではないですよね。


そこでそうなる前の困難を避けるためには以下のようなことに気を付ければいいと大野は言っています。


1.つきつめあわない

細かなことまで気にしないということです。

きりがないし、追い詰めることになるからです。



2.共通体験をする

スポーツでも映画でもなんでもいいです。共通体験をすることでお互いの思い入れを深め、自分から相手をしっかり見ていく体験をしていくことができると考えられます。



3.相手を待つ

片方がアイデンティティをそこそこでも確立している場合、相手を余裕をもって見られることがあるでしょう。

その場合、相手がいっぱいいっぱいの状態でもせかさず、待つ。同時に自分の課題についても考えてみる。見守る感じですかね。



4.課題を持つほうはそれを解決する

就職、進学など様々な課題があるかもしれません。しかし、自分なりにアイデンティティの達成をしようと努力することで、前に進むことができますし、相手に待ってもらえるように心を打ち明けてみれば、安定するときもあるでしょう。


先ほど 相手の存在が”重い”から別れにいたる例があると書きましたが、それはこの問題が関わっています。

(1) 相手がアイデンティティ未達成の場合

 この場合、相手が自分を過度に必要とするあまり、相手の存在が”重い”と感じることがあるようです。

(2) 自分のアイデンティティが未達成の場合
 
 こっちの場合、自分のことでいっぱいいっぱいで、相手に思ったほど何もしてあげることができず、だんだん相手に申し訳なくなり、相手の存在が”重い”と感じることがあるようです。まじめな青年ほどこういうことを考えそうですね。



■まとめ

・アイデンティティのための恋愛

 親密性が成熟していないかつ、アイデンティティがの統合の過程で、自己のアイデンティティを他者からの評価によって定義づけようとする、または補強しようとする恋愛的行動のこと。例えば恋人をステータスとしてとらえる感覚。


・アイデンティティのための恋愛の特徴

1.相手からの賛美、賞賛を求めたい
2.相手からの評価が気になる
3.付き合ってしばらくすると、呑み込まれる不安を感じる
4.相手の挙動に目が離せなくなる
5.結果として、交際が長続きしないことが少なくない

・アイデンティティのための恋愛を避ける方法

1.つきつめあわない
2.共通体験をする
3.相手を待つ
4.課題を持つほうはそれを解決する


アイデンティティのための恋愛いかがでしたでしょうか。

こういった恋愛の側面は誰しもあると思います。

例えば、好きになった人が、自分ではすごくいい人だと思うけど、けっこうブサイク(ブス)だとした場合、周りからの評価が気になるものです。


これは学校やらなんやらのコミュニティにいる以上、ある程度は仕方ないような気がします。


しかし、あくまで経験談ですが、結果が幸せなものだとしたら、周りからの評価が気になるのはほんの一瞬のことです。


だいたいがそのうち二人の世界に納得できるようになる気がします。


しかしどうしてもそうなれそうなれず、辛い思いをしているとしたら、今日の記事が参考になればうれしいです。


このテーマに関してはなぜ年上がモテるのかということとも関係してくるようで、そについてはまた今度書きたいと思います。


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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をつぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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コメント

  1. 匿名 より:

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    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    突然のコメント失礼致します。
    大野(2010)とは論文でしょうか?
    研究に使いたいので題名を教えていただけませんか?

  2. 心理 マナブ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 突然のコメント失礼致します。
    > 大野(2010)とは論文でしょうか?
    > 研究に使いたいので題名を教えていただけませんか?

    コメントありがとうございます。
    論文ではなくて、書籍です。
    ”エピソードでつかむ青年心理学 (シリーズ生涯発達心理学)”。

  3. 匿名 より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    昨日、先生の講義を受講させて頂き、とても興味を持ちました。
    女学生が論文の課題を決められない話をもう書面で見たいのですが、ネットでも書籍でも構いません。何か手段はありますでしょうか。
    先生の書かれているエピソードでつかむ青年心理学の書籍にその内容は含まれていますでしょうか。

  4. 心理 マナブ より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    > 昨日、先生の講義を受講させて頂き、とても興味を持ちました。
    > 女学生が論文の課題を決められない話をもう書面で見たいのですが、ネットでも書籍でも構いません。何か手段はありますでしょうか。
    > 先生の書かれているエピソードでつかむ青年心理学の書籍にその内容は含まれていますでしょうか。

    コメントありがとうございます。
    申し訳ないのですが、女学生が論文の課題を決められない話、というものを私は存じ上げません。
    講義の内容であれば新しい話題かもしれません。
    書籍に記載がある可能性はありますが、話の詳細がわからないので、ご自身で確認いただくほうが良いかと思います。
    お役に立てずに申し訳ありません。

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