
こういった疑問にお答えします。
本記事の内容
- ロールシャッハテストの内容とわかること
- 無料でロールシャッハテストができるサイトの信頼性
以前にgoogleがトップページで特集していたこともあったロールシャッハテストですが、一見なにをしているのかわかりづらいため、受検されて不安になった方も多いかと思います。
結論から言えばロールシャッハテストは変な検査ではありません。心理検査の中でも投影法の代表中の代表です。では、概要をお伝えします。
ロールシャッハテストの内容とわかること
ロールシャッハテストは投影法の性格検査です。受検者の方には左右対称のインクの染みが描かれた図版を見てもらい、何に見えるかを答えてもらいます。図版は全部で10枚あります。
テストのプロセス
①自由反応段階
図版が何に見えるのか自由に答えてもらう段階。
②質問段階
各図版で見えたものが、どのような所からそう見えたのか質問して明らかにする段階。
このような2段構えで行います。1時間で終わる人も中にはいるかもしれませんが、2時間以上かかる人もいます。
何がわかるのか
ロールシャッハテストでわかることの例としては以下です(包括システムという解釈方法の場合です)。
- 感情
- 統制力とストレス耐性
- 認知的媒介
- 思考
- 情報処理過程
- 対人知覚
- 自己知覚
- 状況関連ストレス
例えば、対人知覚は他者をどのように見ているかと言う指標で、否定的に見ているとか肯定的に見ているとか、そういうことなどが含まれます。
心理職はこれらをそれぞれ解釈し、最終的にまとめ、それを受検者にフィードバックするような形になります。
心理検査の実施・解釈には専門的な知識と経験が必要です。検査結果の解釈については、必ず専門家の説明・助言を受けてください。
インクのしみを見て何がわかるのか
「しみが何に見えるか」なんかで性格がわかるの?と思われる方も多いでしょう。
イメージしづらいかもしれませんが、「インクのしみ」を「現実のある場面」と置き換えてもう一度考えてみてください。図版に対する反応は現実場面におけるその人の反応の仕方を再現するようなところがあります。
例えば、細部に着目するのかそれとも全体を見て判断するのか、他の多くの人が答えることと同じようなことを言うのかそれともユニークなものを見つけるのか、そういったことが図版に対する反応からわかります。
それは現実における振る舞いや考え方、感じ方の傾向と似てくるので、そこから性格傾向を推測するのがロールシャッハテストの特徴です。
変なテストではない
ロールシャッハテストは性格検査なので、これをやってくれとお医者さんに言われたから特定の病気というわけではありません。
性格傾向を知り、治療を行う上での方向性や気を付けるべき点などをあらかじめ知るために実施するものです。
信頼性が低いとの噂があるが本当?
これに関しては様々な議論があるので詳しくは書籍などをご参照ください。
ただし、学んだ身としての感想ですが、包括システム(エクスナー法)による解釈は過去の大量のサンプルを分析した結果に基づいており、解釈に主観が入る要素はとても少ない気がします。
無料でロールシャッハテストができるサイトの信頼性
結論から言えば無料サイトでできるロールシャッハテストに信頼性はありません。
理由は2つあります。1つ目は図版の違い、2つ目は選択方法の違いです。
本物の図版は掲載してはいけないので、ネットにある図版は本物とは異なる図版になるはずです。
ロールシャッハテストは本来、受検者に自由に語ってもらい、その反応内容を分析していく検査です。自由に回答できる点が投影法の決定的な特徴であり、選択肢を設けては意味がありません。
よって、無料サイトのロールは娯楽だと思って良いです。
本ブログには他にも心理検査についての記事がありますので、参考にしてみてください。