愛着とアタッチメント

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この記事のkey word 愛着、アタッチメント、アタッチメントスタイル、内的作業モデル、ストレンジシュチュエーション法


以前”愛着”ということについて、少し記事を書いたのですが、今回はその補足のような記事になります。


■乳幼児期における”愛着”(アタッチメント)とは


赤ちゃんは1歳ごろになると、ある特定の対象に対して情緒的な絆を持つようになると言われています。


そしてその相手に積極的に近づいたり、分離を拒むようになります。


ここで言う対象とは主な養育者である母親が一番イメージしやすいでしょう。もちろん母親でない場合もあります。


Bowlby.J(ボウルビィ←アタッチメント研究の第一人者)によれば、主な養育者である母親との間に形成される絆に代表されるような、人が特定の他者との間に気付く緊密な情緒的結びつきを”愛着”と呼びました。



■愛着とアタッチメント


そもそも愛着の訳がattachmentなので、同じもののはずなのですが、日本語になったときに別の解釈になってしまったようです。

詳しいことは自分も良く分かりませんが、愛着とアタッチメントは別物と考えられています。


アタッチメント”とは、恐怖や不安を感じた時、対象に近づいて保護と安心を求める本来生得的な行動システムのことをいうらしいです。


これは“愛着”と訳されことが多いのですが、ぬいぐるみに対する愛着などは意味合いが違うことや、アタッチメントは肯定的な意味合いも否定的な意味合いもなく、愛情や執着とは区別されるものであることから、“愛着”とイコールとは言えないのでしょう。


必ずしも母子関係の理論ではないのですが、ボウルビィはアタッチメント理論を発展させる初期においては母親を主なアタッチメント対象としていました。



■愛着が発達に果たす役割


愛着が発達に果たす役割は子供の有能感、感受性、安全基地となどの言葉で説明できます。

乳児が助けを欲して泣くなどのサインを出すと母親が応答する。このような行為は自分の行動によって環境を変化できるという乳児の有能感につながります。

また、母親の微笑みに対して乳児が微笑み返すなどのサインのやり取りや、乳児のサインにたいして抱いてあやすといった“情動調律”とよばれるやり取りは乳児の感受性を高めます。

乳児が自らの足で移動が可能になると、母親を安全基地として周囲を探索することが可能となり、このような周囲の探索も身体的な発育だけでなく、好奇心を高め、知的な発達を促進します。

このように愛着は様々な発育を促進する役割を果たすのです。


■アタッチメントスタイルの個人差について


アタッチメントは恐怖や不安を感じた時、対象に近づいて保護と安心を求める本来生得的な行動システムであると上記しました。


では、人によって恐怖や不安を感じた時にアタッチメント行動が異なるのはなぜなのでしょうか。


・内的作業モデル(internal working model)


自分と他者に関する表象モデルを内的作業モデルと言います。


これがなかなかわかりずらいのですが、とりあえずBowlbyの考えによりますと、”子供が愛着対象との具体的な経験を通じて、愛着対象への接近可能性、愛着対象の情緒的応答性などに関する表象モデル”が内的作業モデルらしいです。


噛み砕いてみると、愛着対象(主に母親)との経験を通じて、どのくらい近づいていいのかとか、どのくらい愛情を返してくれるのかといった、対人関係に関する心のなかのイメージといったようなことだと思われます。


この内的作業モデルによって後の対人関係のパターンが形成されると考えられており、それがアタッチメントスタイルということです。

このモデルは成人後まで継続し、修正することが困難と言われていますので、このことは発達初期の愛着の重要性を物語っていると言えるでしょう。


幼児期におけるアタッチメントスタイルを測定するもっとも有名な方法がストレンジシュチュエーション法です。



■ストレンジシュチュエーション法(SSP:Strange Situation Procedure)


これはエインズワース(Mary Ainsworth,1978)が提唱した方法であり、子どものアタッチメントの質を評定し、その結果を【安定型】、【不安定-両価型】、【不安定-回避型】の三つの型に分類したものです。

その後、メインとソロモンにより、【不安定-無秩序型】という第4の型が抽出され、現在は4つに分類されています。


SSPはざっくりいうと、1歳半の子どもと親の分離と再会を観察することです。

詳しく言いますと、以下の手順で行われます。

①まず母と子どもが同じ部屋に入る。

②しばらくして見知らぬ他者が入室する。

③その後、母が退室して子は見知らぬ他者と2人きりとなる。

④しばらくして、母が部屋に戻ってくる。

この時、子の反応によって愛着の形成タイプが分類される。


・安定型
アタッチメント対象がいる時は活発な探索行動(遊ぶなど新しい事に取り組む)ができる。対象と離れると不安で苦痛を感じ探索行動は減少するが、再開して慰められると安心し、また活動を始める。
Cf) 安定(セキュア)とは心理的に安全性が高いと言うことであり、動かない意味の安定ではない。


・回避型
アタッチメント対象がそばにいなくても、探索活動を活発にする。
また、対象と離れても、不安や苦痛(分離不安)を見せない。
しかし実際のところ、離れても泣かないけど不安を感じている(生理的指標)。
再会しても対象に近づいていかず、回避しているように見える。


・不安定-両価型(アンビバレント群)
不安傾向が強く、アタッチメント対象の近くにいたがる。
対象がそばにいても離れていくことが不安で探索行動があまりできない。
対象と離れると、強い苦痛(分離不安)を訴え、再会時は対象に近づいていくが、慰められても怒りがなかなかおさまらず、反抗的な態度を示す。(極端にべったりする一方で拒否的な態度を示す)
親がかまいたい時にしかかまわなかったりするとこうなりやすいらしい。反抗的な態度で自分を見放さないで欲しいと意思表示している。


・不安定-無秩序型
アタッチメント対象と離れた時、再会した時の反応が、近接と回避で混合して矛盾しており、体制化されていない。
例えば顔をそむけながら近づいていくとか。
対象と再会した時に凍りつく、意味の分からない行動をするなど、不自然で混乱しているような動きが見られる。
アタッチメント対象(例えば母親)が精神的に極度に不安定であったり、うつ病であったりする事が多い。


ちなみにこれは乳幼児のアタッチメントスタイルなのですが、成人のアタッチメントスタイルというのもあり、これはいわゆる人間関係の作り方をなかなか的確にとらえたものなので、そのうち紹介できたらと思います。


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この記事を書いた人
モトセ

30代の心理職です。元会社員で社会人入試組。ITベンチャー→大学→大学院→心理職。SC、精神科クリニック、企業内心理職の経験ありです。twitterでは心理学関係の学会の更新情報をつぶやいていますので、情報収集に使ってください。

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