新型コロナ関連ストレスの全体像を本気で考えてみた

新型コロナ関連
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新型コロナウイルス感染症の流行は我々の生活に甚大な影響を与え、それに伴い心理的なストレスも増加しています。

私自身も2月末頃報道された「この2週間が山場」という言葉に期待し、あと少しすれば収まるから頑張ろうと思っていました。しかし、収束に近づくどころか感染は拡大し、心が休まらない、極めて非日常的な暮らしが続いています。

生活の変化とともに、人々の心に与える影響も大きいことが体験的にも理解できます。また、「コロナうつ」、「コロナ疲れ」といったワードをSNSやニュースで見かけるにつれ、社会的にも心理的な負担が増加する現状が見て取れます。

では我々はこの危機的な状況に不安や怒り、落ち込みといった陰性な感情に支配されるばかりで立ち向かうことはできないのでしょうか。

この問いに答えるため、何かできることはないか、それをいち心理士として本気で考えてみようと思います。

新型コロナ関連ストレスの全体像を把握する

コロナストレスに支配されないためには、意識的なセルフケアは欠かせません。

危機的な状況では人が生まれながらに備える本能により、心身が身構え、生き残ろうとするために様々な反応が生じます(心理学ではこれを「闘争か逃走反応」と呼びます)。

それに伴い自律神経系のバランスは乱れ、さまざな心身の反応、感情や思考の変化が表れます。この変化に振り回され続ければ、心理的な問題が大きくなるリスクがあるでしょう。意識的なケアは終わりの見えない状況を生き抜くために、大きな意味があると言えます。

いずれはコロナストレスへの効果的な対処方法を発信していこうと思いますが、対処方法の前に、まずはコロナストレスの全体像を把握し、介入すべきターゲットとなる問題(しんどさ)について明らかにしようと思います。

  • 新型コロナ関連ストレスのリストアップ方法
  1. 自身の体験、TV、ネット等各メディアの情報から、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う不安、不満、ストレスについて、ブレインストーミング形式で書き出しました。
  2. 次にそれを、KJ法を援用しグルーピングしました。
  3. 最後にグルーピングした概念の背景にある共通した問題を捉え、コロナストレスの全体像及び介入ポイントを整理したいと思います。

なお、これは私個人が1人で勝手にやっている行動であり、心理学的研究の妥当性や信頼性は担保しておりません。研究記事のようなブログ記事という位置づけであることをご理解ください。

ここで分類するストレスは一般的なコロナストレスです。「医療従事者」や「重篤化の可能性が高い高齢者や既往歴がある人」、「ウイルス感染者」の心理的ストレスについては特殊事情を考慮する必要があると思います。

①ウイルス感染への不安

  • 自分が感染したかもしれない(感染するのではないか)。
  • 少しの体調不良でもコロナ感染を疑ってしまう。
  • 家族・知人が感染したかもしれない。
  • 既に自分が感染しており、他人に感染させたかもしれない。
  • 感染したら業務の継続に影響が出て申し訳ない
  • どうしても外出しなければならないが感染したらどうしよう

※実際に感染したことによるストレスは除く

②行動の制限に関するストレス

  • 感染予防のためにやりたいことができない。
  • 趣味ができない。
  • 自粛によって予定がなくなった。
  • 旅行、イベント等の計画が中止になった。
  • 外出自粛で家にいるのが苦痛、ひま
  • 床屋等、不要不急の曖昧な場所に行っていいのか迷う

③消費活動に関するストレス

  • 経済の縮小により欲しいものが買えない、売っていない
  • 花粉症なのにマスクが買えない
  • 子どものためにいつも使っているのに消毒アルコールが買えない
  • 買い占めが起こるかもしれない不安

④経済的ストレス

  • 仕事・収入が減った
  • 会社から解雇された
  • 内定が取り消された
  • 就職口、求人がない

⑤情報に触れることによるストレス

  • メディアがコロナ関連のことばかりでうんざりする
  • テレビをつけるとコロナのことばかりで気が滅入る
  • コロナツイートがネガティブなものばかりで見て嫌な気持ちになる

⑥終わりが見えないことによるストレス

  • いつまで我慢すればいいのかわからない
  • ストレスが爆発しそう
  • 我慢の限界に達しそう
  • いつ収束するかわからず心が休まらない
  • 将来日常に戻れるのか不安

⑦政府の政策に対する不満

  • マスク2枚意味わからん
  • 対策の決定が遅い
  • 対策の内容に疑問
  • 総理のやること全てがカンに触る

⑧知人の死による悲嘆反応

  • 大切な人が亡くなった

⑨対人的な葛藤によるストレス

  • この状況で飲みに行こうという友人が信じられない
  • 夫と妻で危機意識に差があり苛立つ
  • 余裕がなく些細なことで喧嘩になる
  • コロナDV

⑩養育に関するストレス

  • 子どもの勉強が進まない
  • 子どもが不安になっている
  • 家に子供がいてストレス

⑪孤独感、孤立感

  • 家族、友人、恋人等会いたい人に会えない。
  • 家で1人でいると寂しい
  • 参加できるコミュニティがなく孤独


もちろん網羅できていませんし、論理的に概念が整理されているとは言えませんが、細かいグルーピングが目的ではないのでご容赦ください。ご意見や改善点あればコメントいただければとお思います。

【仮説】根本的な問題(しんどさ)は「多重ストレスによる過覚醒」

上記のように便宜的に分類してみましたが、いかがでしょうか。あれが足りないこれが足りないといったご意見あると思います。

私がこれを作成した感じたことは、網羅されているかとか、この中のしんどさの順番とか、精神的健康に何が最も影響があるかとか、そいうことを議論しても仕方がないかもしれない、ということです(もちろん悲嘆に関してはストレスが大きいため特別に配慮する必要あり)。

これだけ同時にいくつものストレスにさらされていること、その非日常的な状態自体が大きな問題と捉えた方がいいのではないでしょうか。

この非日常的な状態の継続は、災害時の心理(惨事ストレス)に類似していると考えられます。現に心理臨床学会のWebサイトでは、コロナ関連ページを震災ケアのページに追記しています。

一般社団法人 日本心理臨床学会
コミュニティの危機とこころのケア

そこで、コロナストレスを惨事ストレスと捉えた場合、その中核症状のひとつである「過覚醒」が中心的な問題であり、セルフケアや治療的介入を行ううえで重要なターゲットとなると考えます

【参考】過覚醒とは

  強いストレスを受けたとき、交感神経の活動が亢進したり、副腎皮質ホルモンが分泌されたりして、体は活動するのに適した状態になります。これは、生体防御のための正常な反応であり、ストレスが解除されると、体もリラックスした状態にもどります。しかし、何らかの原因で、ストレスが解除されても体が緊張した状態を保ち続け、不眠症、イライラ、ちょっとしたことに極端に反応する、警戒心が強くなるなどといった状態が続いてしまうことがあります。これを、過覚醒といいます。
心的外傷後ストレス症候群(PTSD)の特徴のひとつに過覚醒があげられます。

引用元:Weblio辞書

※惨事ストレスによるPTSD様の症状では「侵入・再体験」、「回避(解離)」、「過覚醒」が中核症状ですが、コロナストレスは非常に強い単一のトラウマティックなストレスではなく、中程度のストレスが長期にわたって持続するため、侵入や回避は今のところ過覚醒に比べると考慮する必要性は低いと考えます(感染防止のための自粛はPTSDでいう回避とは捉えていません)。

これを前提として考えた場合、セルフケアや心理的介入のポイントを絞るとすれば、いかに過覚醒へ対処するか、つまり、交感神経の働きを抑え、副交感神経の働きを促進するか、ということになります。

もちろん個別具体的なストレスへの対処や介入も大切だと思いますし、過覚醒状態に続く燃え尽き様の症状(バーンアウト)のケアも重要な気がしますが、マクロな視点で見ればいかに過覚醒へ対処するかが重要だと考えます。

以下のページでも「私たちのできる最大の貢献は、家にいることと、副交感神経系を活性化すること」と記載されています。

また、危機的状況下で交感神経系が高まっている(戦う準備をしている)のに対し、求められていることは家で自粛(静かにしていろ)という矛盾した構造があることが今回の難しさとして挙げられています。

記事が長くなってきたのでコロナストレス全体像の把握はこの辺で終わりにし、実際の具体的なケア方法は次の記事で書いていこうと思います。

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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をつぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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