心理職の就活・転職

40代で心理カウンセラーになるには【臨床心理士が解説】

40代で心理カウンセラーになるにはどうすればいいのだろう…。これから大学院に行って臨床心理士になるには時間的にも金銭的にも無理だ…。資格を取って開業する自信はないから医療機関で働きたいけど、難しいのかな…。

こういった疑問にお答えします。

本記事の内容

  1. 40代で心理カウンセラーになるには【臨床心理士が解説】
  2. 民間の心理カウンセラー資格だけでは不十分な知識+補う方法
  3. 実際の心理カウンセラー求人を見てみましょう

 

記事の信頼性
私は現在、医療機関で勤務している臨床心理士です。私が大学の心理学科に進学したのは25歳で、臨床心理士を取得したのは32歳のときでした。

私は20代で脱サラに踏み切ったので体力的にもなんとか大学院まで行けましたが、もし私が40代(または30代)でカウンセラーを目指すとしたら、臨床心理士はあきらめていたかもしれません。

この記事ではそのような方に向けて、臨床心理士になったからこそわかる、私なりの最短で心理カウンセラーになるにはどうすればよいかを記事にしました。40代だけでなく、30代、50代、主婦の方でも大丈夫ですので、参考にしてみてください。

なお、臨床心理士と公認心理師の取得は目指さず、開業ではなく医療機関で勤務する心理カウンセラーを目指す方法になります。

この記事の内容は心理カウンセラーになること及び就職を保証するものではありません。1つの選択肢としてお考え下さい。

40代で心理カウンセラーになるには

もし私が40代(または30代)で医療機関の心理カウンセラーを目指すとしたら、以下の3点に取り組みます。

  • ステップ1:産業カウンセラーの資格を取る
  • ステップ2:ゆうメンタルクリニックの求人に応募する
  • ステップ3:上記1,2が難しい場合は民間のカウンセラー資格を取ってエージェントに相談する

1つずつ解説していきます。

ステップ1:産業カウンセラーの資格を取る

臨床心理士の取得が厳しければ、私であれば産業カウンセラーの資格をとります。

理由は、産業カウンセラー資格でも応募できる医療機関の求人があるからです。詳しくは次の章で説明します。

 

産業カウンセラーとは?

産業カウンセラーは民間の心理カウンセラー資格の1つであり、私の感覚では臨床心理士、公認心理師の次に有名です。

資格取得には協会が主催する「産業カウンセラー養成講座」を修了する必要があり、臨床心理士を除いた民間資格のなかでは一番しっかりした知識が学べると思います。

養成講座の中に実技(実際のカウンセリングのロールプレイ)があるのは民間資格では産業カウンセラーくらいではないでしょうか

参考リンク:日本産業カウンセラー協会(外部サイト)

私が40代(30代)で心理カウンセラーを目指すのであれば、おそらく産業カウンセラーの資格をとります。

ステップ2:ゆうメンタルクリニックに応募する

ゆうメンタルクリニックは東京を中心に展開している精神科のクリニックです。

漫画でも有名ですね。

私が求人を見た限り、ゆうメンタルクリニックはほぼ常時カウンセラーを募集しており、その応募条件が他のクリニックに比べて柔軟なのが特徴です。

画像を見た方が早いです。以下はDODAという転職サイト内の画像です(2022年6月時点)。

必須条件(下記いずれかの資格をお持ちの方)のところに「産業カウンセラー」が入っていますね。

臨床心理士を取らずに医療機関で心理カウンセラーとして就職するには、産業カウンセラー資格をとってゆうメンタルクリニックに応募する、私だったらこの流れを目標にするでしょう。

産業カウンセラー資格だけで医療機関で働くだけのカウンセリングや精神疾患の知識が身につくの?

私は産業カウンセラー資格を持っていないので断言できませんが、恐らく難しいです。足りない知識と補う方法は後の章で解説していきますね。

ステップ3:上記1,2が難しい場合は民間のカウンセラー資格を取ってエージェントに相談する

産業カウンセラーは臨床心理士より難易度が低いとはいえ、養成講座は最短で6か月、受講料も約30万円かかります。

時間的、金銭的な余裕がない場合や、産業カウンセラー以外にも資格を取っておきたい方は民間の心理カウンセラー資格の取得を目指しましょう。

民間のカウンセラー資格でも、カウンセリングや心理学について、基本的な知識は習得できると思います。無料で資料請求できるWebページをいくつかリンクしておきますので、参考にしてみてください。

  • ヒューマンアカデミー:国内最大級のスクール。修了生は42,033名以上で、自宅からでも学ぶことができる。
  • キャリカレ:心理カウンセラーの他にも産業心理や不登校、夫婦カウンセラーなどの講座があり、目的に特化した勉強ができる。
こういう民間資格って知名度もないし、意味がないのでは?

と思われた方もいるかもしれません。

私見ですが、講座の資格を「能力の証明」にすることは、確かに無理があります。カウンセリングはそうそう簡単には習得できないからです。

しかし、何から勉強したらよいかわからない方には、学びの入り口になることは確かです。

入口から入って基本的なことを学び、プラスで次の章で紹介する本を読んでさらに勉強してみてください。その後、「スーパービジョン」という先輩からの指導を受けることで、実務に耐えうる実力をつけることができると思います。

わたしなら、産業カウンセラーが難しければ、ひとまず民間のカウンセラー資格を取ります。

民間カウンセラー資格で就職できるの?

これに関しては可能性はあります。なぜなら、40代であればそれまでのキャリアもあるので、キャリア+カウンセラー資格で応募できる求人が考えられるからです。求人の見つけ方は最後に紹介しますね。

では次に、民間資格だけでは不十分な知識を補うための書籍を紹介していきます。これは私が臨床心理士として実務をこなす中で見つけた良書なので、参考になるはずです。

民間の心理カウンセラー資格だけでは不十分な知識+補う方法

私見ですが、最低でも以下3つの知識は補う必要があります。

  1. 心理検査とアセスメントの知識
  2. 精神疾患の知識
  3. 傾聴以外の心理療法の知識(まず認知行動療法を覚える)

これらについては本を読んで必死こいて勉強しましょう。ここで必死にならないと、実務でクライアントの人生を傷つけてしまうかもしれません。

鉄板の良書を紹介しますので、参考にしてみてください。

①心理検査とアセスメントの知識

100のワークで学ぶ カウンセリングの見立てと方針

「見立て」とは、面接・行動観察・心理検査などから収集した情報をもとに、クライアントの抱える問題とその援助方法についての見通しを立てることです。英語ではアセスメントといいます。

民間資格では知識としては学んでも、実践レベルではないと思うので、上記の本で補うとよいと思います。

心理検査の実施自体と解釈については個々の書籍にあたってみてください。

②精神疾患の知識

精神診療プラチナマニュアル 第2版

病院で勤務を目指すのであれば、精神疾患の知識は必須でして、以下の書籍はAmazonの評価も高く、大変おすすめです。

created by Rinker
メディカル・サイエンス・インターナショナル

DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引

ちょっととっつきにくいですが、本気で学ぶのであれば、精神科の診断マニュアルであるDSMは読んだ方がいいです。

③傾聴以外の心理療法の知識(まず認知行動療法を覚える)

産業カウンセラーや民間のカウンセラー資格で傾聴は学ぶと思いますが、実際のケースでは傾聴だけでは心もとないです。

心理療法として、認知行動療法の知識はマストで身につけておきましょう。クリニックで勤務を目指すにしても、開業を目指すにしてもCBTは役に立ちます。

伊藤絵美先生は認知行動療法の国内第一人者でして、何より文章が読みやすく、入門にはピッタリだと思います。

最後に、実際のカウンセラー求人の調べ方を紹介して終わりたいと思います。

実際の心理カウンセラー求人を見てみましょう

上記したゆうメンタルクリニックの求人をはじめ、DODAやリクナビなどの一般的な求人サイトに登録することで、民間資格でも就職が可能な医療機関や企業を探すことができます。

これらの求人サイトには非公開求人があり、キャリアカウンセリングを受けることで、希望にマッチした募集を見つけることができるかもしれません。

40代であれば、それまでのキャリアと新たに取得したカウンセラー資格を活かして就くことができる仕事も見つかるかもしれないので、エージェントに相談することも1つの手です。

  • DODA:非公開求人が豊富。無料キャリアカウンセリングを受けることで希望に合った仕事を探すことができる。
  • リクナビNEXT:転職者の約8割が利用。こちらも非公開求人が豊富。
  • みんなのエージェント:無料かつエージェントの口コミや評価も見れるため登録して損はない。

結論、Indeedではキャリアカウンセリングが受けられないので、40代の方には一般的な求人サイトの方がおすすめです。


本記事のまとめ

①40代で心理カウンセラーになるには【臨床心理士が解説】

  • ステップ1:産業カウンセラーの資格を取る
  • ステップ2:ゆうメンタルクリニックの求人に応募する
  • ステップ3:上記1,2が難しい場合、民間のカウンセラーの資格を取得し、エージェントに相談

本記事は以上になります。他にも心理職の就活・転職に関する記事がありますので、ぜひご覧ください。

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  • この記事を書いた人

モトセ

精神科・児童精神科クリニックの心理職です。他には学校、企業内で心理的支援の経験があります。最近は不登校支援に力を入れています。2022年4月にブログをリニューアルしました。お気に入りやtwitterフォローお待ちしています。

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